【売り手・買い手別】M&Aを成功に導くおすすめ本・書籍15選

【売り手・買い手別】M&Aを成功に導くおすすめ本・書籍15選

M&Aは、友好的な企業合併や後継者不足に悩む会社の事業継続手段として注目を集めています。

この記事では、M&Aを学ぶのにおすすめの書籍を厳選して紹介します。企業M&Aに携わる方、将来的にM&Aを視野に入れている経営者の書籍探しの参考にしてください。

この記事の想定読者

この記事の想定読者

当記事では、読んでいただく読者さまの属性をある程度想定してから執筆をしています。想定される読者像は以下のとおりです。

1.M&A初心者で、企業買収についてはじめて学ぼうとしている方。PEファンドやM&Aアドバイザーの仕事に就きたい方。

2.自社あるいは事業の一部を、M&Aをつかって譲渡したいと考えている売り手側の方。事業継承のために、M&Aの利用を検討してみたい経営者の方。

3.会社や事業の買収・譲受のために、M&Aを実施していきたい買い手側企業の方。将来的に自社の事業拡大をプランニング中の方など。

もちろんここで挙げたケースに該当しない方も大歓迎。みなさまのM&A知識取得に役立つ内容となっています。

本記事でおすすめするM&Aの本の選定基準

本記事でおすすめするM&Aの本の選定基準

当記事でおすすめするM&A書籍を選ぶにあたって、いくつかの選択基準を設けました。難解なビジネスの専門書よりも、M&Aの初心者やM&Aについて何も知らない人でも気軽に読める本を紹介しますが、それらの本は以下に挙げる選考基準に基づいて選ばれています。M&A書籍を人に紹介するときや、会社の研修資料を選ぶときなどにも使える基準となりますので参考にしてみてください。

初心者にもわかりやすい内容

本記事でおすすめするM&Aの書籍として最初にあげる選定基準が、初心者にもわかりやすい内容であることです。MAや会社経営の書籍は専門的になりやすく、初心者には理解するのが難しい傾向にあります。その中でもあえて難しい表現を多用せずに、誰が読んでも知識に落とし込める書き方をした本を選定しました。MA初心者やビジネスの経験・知識がまだ浅い読者にも、わかりやすくて読みやすい内容の本を選んでおすすめしています。

M&Aの本質をとらえている

紹介するM&A本が「M&Aの本質をとらえているかどうか」も、この記事での選定基準のひとつです。M&Aの知識だけを学びたいのであれば、それこそインターネット上のブログ記事でも事足ります。しかし本記事ではM&Aの教科書的な解説にとどまらず、著者や取材を受けたビジネスパーソンの経験に裏打ちされた、M&Aの本質部分に切り込んだ内容の書籍をピックアップしています。

行動で実践できる内容

実際にM&Aをおこなうことを前提として、書籍の中身が行動で実践できる内容かどうかも、ピックアップのポイントとなっています。現在数多くのM&A関係の書籍が出版されていますが、それらの中から内容や記述が具体的で、再現性があるかどうかに重点をおいた選抜をしました。

おすすめのM&A本・書籍15選

おすすめのM&A本・書籍15選

ここからは前述した選定基準にしたがって選んだM&Aの書籍を紹介します。はじめての人におすすめできる本から、売り手側向け、買い手側向け、M&A法務の本、海外クロスボーダーM&Aの本まで一気に表示されますので、ご自分の状況に近いところから見ていきましょう。最後に、エンターテインメントとして楽しめるM&A小説も紹介していますので、勉強に疲れたら休憩のついでにのぞいてみてください。

はじめての人向けM&A本2選

「最近周りがM&Aと騒いでいるがM&Aって何?」「M&Aを検討したいけれど何からはじめたらいいのか全くわからない!」そんな疑問やお悩みをもつ方におすすめするのが、これから紹介する2冊の本です。どちらもわかりやすい文章で、MAとはどういうものかを明快に教えてくれます。企業買収へはじめの一歩をふみだしたい方は、こちらを入口にしてみてはいかがでしょう。

M&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏

M&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏
タイトルM&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏
著者山本貴之
発行元エネルギーフォーラム新書
発行年度2017年
ページ数全223ページ

