SaaS業界のM&A動向・買収売却事例・売却相場を解説【2025年】

【2022年】SaaS業界のM&A動向・事例・売却相場を解説

近年さまざまなビジネスにおいて、ソフトウエアサービス「SaaS」の需要が高まっています。そしてSaaS企業界は急成長を対象とした続けており、M&A(合併・買収)の動向も活発化し注目されています。

本記事では2025年のSaaS業界における最新のM&Aトレンドや、具体的な買収・売却事例、さらには売却相場について詳しく解説します。SaaS企業がどのように市場での位置を強化しているのかを探っていきましょう。

SaaS業界の概要

SaaS業界の概要

「SaaS(サース)」とは「サービスとしてのソフトウェア(Software as a Service)」のことをさすITビジネス用語です。
SaaSのシステムは、Webサーバーからインターネットを経由して、さまざまなサービスを利用者に提供する仕組みとなっています。これまでのソフトウェアはユーザーのパソコンにソフトウェアをインストールする必要がありましたが、SaaSのシステムではインターネットを経由して、ユーザーはさまざまなサービスにアクセスできるようになります。
この業界は急速に成長しており、企業向けの各種サービスが次々と登場しています。

SaaS企業とは

SaaS企業とは、ソフトウェアをクラウド上で提供し、ユーザーがインターネットを通じてアクセスできるサービスを展開する企業のことです。SaaS(Software as a Service)は、ユーザーがソフトウェアをローカルにインストールするのではなく、月額料金や年額料金などのサブスクリプションモデルで利用することが特徴です。これにより、企業は初期投資を抑えつつ、最新の技術や機能を手軽に利用できる利点があります。

SaaS業界の市場規模や市場動向

SaaS業界は急速に成長しており、2025年にはさらなる市場拡大が期待されています。企業向けソフトウェアの需要が高まり、SaaSの導入率も増加傾向にあります。特に、リモートワークの普及や業務効率化のニーズにより、SaaSの市場はますます重要な存在となっています。

市場調査会社のデータによれば、2024年のSaaS市場規模は約358.33億ドルに達し、2025年にはさらに成長し約406.89億ドルを超えると予測されています。2030年までには約1兆ドルに達する見込みです。この成長に伴い、企業はクラウドベースのソリューションを導入することでコスト削減や業務効率の向上を図る傾向が見られます。特に、中小企業においては、初期投資を抑えつつ、柔軟に業務を展開できるSaaSの導入が加速しています。

また、競争が激化する中で、特定のニーズに応えるためのニッチなサービスが増加している点も注目されています。例えば、医療や教育、製造業向けの特化型SaaSが登場しており、これにより様々な業界のデジタルトランスフォーメーションが進んでいます。

さらに、データセキュリティやプライバシーに対する懸念も高まる中、企業は適切なSaaSプロバイダーを選定する際の基準を厳格にするようになっています。これにより、信頼性の高いプラットフォームへの需要が増加し、業界全体の成長が促進されています。

2025年には、SaaS業界は既存のサービスの進化に加え、AIや機械学習などの新技術との統合も進むでしょう。このような動向は、より高度な分析機能や自動化された業務フローを提供する可能性を秘めており、企業は競争力を維持するためにSaaSの活用を積極的に進めていくことが予想されます。

日本のSaaS市場

日本のSaaS市場は着実に成長を続けており、今後も拡大が見込まれています。

具体的には、日本のSaaS市場は2023年には約1.4兆円に達したと推定されており、2024年には約1.5兆円規模に成長すると予測されています。2023年から2027年にかけて、年平均11%の成長率が見込まれており、2027年には2兆円を超える規模に達するとされており、高い成長率を維持しながら拡大していくと見られています。

日本のSaaS市場は、グローバル市場と比較するとまだ成長の余地が大きいと考えられています。特にエンタープライズ領域では今後も高い成長が見込まれており、投資家からも注目を集めています。AIやクラウドテクノロジーの進化に伴い、今後はAI統合型SaaSやセキュリティ関連のSaaSサービスの需要が高まると予測されています。

