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PRだけじゃない!コンテンツを自らつくっていたら編集・ライターまで行うようになった、最強PRパーソン砂流恵介に迫る
PCメーカー「日本エイサー」の広報を経て、現在はPR活動や、編集・ライターを中心に活動されている砂流恵介さん。今回はそんな砂流さんに、記事を書くときに大切にしていること、今後の展望などを伺ってみました。
広報担当者、Web担当者の方の参考になれば幸いです。
砂流 恵介(すながれ・けいすけ)
元秋葉原のパソコンショップ店長代理。
2007年10月にPCメーカー「日本エイサー」に入社。
広報を担当し、その斬新な手法で注目された。ネットでのゲリラ戦が得意。
http://matome.naver.jp/odai/2138261979010999701
―砂流さんは企業広報からフリーになり、どんなことをされていらっしゃるんですか?
砂流さん(以下、省略):現在はインターネットでフルオーダーメイドシャツを作る「Original Stitch」や商店街バンドなどのPRをはじめ、PRのコンサルタント、そして攻殻機動隊リアライズプロジェクト編集長、東洋経済や広報会議で連載、Engadget、HRナビでオフィス訪問の記事をかいています。また、しらべぇで編集やライターも担当しています。
―とても色々なことをされているんですね…!PRからライティングなどを始めた経緯はなんだったんですか?
日本エイサーで広報を担当していた時、Engadgetのお誘いでライティングを始めるようになりました。
―もともとライティングは得意だったんですか?
最初から書けたわけじゃないんです。全部語尾が「です、です」になってしまったりと、最初はとても苦労しました。
僕はEngadgetに鍛えてもらったんです。Engadgetでは海外の大手が新商品を発売したとしたら、英語のリリースを読むだけでなく、以前の製品や競合を調べてから記事を書き始めます。徹底的に調べてから記事を書くんですね。慣れなくて、生みの苦しみを味わいましたね。3ヶ月くらい鍛えていただいて、そこから、「Engadgetで書けるなら、砂流さんウチでも書けますよね」という感じで、色々とお声かけいただきました。
「オフィス訪問」の記事は未経験のジャンルだったので、初めて書いた時は10時間以上かかりましたよ。
―HRナビでの連載ですよね。ライティングから始まり、編集なども出来るようになった背景は何でしょうか?
時間や金銭面で割に合わないようなことも含めとにかく丁寧に書き続けていたら、編集で声をかけていただけるようになったんじゃないかと思っています。
コンテンツをつくるときは詳しさが大切
―しらべぇでは編集もされているということですが、ライターを探しているのも砂流さんなんですよね。
そうですね。しらべぇでは、自分の担当枠があるので、僕が書くだけでなく、芸人さんやタレントさんを中心にコンテンツを持っている方にコラム連載を頼んでいます。
皆さんブログを書かれていたりしますが、検索でたどり着かない限りファンではない一般の人は出会いにくい。でも、ニュースメディアで記事をアップしていると、読者の中には「この人に初めて出会った」という方も多く、ファンになってくれることもあると思うんです。
自分のことが知られている前提で自らブログを書くのと、それとは別にニュースサイトで記事を書くのとでは広がり方が全く違いますよね。
―とはいえ、みなさんプロのライターではないと思うのですが、どんな基準でライターを選ばれているんですか?
選ぶ基準は、文章が上手かどうかではなく、“専門的”かどうかや、彼ら自身が面白いコンテンツを持っているかどうかです。
芸人のどきどきキャンプ佐藤さんにしらべぇでコラム連載をお願いしているのですが、佐藤さんはトイレについて30分話すラジオ番組を持っているんですよね。こういった面白いコンテンツがとてもいいなと思いました。
自分が楽しいと思えるかどうか
―砂流さんは、記事を書いたり編集をされている中で「どんな記事が伸びるか」わかっていらっしゃるイメージなんですが、いかがですか?