「日本政策投資銀行」や「価値総合研究所」などで代表や役員を歴任してきた筆者が、それまでのM&Aアドバイザーや経営コンサルタントとして培った知識と経験をもとに執筆した本が、こちらの「M&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏」です。企業の買収や統合において、当事者に助言や支援をするM&Aアドバイザーは企業買収における黒子的な役割を担い、M&Aの成否に大きく関わる存在です。本書は各章でさまざまなM&Aのケーススタディーが紹介され、その前後にわかりやすい解説がつくユニークな構成となっています。

ケーススタディーに登場する会社名や個人名は実在のものではないものの、筆者がこれまでに関わってきたM&A案件に基づいて設定されており、人物同士の会話ひとつをとってみてもノンフィクションのようなリアリティを持っています。M&Aとはどういうものか?世の中ではどのように M&Aがおこなわれているのか?を学ぶには充分な内容で、M&Aの当事者のみならずコンサルタントやM&Aアドバイザーを目指す人にもおすすめできる一冊です。

日本のM&Aの歴史と未来

日本のM&Aの歴史と未来
タイトル日本のM&Aの歴史と未来
著者金融財政事情研究会
発行元金融財政事情研究会
発行年度2021年
ページ数全271ページ

「日本のM&Aの歴史と未来」は日本経済と企業にとってのM&Aがもつ重要性を説き、その歴史をていねいに紐解いていく内容です。「日本M&Aセンターホールディングス」や「中小企業庁」など、経済界に結びつきが強い組織のトップや管理職がそれぞれの章を執筆しており、最終章では座談会形式での対談が収録されています。

日本経済とM&Aの現状と課題を論じ今後の方向性を示唆するこの一冊は、今日の日本においてM&Aに携わるすべての人が読んでおくべき本といえます。

売り手向けM&A本3選

現在出版されているM&Aの書籍には、譲受側・譲渡側双方について総合的に網羅したものや、買い手側に向けて書かれた本が数多く出版されています。しかし全体的にみて、売り手側に向けた本はやや少ない傾向があります。その中から、売り手向けに書かれたおすすめのM&A本を3冊厳選して紹介します。

損をしない会社売却の教科書~中小企業のためのM&A戦略~

損をしない会社売却の教科書~中小企業のためのM&A戦略~
タイトル損をしない会社売却の教科書~中小企業のためのM&A戦略~
著者江野澤哲也
発行元出版社 ビジネス社
発行年度2016年
ページ数全223ページ

タイトルにあるとおり「損をしないで会社を売却」するために、最善の知識を得られる本がこちら。会社売却についての基本的な考え方から、企業価値の本質や会社の経営者が目指すべき方向性まで幅広く網羅した内容となっています。

この本は昨今中小企業に多く見受けられる、「オーナー企業を経営しているが後継者がいないのでM&Aでの会社売却を考えている」ケースにとてもマッチしています。会社の売却を考えている中小企業のオーナーには必読の書といっても過言ではありません。また、企業買受を学びたい場合にも一読する価値が充分にあります。

あなたの会社は高く売れます 小さな会社のM&A戦略

あなたの会社は高く売れます 小さな会社のM&A戦略
タイトルあなたの会社は高く売れます 小さな会社のM&A戦略
著者岡本行生
発行元ダイヤモンド社
発行年度2019年
ページ数全408ページ

「野村証券」で勤務ののちに「アドバンストアイ株式会社」を創立した筆者による、売り手側の経営者に向けて書かれた本がこちらの「あなたの会社は高く売れます ~小さな会社のM&A戦略~」です。タイトルからはやや商売気質な印象をうけますが、実際はいたって実用的で、MAの本質をついた内容の良書となっています。事業継承の問題を抱えた中小企業が会社のもつ価値を高め、売却利益を最大化するためには何をしたらよいか?豊富な実例を交えて具体的に提示してくれます。

本書では中小企業において過小評価されがちな自社の経営資源や魅力を正しく分析し、買い手側に高く評価される売り込み方も指南。全400ページ以上のボリュームがありますが、将来的にM&Aでの会社売却を視野に入れているならば、参考書代わりに手元に置いておくことをおすすめします。