SaaS業界のビジネスモデル

SaaS業界にはいくつかの主要なビジネスモデルが存在しています。特に代表的なものには、サブスクリプションサービス、フリーミアム戦略、利用客データの活用があります。これらのモデルは、顧客に対して柔軟な利用形態を提供し、継続的な収益を確保するために重要な役割を果たしています。

サブスクリプションサービス

サブスクリプションサービスは、顧客が定期的な料金を支払うことでサービスを利用できるビジネスモデルです。
このモデルは、安定した収益を確保するために非常に効果的であり、特にSaaS業界において広く採用されています。顧客は初期投資を抑えられ、必要に応じてサービスを利用するため、導入しやすいのが特徴です。

フリーミアム戦略

フリーミアム戦略は、基本機能を無料で提供し、追加機能やサービスを有料で提供するビジネスモデルです。
これにより、ユーザーが気軽にサービスを試すことができ、満足した場合に有料プランへと移行することを促します。この戦略は、特に新規ユーザー獲得と市場拡大に効果的です。

利用客データの活用

利用客データの活用は、SaaS業界において非常に重要なビジネス戦略です。企業は、ユーザーの行動や嗜好に関するデータを収集・分析することで、サービスの改善や新機能の開発に役立てることができます。
このデータ駆動型のアプローチにより、顧客満足度を向上させ、競争力を強化することが可能になります。

SaaS企業の一例

SaaS企業は、ソフトウェアをインターネット上のサービスとして提供する業務をおこなっています。マーケティングやデータ解析、EC(電子商取引)など、さまざまなジャンルでSaaSの需要が増しており、この動きは今後も拡大が予想されます。

そして2025年現在、SaaS関連のM&A事案も増加傾向にあるのです。ここからは、代表的なSaaS企業の一例を紹介します。

サイボウズ株式会社

「サイボウズ株式会社」は日本国内を代表するSaaS企業のひとつです。クラウドベースの情報共有グループウェア「サイボウズ Office」やアプリケーション構築プラットフォーム「Kintone」などのSaaSシステムを手掛けており、業界の垣根を超えて約69,000社の導入実績があります。

株式会社ヤプリ

「株式会社ヤプリ」は、アプリケーションの開発プラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」を提供している国内ベンチャー企業です。Yappliは、プログラミングの専門知識がなくてもノーコードでアプリ開発がおこなえるシステムで、数多くの企業への導入実績があります。

salesforce.com(セールスフォースドットコム)

「salesforce.com(セールスフォースドットコム)」は時価総額1,000億ドル超の米国企業です。クラウドベースのCRM(Customer Relationship Management)顧客管理システムは世界中で利用されており、導入実績は15万社以上にのぼります。

2025年SaaS業界のM&A最新動向

SaaS業界のM&A最新動向

近年のSaaS業界は成長著しい分野といえます。そして、SaaSのビジネスモデルを対象としたM&Aも活発化しています。ここからは、2025年SaaS業界M&Aの最新動向を紹介します。

SaaS業界M&Aの傾向

SaaS業界におけるM&Aは、急速な市場成長を背景に、企業の競争力強化やサービスの多様化を図るために活発に行われています。
特に、技術革新や顧客ニーズの変化に対応するため、関連する事業を持つ企業の買収が増加しています。

2025年には、特にAI技術、クラウドインフラ、データアナリティクスに関連した企業が焦点となり、その国際的なM&Aも増えるでしょう。例えば、AIを利用した業務効率化ツールやデータ解析プラットフォームの開発企業が、他のSaaS企業との統合を選ぶケースが予想されます。これにより、企業は自社の提供サービスを強化し、より高い顧客価値を提供できるようになります。

