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「必ずユーザーニーズの取得から」サムライトCCO後藤さんのコンテンツづくりにおけるこだわり
初めはコピーライターとしてキャリアをスタートさせたサムライト株式会社の後藤さん。
現在はサムライト株式会社にてCCO(チーフコンテンツオフィサー)を担当されています。
後藤さんが様々な経歴の中で得たこととは?コンテンツ作りにおいてのこだわり、大切にしていることは?
また、今後チャレンジしたいこと、実現したいことなど、たくさんお聞きしました!
後藤 亮輔(ごとう りょうすけ)
サムライト株式会社 CCO(チーフコンテンツオフィサー)。新卒で広告制作会社に入社し、
TVCF、新聞広告、絵本などのコピーを手がける。
その後、エン・ジャパン(株)で、コピーライターとして中途採用を手がけながら、
同時にIT/Webの専門サイト「CAREER HACK」の運営・編集に。
(株)フォトクリエイトでは、オウンドメディア「STANDS!」を立ち上げ、
編集長として計5メディアとのアライアンスを実施。現在は個人としてデサントやコルクなどとの仕事も。
旅の道中で出会った仕事
―後藤さんは様々なキャリアを踏まれていると思うのですが、まずはコピーライターからキャリアをスタートされたんですよね。
後藤さん(以下、後):そうなんです。大学4年時はとんとん拍子に内定をもらっていたのですが結局、辞退してしまい。ただ、次の就活では50社受けて1社も受からなかったんです(笑)。そもそも何がしたいかわからないのに、就活していたら、そうなりますよね。
その時に「もう一回自分のことを考え直そう」と思い、2週間西日本を一人旅したんです。鳥取砂丘を訪れた時、砂丘の上でカメラマンと建築家の卵に出会ったんですが、仕事で自分の好きなことに挑戦しているとてもチャレンジングな人で。この人と話し、「自分が好きなものは何だろう」と改めて考えました。その結果、「書くこと」だったんです。自分は文章を書いているとき、とても楽しくて。
そしてライターになるための勉強をし、卒業後に制作会社に入社してコピーライターとしてのキャリアをスタートしました。
コピーライターですので、いわゆる記事広告やCMなど、クライアントありきの仕事をしていました。次に人材系の会社で求人広告やオウンドメディアの立ち上げに携わり、その後はイベント写真撮影の会社でメディア立ち上げを行いました。ここでは「新しいファンの獲得」が会社の経営課題だな、と分析した結果感じ、ブランドリフトをKPIにおいたメディアを作ろうと、ゴリゴリ進めてしまいました(笑)。
昨年2014年7月にサムライトに入社し、編集長とCCO(Chief Content Officer。企業のコンテンツにおける最高責任者)を務めています。
―日々はどんな業務をされているんですか?
後:お客様のコンサルティングや、社内メンバーからあがってくるコンテンツのクオリティチェックや、コンテンツマーケティングにおける新規施策の立案多岐にわたります。社内で生まれるお客様へのコンテンツ企画もすべて目を通していますよ。
“ユーザーニーズ”を常に考える
―そんな後藤さんのコンテンツ作りのポイントってどんなものですか?
後:「ユーザーニーズってなんだろう?」がかなり重要だと思っています。結局、読後に感情が動かなければ、クライアントの目指すゴールにも近づかないワケですから。なので、コンテンツづくりはユーザーの興味関心を考えることから始めています。
オウンドメディア支援やコンテンツ制作といった弊社の仕事って、クライアントとユーザーの接点を作る仕事なんですよね。
ですから、クライアントのニーズを叶えることも大事ですが、ユーザーのことをまずは第一に考えて、その上でクライアントのオーダーに応えないといけないなと。会社のメンバー内でもかなり徹底していますね。
―確かに、「誰に届けるか」ということなしにはユーザーの心に響くコンテンツは作れないですよね。
後:そうなんですよ。ユーザーのニーズを無視して主観的につくったコンテンツは、どうしてもユーザーニーズとずれたものになってしまいます。
例えば日本の携帯電話がいい例で。「良いものを作れば売れる」と考えると、きっと機能が優れたものだと思うんです。そこから、「多機能な商品」が生まれて。そして多機能が主流になった結果、「多機能すぎて、よくわからない。使いこなせない」という声が聞こえてきたと思います。逆にシンプルなものが売れ始めましたよね、iPhone然り。
このように、時代とともにユーザーニーズが変わるんですよね。こういった変化を常にコンテンツを作る人間は把握しておく必要があると思います。
目的やゴールがあってこそのオウンドメディア
―オウンドメディアをこれから始めたいな、と思う会社には、何が必要だと思いますか?
後:目的やゴールをクリアにすることです。それらの達成のためにオウンドメディアが適切だ、となってから初めてプロセスが設計できるのではないでしょうか?もし目的の達成がLPやリスティングでも可能と判断した場合、僕は正直にクライアントに伝えます、やらない方がいいと。
オウンドメディアも手段と目的が逆になっているケースがあるんですよね。「とりあえずやろう」と考える企業が今後も増えてくるかと思うのですが、「なんのためにオウンドメディアやってるんだっけ?」とならないために、やはりしっかり設計することが大切なんですよ。
また、「理解が深くて、寛容な経営層」も必要だと思いますね。ノオトに所属されている朽木さんも良く言っていますが、オウンドメディアの成果は長期的な目線で見ることが必要だと。コンテンツは資産なので、ストックされて効果が大きくなってくるものなので、短期的に効果を求めるようであれば、あまりオススメできないです。
ライターや編集者の未来のために
―後藤さんの今後の展望を教えてください。
後:ライターや編集者のキャリアの底上げです。自分がサムライトでCCOになった理由は、肩書とかではなく彼らの地位の上げることなんです。
例えば、エンジニアなどは、編集者やライターよりも高い報酬を得ていると思うんです。
なぜなら、エンジニアは「言語が使える」という特別なスキルを持っていますよね。ただ、編集者やライターが持つ「考える・書く」スキルって、実は誰もが持っているじゃないですか。特別性がないので、価値や報酬が高まりにくいんですよ。
ただ、「多くのコミュニケーションを創造する」という観点で、KPIを出して達成するといったマーケティング的な要素をちゃんと身に付ければ当然地位や価値は向上すると思っていて。そんな状況を目指しています。
―編集者を目指す人達に、ライターから多様なキャリアを積んでいる後藤さん自身の例を見て欲しい、という気持ちも強いように感じました。
後:そうですね。総合職って入社した際に、様々なキャリアが考えうるじゃないですか。一方、ライターはなかなか広がらない、いざジョブチェンジという時に自ずと可能性は狭まります。なので、新しいキャリアを作っていくべきで。ここにもチャレンジしたいんです。
特に今、「キャリアに関する世の中で当たり前」のことが崩れてきていると思うんですよね。終身雇用だって崩れたし。正社員が全てではないし、業務委託とかフリーで素晴らしい人ってたくさんいます。僕自身もギリギリの中でパラレルキャリアを体現してますし(笑)。
自分たちの価値観で、自分たちの価値を最大化させながら、自分の人生を築いていけたらいいなと思いますね。
いい意味で「好き勝手生きたい」です。