まんがでわかるオーナー社長のM&A

まんがでわかるオーナー社長のM&A
タイトルまんがでわかる オーナー社長のM&A
著者大山敬義
イラスト八木ふたろう
発行元すばる舎
発行年度2017年
ページ数全167ページ

マンガ形式を用いてM&Aを解説した本がこちらの「まんがでわかるオーナー社長のM&A」です。しかしマンガとあなどるなかれ。本書はM&Aの本質を、ストーリー仕立てで非常にわかりやすく教えてくれる教科書となっています。

主人公の結城麗奈は、北陸にある老舗酒蔵「星川酒造」のひとり娘。東京でOLとして充実した日々を送っていましたが、実家の星川酒造では後継問題が起こり…と、わかりやすいストーリーとポップな絵柄で読者をマンガの世界に引き込みます。20代後半の主人公が意識している「結婚」を企業のM&Aになぞらえて進行するところもユニークで、読み終わった頃にはM&Aの基礎的な知識が自然と頭に入っています。パートごとに解説のページもあり、M&Aのことを少し知りたいと思ったときに気軽に読める一冊です。

買い手向けM&A本4選

企業買収においては譲受側はM&A成立後に組織内の調整などやることが多く、譲渡側と比較してやや大変なケースもあります。買い手側に向けて書かれたM&A本も数多く出版されており、M&Aの価格に特化した本や、M&A前の企業調査に関するもの、M&A後の組織統合について書かれた本などさまざまな種類があります。ここからは、買い手向けのM&A本をジャンルごとに4冊紹介します。

この1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント

この1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント
タイトルこの1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント
著者大原達朗, 松原良太, 早嶋聡史
編集者日本M&Aアドバイザー協会
発行元中央経済社
発行年度2014年
ページ数全200ページ

買い手側がM&Aのプロセスと全体像をつかむのに最適なのが本書「この1冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント」です。「一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会」の代表理事を務める3名の執筆者が、M&Aの基本事項を中心に添えてM&Aのプロセスを紹介。M&Aの各段階における大事なポイントが読みやすい文章で解説されています。

また、M&Aのメリットだけではなくデメリットや気をつけるべき事も書かれているので、実際にMAをおこなう際にはこの本で学んだことを活かせます。

本書は全体的にみて、深く掘り下げた内容というよりもM&Aの流れをざっくりと紹介した構成なので、譲受側企業の初心者がはじめに目を通す本としても大変おすすめの一冊です。

高値づかみをしないM&A

高値づかみをしないM&A
タイトル高値づかみをしないM&A
著者アビームM&Aコンサルティング
発行元中央経済社
発行年度2012年
ページ数全141ページ

M&Aにおける「価格」の本質をわかりやすく解説した本がこちらです。専門書のような難しい言葉を用いずに、初心者が読んでも充分に理解できる文章を使ってM&Aの価格に関して順序だてて解説してくれます。

「高値づかみをしないM&A」とタイトルにあるようにとくに買い手側に向けた内容となっており、高値づかみによるM&Aの失敗を防ぐための心構えとノウハウを紹介。M&Aが失敗する大きな要因のひとつである「高値づかみ」を防ぐのに役立ちます。企業の成長戦略として、M&Aによる買収を視野に入れているならば、ぜひとも一読をおすすめしたい書籍です。

M&Aを成功に導くビジネスデューデリジェンスの実務

M&Aを成功に導くビジネスデューデリジェンスの実務
タイトルM&Aを成功に導くビジネスデューデリジェンスの実務
著者マーバルパートナーズ
発行元中央経済社
発行年度2013年
ページ数全512ページ

M&Aを成功させるため避けては通れない重要なプロセスのひとつに「デューデリジェンス」があります。デューデリジェンスとはM&Aを仕掛ける側が、買収対象となる企業を徹底的に調査して調べ上げることをさします。デューデリジェンスをおこなう最大の目的は企業統合の阻害要因を突き詰めて検証し、統合後には検証内容を反映させた組織づくりをマネジメントすることにあります。デューデリジェンスがしっかりなされていれば企業文化の違いが業績悪化につながることなどが避けられるため、統合によるシナジー創出を最大限に引き出すことも可能となるのです。