加えて、ポストコロナ時代におけるリモートワークの普及により、従業員の生産性向上やチームコラボレーションが可能なツールを持つ企業への関心が高まっています。この背景から、チームコラボレーションツールやプロジェクト管理ツールの開発企業が他社に買収される動きがみられます。市場リーダーたちがこの分野でのポジションを強化するため、対象となる企業の選定を慎重に行う姿勢も注視されるでしょう。

また、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した企業が増える中で、環境負荷の少ないSaaSソリューションを展開する企業が注目されています。これらの企業は、持続可能な企業成長を求める投資家からの評価が高く、M&Aのターゲットになりやすいです。実際、新興企業が大手企業に買収されるケースも出てきており、特にグリーンテクノロジーを取り入れたSaaSは将来性を期待されています。

このように、サイズや市場セグメントをあまり気にせず、M&Aを通じて迅速に技術やサービスを取得・拡大する流れが一層加速することが考えられます。企業はこれにより新たな競争優位性を確立し、自社の成長を促進することを目指しています。

SaaS業界M&Aのケース

SaaS業界では、さまざまな企業が戦略的なM&Aを行っています。具体的なケースとしては、大手企業による新興企業の買収や、複数の中小企業の統合などが挙げられます。これにより、技術の向上や市場シェアの拡大が図られ、競争力の強化が促進されています。

特に注目すべきは、上場企業だけでなく、多くの非上場企業や投資ファンドもM&A市場に参入している点です。これらの企業は、最初に非上場の形で事業を立ち上げ、その後の成長を経て最終的にはIPO(株式公開)やM&Aによる売却を目指すことが一般的です。この流れは特に技術革新が進むSaaS市場では顕著で、多くの企業が戦略的にSalesforceやSAPなどのメガプレイヤーに対抗するための手段としてM&Aを選択しています。

また、一般的な投資ファンドに加え、未公開会社や未公開株式を対象としたプライベート・エクイティ(PE)ファンドも積極的にSaaS企業とのM&Aを進めています。SaaS市場の成長性やリターンの予測が立てやすいことから、これらのファンドは投資先として非常に魅力的に映っているのです。さらに、最近では、SaaS企業のデータ分析や顧客管理といった特定のニッチ分野をターゲットにしたM&Aも増加しています。これにより、より専門性の高いサービスが一体化し、新たなビジネスモデルが生まれる可能性が期待されています。

M&Aは単なる規模拡大を越え、技術や市場の変化に迅速に対応するための重要な戦略となっています。今後もこの動向は続くと考えられ、その影響は業界全体に広がっていくでしょう。

SaaS業界M&Aの目的

SaaS業界におけるM&Aの目的は多岐にわたります。企業は市場シェアを拡大し、新しい技術やサービスを取り入れることで競争力を高めることを目指します。

具体的には、急成長する市場をターゲットにするため、M&Aを通じて新たなプロダクトラインや市場への迅速な進出を図ります。例えば、特定のニッチ市場に特化したSaaS企業が、広範な顧客基盤を持つ企業と提携することで、その市場への浸透を加速することが可能です。このように、M&Aは新しい市場機会を捉えるための重要な手段となっています。

また、M&Aによってシナジー効果を追求する企業も多く見られます。例えば、技術力の高い企業が他の企業を買収することで、製品やサービスの革新を図る一方で、コスト削減や効率化を実現することが期待されます。これにより、リソースや技術の統合が進み、競争優位性をさらに強化することにつながります。

さらに、SaaSは革新的なアイディアが多く、将来性の高さも特徴です。これを背景に、SaaS企業の将来性を評価し市場への参加を狙ったM&Aが近年増加しています。特に、SaaS企業は市場のニーズに応じて急速に成長できるため、時間をかけずに市場を開拓し、M&Aを通じて短期間での収益化を目指す企業が多く存在します。このような動向は特に海外で顕著で、多くの成功したM&Aのケースが報告されています。