どういうコンテンツがささるかは正直わからないですが、「豆知識やみんなが知らない役立つ情報など、多くの人が知りたいと思うものを発信すると伸びる」ということを実感しました。しらべぇで僕が編集している記事でヒットするのも専門性がある人が書いた記事だし、そういった記事のほうが読んでいても楽しいです。キュレーションするだけではなく、何かに詳しい人が専門的なことを言ったほうが価値があるし、信頼性が高いと思うんですよね。
あとは、直接誰か知り合い3人に話して3人とも「面白いね」と言ってもらえた話は、記事にすると伸びるだろうと思いますね。「絶対に伸びる」と思って出したのは、この記事です。
始発じゃ間に合わない成田発のLCC便には大江戸温泉3:40発のバスが最高かもしれない
http://sirabee.com/2015/06/24/37134/
台湾に行く機会があったときに、安くいける方法を色々調べていたら、大江戸温泉3:00発成田5:00着で朝7:00のLCC飛行機に乗れるものを見つけまして(笑)。かつそのチケットで大江戸温泉の入場料が半額だったりでめっちゃお得で。
この記事は、いいねやシェアだけでなく、ブックマークや、「知らなかった」「ついに自分だけ知っていたことが記事になってしまった」などのコメントも多かったです。
―記事を書いてきて、上手くいかなかったことなどありましたか?
面白いと思って書けていなかったり、無理矢理書いてたり、納期ぎりぎりにやっつけ仕事してしまった記事は誰も見てくれないですね。
最近のWebのメディアで「怖いな、いけてないな」と思うのは、書き起こしているだけの記事。
例えば、語尾など何も直されずに話したまんま書き起こされていて、記事内に同じことが何度も書かれていたりする記事を見ると単純に「読みにくいな…」と。雑誌の場合はまた異なると思うんですけどね。
日本のこと海外のことをPRしたい
―今後の砂流さんの展望はなんですか?
編集者は面白いなと思っていますが、PRにずっと関わりたくて。その中でも、海外のお仕事をやっていきたいと思っています。
元JUDY AND MARYのTAKUYAさんについて台湾にレコーディングの見学へ行った際、現地に行ったからこそみんなが知らないことを伝えられると感じました。日本の「行ってみた」という記事よりも、海外の「行ってみた」の記事の方が面白いと思ったんです。実際書いてみましたが、多くの方に見てもらえました。
台湾のコンビニ密度は世界一ィィ!そこら中にあるコンビニでは何が売られているのか?
http://sirabee.com/2015/07/08/39506/
また、先日エアアジアのブロガーイベントに呼んでいただいて、その時に海外のお仕事をしたいと改めて思いました。アジアの人は日本含め共通で色んなアジアのタレントやアーティストを知っているんです。でも日本人は、日本のことだけしか知らないんですよね。
「日本は今のところアジアの中でイケてる国」、という認識があるが故に、日本についてのトピックがでてくるのかもしれません。ですが、これが何年続くのか…と焦ったんですよ。今後日本をPRできる武器が無くなった場合、何ができるんだろうと怖くなりましたね。ちゃんと海外のことを知りたいし、そっちで仕事できるようになろうって思いました。
記事を書くでもいいし、PRで、日本のこと、海外のことをしってもらえるようにしていきたいです。TAKUYAさんの受け売りですけど、海外の現地通貨で仕事できるようになりたいです。
―直近の予定では何かあるんですか?
アーロンという台湾のアーティストがいるのですが、彼がもうすぐ日本に来るので、アーロンに密着したいと思っています。宣伝担当とかではないんですけど(笑)
編集後記
取材後、アップされたアーロンさんの記事はその週シェア数がしらべぇ内で1番となっておりました。http://sirabee.com/2015/09/16/51004/
記事をつくるときは、書く話題について「面白い!」と感じることや、自ら体験したもの、専門的になれることが大切ですね。当たり前のようでできていない企業様は多いのではないでしょうか。
砂流さんの今後がとても楽しみです。