本書には、買収側の人間が知っておくべきデューデリジェンスの知識とノウハウが全編にわたってちりばめられています。全600ページ以上のボリュームがありますが、全文に目を通すことを強くおすすめします。

ポストM&A成功戦略

タイトルポストM&A成功戦略
著者田中大貴
発行元日経BP
発行年度2018年
ページ数全317ページ

M&Aの成立は決してゴールではなく、その後の買収・合併後の調整作業いわゆる「PMI」こそが肝要であり、PMIを最適化してはじめてM&Aは成功すると説く本書。筆者は「トーマツコンサルティング株式会社」の取締役を務めながら企業の組織改革や経営統合、M&A分野において独自の研究と発信を続けている松江英夫氏。この本ではM&A成立後に企業が直面する内部の人間関係や、社員のメンタルにどのように配慮していくべきかなど、企業買収が抱える問題点に 鋭くメスをいれていきます。

また、執筆内容は企業内部の感情面にとどまらず、PMIの設計に取り組むチームの作り方や、シナジー効果を最大限追求するためのポイント、M&A成立後の人材流出を防ぐ方法など、ポストM&Aのための具体的な方法論を数多く紹介。PMIの前提知識作りに最適な本書を、買い手側でPMIに携わる人間は早い段階に読んでおくことを強くおすすめします。

企業買収法務に関するM&A本2選

M&Aを実行するときに、決して避けて通れないものに「企業買収の法務」があります。M&Aは国が定める法律に則っておこなわれなければなりません。書類の作成や届け出の仕方など企業買収に関わる法務をおろそかにしていたことが原因で問題が生じて、会社が大きな痛手を受けるケースは後を絶ちません。ぜひこの機会に企業買収に関する法務を学び、万全な状態でM&Aに臨みましょう。

法務デューデリジェンスチェックリスト

法務デューデリジェンスチェックリスト
タイトル法務デューデリジェンスチェックリスト 万全のIPO準備とM&Aのために
著者佐藤 義幸
発行元good.book
発行年度2016年
ページ数全113ページ

ニューヨーク州弁護士として数多くのMA案件やIPO、スタートアップ支援などに携わってきた筆者による、法務デューデリジェンス関連資料リストおよび標準化されたチェックポイント集がこちらです。

M&Aや上場時には法務のデューデリジェンスは必須となりますが、資金繰りなどに忙殺され案外後回しにされてしまいがちなもの。しかし法務の「あら」がその後大きな落とし穴となるケースは決して少なくありません。そんなときに役立つのがそのままチェックリストとして使える本書です。

さまざまなケーススタディー別に、法務デューデリジェンスとしておさえておくべき項目がリストアップされているので、そのまま自社の法務を確認するだけでチェック漏れを防げます。大きな法改正がある度に改訂版も出版されるので、非常に実用性の高いシリーズとなっています。

中小企業買収の法務

中小企業買収の法務
タイトル中小企業買収の法務 事業承継型M&A・ベンチャー企業M&A
著者柴田堅太郎
発行元中央経済社
発行年度2018年
ページ数全277ページ

中小企業を対象としたM&Aの事案では、大企業や上場企業では起こりえないような問題が発生しがちです。例としては「株券を発行した経験がない」「名義株主と連絡が取れない」「経営者一族の要求が理不尽」など、本書はそんな中小企業M&Aにむけたトラブルの解決指南として最適な一冊です。

本書では中小企業のM&A事案を「事業継承型」と「ベンチャー企業案件」に分けて、それぞれM&Aの法務面で起こりうる問題を解説していきます。M&Aやコーポレートガバナンスの分野で活躍してきた弁護士の著者が、実体験に基づく豊富なトラブル案件とその解決策を紹介。本書を一読しておけば、中小企業M&Aにおいてトラブルの解決力が自然と身につきます。

海外クロスボーダーM&A本2選

「クロスボーダーM&A」とは、売り手側か買い手側どちらかが海外企業であるM&Aをさします。クロスボーダーM&Aは近年増加の傾向にあり、今後は、海外企業と日本企業のあいだでの企業買収がスタンダードになることが予想されます。クロスボーダーM&Aを解説・指南する書籍も多数出版されていますが、そのなかから読みやすいものを2冊ピックアップして紹介します。