最後に、特定の業界でのSaaSの導入を目指す企業にとっても、M&Aは有効な手段として挙げられます。IT企業などは、SaaSの分野との相性が良く、シナジー創出を期待するM&Aの事案が増加傾向にあります。このように、SaaS業界におけるM&Aは多面的な目的を持ち、それぞれの企業戦略にとって重要な柱となっています。

市場の成長を背景にした競争の激化

SaaS業界では市場の急成長が進んでおり、これに伴い競争が激化しています。多くの企業が新しい技術やサービスを取り入れて顧客を獲得しようとし、シェア争いがますます熾烈になっています。この状況は、企業にとってイノベーションの必要性を高める一方、市場の拡大に向けた機会でもあります。

顧客のニーズが多様化し、企業は迅速に対応することが求められています。例えば、リモートワークの普及に伴い、コミュニケーションやプロジェクト管理を支援するツールへの需要が急増しています。このような変化は、特定の機能や使いやすさ、セキュリティ対策が優れたサービスが求められる背景となり、競争を一層激化させています。

市場の成長により、ベンチャーキャピタルや投資家の関心も高まっています。最新のデータによれば、2023年におけるSaaS企業への投資額は前年を大幅に上回り、特にクラウドベースのHRソリューションやフィンテック関連のソフトウェアに多くの資金が流入しています。また、2024年の最新データによると、SaaS企業への投資額は前年比で約22%増加し、特にAI統合型SaaSソリューションへの投資が顕著です。この資金の流入は、新興企業にとっても成長の機会を意味し、結果として市場内の競争がさらに激化する要因となっています。

さらに、企業同士のM&Aも増加しています。競争の激化により、自社の強みを活かした新たな市場への参入やリソースの効率的な活用を目指すため、他社との統合や買収が戦略として有効視されています。これにより、業界全体の構造が変化し、企業の競争力も再定義されています。

このような市場動向は、SaaS業界全体における成長の速度を加速させ、お互いの競争を生む一助となっています。企業は新しい挑戦に直面し、適応できるかどうかが、今後の成功を大きく左右するでしょう。

SaaS企業をM&A・買収・売却するメリット

SaaS企業をM&A・買収・売却するメリット

SaaS企業におけるM&A、買収、売却には多くのメリットが存在します。特に、売り手にとっては、企業価値を最大化し、資金を得るチャンスとなる一方、買い手にとっては、新たな市場や技術への迅速なアクセスが可能になります。このような取引を通じて、両者はそれぞれのビジネスを成長させる大きな機会を得ることができます。

売り手側のメリット

SaaS企業を売却する際、売り手側にはいくつかの重要なメリットがあります。まず、企業価値を最大化することで、より多くの資金を得られる可能性があります。また、買い手とのシナジー効果を期待することで、自社のサービスや技術を次のステージへと進化させるチャンスになることもあります。このように、適切な売却戦略を選ぶことで、売り手は自社の価値を高めることができるのです。

買い手のメリット

SaaS企業をM&Aで買収する際、買い手側にはさまざまな利点があります。主なメリットとして、迅速な市場参入や新技術の獲得、さらには顧客ベースの拡大が挙げられます。また、他社とのシナジーを享受することで、コスト削減や運営効率の向上も期待できます。このように、M&Aは買い手にとって戦略的な成長を促進する重要な手段となっています。

SaaS企業の売却金額の相場

SaaS企業の売却金額の相場

SaaS企業の売却金額の相場は、いくつかのアプローチを用いて評価されます。これには、コストアプローチ、インカムアプローチ、マーケットアプローチが含まれ、それぞれの方法で算出される金額が企業価値の理解に寄与します。市場動向や競争状況を考慮することも重要であり、これにより企業別の売却額に違いが生じることがあります。

2024年のデータによると、SaaS企業の平均的な売却倍率は年間経常収益(ARR)の6.6倍程度となっています。ただし、成長率や収益性によって3倍から15倍まで幅があります。

コストアプローチ

コストアプローチは、SaaS企業の評価において、資産の再調達費用に基づいて価値を算定する手法です。この方法では、企業が持つ資産やインフラを新たに取得する際のコストを考慮し、必要な投資を見積もります。これにより、現時点での企業の実質的な価値を把握するのに役立ちます。