日本一わかりやすい海外M&A入門

日本一わかりやすい海外M&A入門
タイトル日本一わかりやすい海外M&A入門
著者杉山仁
発行元金融財政事情研究会
発行年度2017年
ページ数全158ページ

この本は、アメリカやイギリスの企業に10年以上勤務し、海外でのM&A案件や数々の買収後経営に従事してきた筆者が、海外M&Aの全体像と買収を成功させるためのコツを伝えます。本書では経済の専門家による意見ではなく、実際に海外M&Aに関わってきた当事者としての視点で、簡潔に海外M&Aの全体像が語られています。

全編にわたって初心者でも理解しやすい切り口で、M&A当事者の着眼するべきことや注意点などが明確に記述され、本書を一冊読むだけで海外M&Aの全体像が理解できる内容となっています。また、全150ページ程度に上手にまとめられているので、社員教育のテキストとしても使える一冊です。

JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書

JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書
タイトルJTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書
著者新貝康司
発行元日経BP社
発行年度2015年
ページ数全310ページ

世界シェア第3位のタバコメーカーに成長した「JT」の海外M&A戦略を、元JTインターナショナル副社長の新貝 康司氏が語った本がこちらの「JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書 」です。日本たばこ産業を前身にもつJTは2007年にイギリスのタバコメーカー「ギャラハー社」を買収。作者をはじめとする当時の関係者たちの不断の努力により、2兆2500億円を投じたM&Aは成功し、JTインターナショナルのビジネスは大きく飛躍しました。

本書ではこの巨大買収劇の内幕を、現在では海外M&Aの第一人者と目される著者が独自の切り口で分析。海外M&Aの戦略とプロセスを余すところなく紹介しています。JTはギャラハー社の買収以前にも数々の海外M&Aを成功させ力をつけていましたが、その道のりは決して平坦ではなくさまざまな失敗があったことも解説。「M&Aは諸刃の剣」と語る新貝氏の言葉には、海外M&Aに関わるすべての人々に聞かせたい教えが満載です。

おすすめのM&A小説2選

M&Aは企業に利益をもたらし、ビジネスを拡大する機会となります。案件の規模が大きくなればなるほどM&Aは多くの人間を巻き込み、文字通り「買収劇」を展開します。買収劇の裏側には、スリリングな駆け引きや大どんでん返しなど悲喜こもごものドラマがあり、これらを題材にした小説や映画は数多く発表されています。ここからは、エンターテインメントとして楽しみながら学べるM&A小説を少しだけ紹介します。まじめな本はどうしても性に合わないという人は、これらの小説から勉強してみるのもよいでしょう。もちろん純粋にストーリーを楽しむだけでもおすすめです。

M&A神アドバイザーズ

M&A神アドバイザーズ
タイトルM&A神アドバイザーズ
著者山本貴之
発行元エネルギーフォーラム
発行年度2019年
ページ数全228ページ

「はじめての人向けM&A本2選」のトピックで紹介した「M&Aアドバイザー 企業買収と事業継承の舞台裏」の作者、山本貴之氏が書き下ろしたM&A小説がこちら。静岡県浜松市のガス会社を舞台に、企業買収を主軸としたストーリーがテンポよく展開されます。

主人公は入社4年目の佐々木涼太。地元浜松の「本州瓦斯(ガス)」の関連企業で働いていましたが、ある日本社の「ケーキ」こと経営企画室に移動を命じられます。本州瓦斯では社長交代を機に関連事業の再編と他社の買収を進めることになり、主人公は経営企画室の一員としてさまざまなM&A事案に遭遇することになります。

主人公と個性豊かな経営企画室のメンバーを中心に関連企業の売却や同業他社の買収劇が展開していき、国際的なエネルギー問題から恋愛まで内容は盛りだくさん。本格的なビジネス小説の読み応えとライトノベルの気軽さを併せ持つ本書は、コーヒーブレイクのお供にもおすすめです。魅力的な登場人物と明快なストーリー展開にグイグイ引き込まれますが、巻末にはM&A用語解説もついているので勉強にもなる一冊です。