インカムアプローチ

インカムアプローチは、SaaS企業の評価手法の一つで、将来のキャッシュフローを基に企業価値を算定します。具体的には、予測される収益を割引率を用いて現在価値に変換し、企業の本質的な価値を導き出します。このアプローチは、特に安定した収益を見込める SaaS企業に対して効果的です。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチは、SaaS企業の評価手法の一つで、市場における類似企業の取引価格や評価を基にその企業の価値を算定します。この方法は、実際に行われた取引から得られたデータを使用するため、現実的な市場の動向を反映しやすい特徴があります。特に、競争の激しいSaaS市場においては、市場の相対価値を慎重に検討することが重要です。

SaaS企業の買収を成功させるポイント

SaaS企業の買収を成功させるポイント

M&AでSaaS企業の買収を成功に導くには、おさえておくべきいくつかの重要なポイントが存在します。2025年現在、特に注目すべき点として、テクノロジーの適合性評価、顧客基盤の分析、そしてデータセキュリティの確保が挙げられます。

まずM&Aをおこなう前に、新しく取り組む事業の範囲や自社の強化したい分野を明確化しておきましょう。そのうえで適切なM&Aの相手となる企業を探し、候補となる企業がみつかったら徹底的にその会社を調査します。とくに、簿外債務などM&Aが締結した後に発覚すると大きなダメージとなる要素には注意が必要です。

企業の買収は、M&Aが締結した後の対応で成否が決まるといっても過言ではありません。M&Aの効果を最大限発揮させるためには、「PMI(Post Merger Integrationの略、M&A後の統合プロセスをさす)」を最適化し、買収された会社の企業文化にも配慮しながら新しい管理体制を構築しなければなりません。

このとき、買い手側と売り手側双方の間に軋轢を生じさせないようにし、従業員の離脱を防ぐことも重要なポイントです。SaaS企業同士はもとより異業種とのM&Aにおいても、PMIをしっかりとおこなうことで早い段階からシナジー効果の創出が期待できるようになるのです。

SaaS企業の売却を成功させるポイント

SaaS企業の売却を成功させるポイント

2025年現在、SaaS業界では新分野への参入や自社の強化を目的としたM&A事例が急増しており、特にAIやマシンラーニング技術を持つSaaS企業への需要が高まっています。そしてM&Aでは、売り手と買い手の「交渉」によって会社や事業の売却額が決定されます。売り手側が希望する価格でM&Aを締結するためにも、おさえておくべきいくつかのポイントがあるのです。

自社の企業価値を高めることが、高値で会社を売却するための最初のポイントになります。企業価値を高めるためには、扱うソフトウェアやサービスをブラッシュアップし、自分たちにしかない技術やノウハウなどの強みを確立しておきます。また、大手取引先の確保も企業価値を高めるのに有効です。さらに有利子負債など不要となる資産を処分して、買い手側から見てマイナスとなる部分を減らしておくことも重要です。

もしも買い手企業の候補が絞られている場合には、買い手企業側の目的をよく理解しておき、自社とのM&Aで得られるメリットをアピールできるようにしておきましょう。

自社を高値で売るならば、買い手側がスムーズにM&Aを遂行できるようにしておくことをおすすめします。自社の株式や株主が分散しているようなら事前に整理し、買い手が株を取得しやすい状況を作っておくことも有効です。現経営者がいなくなっても事業が廻る体制を作っておけば、譲受側企業としてはこちらの会社を買いやすくなります。

このように、M&Aの売却ポイントを意識して事前に準備をしておけば、会社を高値で売ることも可能となります。

SaaS企業をM&Aする際の注意点

SaaS企業をM&Aする際の注意点

SaaS企業とのM&Aにおいては、情報の取り扱いに細心の注意が必要です。SaaS企業では開発中のソフトウェアやローンチ前のサービスに関する情報が外部に漏洩することは何としても避けなくてはいけません。