野蛮な来訪者-RJRナビスコの陥落

野蛮な来訪者-RJRナビスコの陥落
タイトル野蛮な来訪者-RJRナビスコの陥落
著者ブライアン・バロー、 ジョン・ヘルヤー
翻訳鈴田敦之
発行元パンローリング
発行年度2017年
ページ数上巻:全448ページ 下巻:全500ページ

最後に紹介するのは「M&Aの教科書」として、現在も数々のビジネススクールやファンド研修で取り上げられているM&Aノンフィクションの傑作、「野蛮な来訪者-RJRナビスコの陥落」です。こちらは、1989年のアメリカで実際に起こった250億ドルの超大型企業買収の裏側を、当時の関係者たちからつぶさに取材したルポタージュです。

当時全米屈指の巨大企業だった「RJRナビスコ」の自社TOB(株式公開買付)を契機に、その企業資産を狙ってさまざまな企業が敵対的M&Aを画策します。有象無象の欲望と策略が入り混じるなか、企業のしのぎ合いは苛烈を極め多くの脱落者を生み出しました。最終的には国際的投資会社の「KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)」が買収劇の勝者となりますが、その裏には金融経済に関わる人間達のさまざまな思惑がうごめいていたのでした。

この本を執筆したのは当時の「ウォール・ストリート・ジャーナル」記者で作家のブライアン・バロー氏と、同じくウォール・ストリート・ジャーナルの元アトランタ支局次長ジョン・ヘルヤー氏。二人は本書執筆のために、当時のRJRナビスコとKKRの関係者をつぶさに取材。さらに買収競争から脱落した企業や、さまざまな理由から参戦すら叶わなかったプレイヤー達へのインタビューまでも交えてアメリカ金融資本主義の実態に迫りました。

本作は世界中で高く評価され、作者の二人は卓越したビジネスジャーナリズムに送られる「ジェラルド・ローブ賞」を受賞しています。上下巻あわせて全900ページ以上ありますが、読んでみればこのボリュームが本書には妥当であったことがご理解いただけるでしょう。腰を据えてじっくり味わいたい一流のエンターテインメントです。

M&A相談ならウィルゲートM&A

M&A相談ならウィルゲートM&A

2006年創業の「株式会社ウィルゲート」は、コンテンツマーケティングビジネスを展開している企業です。2019年から「Willgate M&A」のサービスを開始し、わずか2年で利用社数は1,400社以上になりました。また、ウィルゲートは創業以来Web・IT業界を中心に企業や株式の譲受・譲渡の仲介支援事業を続けています。これまでに取引をした企業は6,700社以上にのぼり、企業経営者・幹部とのネットワークは9,100社以上にもなります。ウィルゲートは、地道に築き上げた企業間のネットワークにより、手早いコミュニケーションとM&A支援が可能。企業のM&Aにおいては、譲受側・譲渡側双方にとって心強い味方となってくれます。

ウィルゲートのM&A支援は、完全成果報酬のかたちをとっているので着手金は無料。M&Aの相談も無料で受けられます。自社のM&Aを考えているのなら、まずはウィルゲートの無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

売り手・買い手別おすすめM&A本・書籍まとめ

売り手・買い手別おすすめM&A本・書籍まとめ

M&Aは企業の成長やビジネスの拡大を促進させるだけではなく、業界再編や後継者問題の解決策にもなります。2022年現在、M&Aの本場とよばれるアメリカはもとより世界各国や日本においてもM&Aは一般的になりつつあり、企業買収を仲介するM&Aアドバイザーへの需要は高まりを見せています。

ウィルゲートM&Aでは、15,100社を超える経営者ネットワークを活用し、ベストマッチングを提案します。Web・IT領域を中心に、幅広い業種のM&Aに対応しているのがウィルゲートM&Aの強みです。M&A成立までのサポートが手厚く、条件交渉の際にもアドバイスを受けられます。

一般的にM&Aの成約までは6ヶ月〜1年ほどの期間を要しますが、ウィルゲートでは平均で4ヶ月、最短1.5ヶ月での成約実績、40億円以上での成約実績もあります。完全成功報酬型で着手金無料なので、お気軽にご相談ください。

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