また、M&Aに関しても社内に告知するタイミングは慎重に決めるべきであり、それまでは内部漏洩しないように徹底して情報を管理するべきです。早い段階で「秘密保持契約」の締結も必ずおこない、内外に対して決して情報管理は徹底しましょう。

M&Aにおいてもっとも大切なことは売り手側と買い手側双方の信頼関係です。情報の取り扱いや価格設定などお互いが安心・納得してM&Aを進められるように取り計らうべきです。

さらに、M&Aでは相手企業の選定やデューデリジェンス、契約成立からクロージングまで、やらなければならないことが膨大にあります。これらを滞りなく進めるためには、M&Aアドバイザーなど専門家の力を借りることも必要条件といえます。M&Aを視野に入れるならば、仲介業者選びも大事なステップになります。

SaaS業界のM&A事例6選

SaaS業界のM&A事例6選

SaaS企業のM&Aは、企業の成長戦略やシナジーの追求において重要な役割を果たしています。ここでは、著名な6つのM&A事例を紹介し、どのようにしてそれぞれの企業が市場での競争力を向上させたのかを探ります。

KDDIとソコラムのM&A

017年、携帯電話サービスやプロバイダー事業を展開する「KDDI」は、ワイヤレス通信のITO事業をおこなっていた「株式会社ソコラム」をM&Aで買収しました。

買い手側のKDDIは、ソコラムの開発力を利用して新たなサービスの創出を目的としており、売り手側となったソコラムは、KDDIの巨大企業基盤の上で開発を進められるようになります。このM&Aは売り手側買い手側双方にとってウィンウィンの好事例となりました。

参考
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ09HJF_W7A810C1000000/

凸版印刷とMonoposのM&A

国内印刷会社の最大手である「凸版印刷」は、2018年にECシステム開発の「Monopos」社をM&Aで買収することに成功しました。

Monopos社はもともと、EC企業の「IROYA」から事業分割された会社でした。このM&Aは凸版印刷側とIROYA側が合意することで締結。凸版印刷のデジタルマーケティングの企画力とMonoposのもつオムニチャネルのノウハウが相乗効果をもたらす結果となりました。

両社のあいだで新たなリテールテックサービスも生み出され、多くの顧客にとっても有益なM&A事例となっています。

参考
https://www.logi-today.com/322465

マネーフォワードとスマートキャンプ株式会社のM&A

会計クラウドソフトのSaaS企業として知られる「マネーフォワード」は2019年、比較情報サイト「BOXIL」を運営する「スマートキャンプ株式会社」を20億円の買収価格で子会社化することに成功しました。

マネーフォワードは、スマートキャンプ社のマーケティングノウハウを最大活用することで、新規顧客層の開拓を目的としていました。このM&Aで、マネーフォワードのビジネスにおける市場規模は今後大きく増加することが見込まれています。

参考
https://initial.inc/articles/6XcvWA0CbGmYPUQjRtTVl5

SAPとQualtricsのM&A

ヨーロッパ最大級といわれ、さまざまな事業を展開するドイツのソフトウェア会社「SAP」は、2018年、オンライン調査サービス会社の「Qualtrics」をM&Aで買収しました。売り手側となったQualtrics社は、エクスペリエンスマネージメントソフトウェアの分野において、パイオニア的な存在の企業でした。

SAP社とQualtrics社のM&Aにより、SAPのソフトウェアデータとQualtricsのエクスペリエンスデータが合わさることとなり、エクスペリエンス経済は大きく活性化。このM&Aの売却金額は80億ドルで、SaaS分野では最大規模といわれています。

参考
https://it.impress.co.jp/articles/-/16997

VISH株式会社とヴァル研究所のM&A

バスを対象とした位置情報管理システム「バスタッチ」を開発した「VISH株式会社」は、人材不足と経営者の新規事業転換のためにM&Aによる自社の売却を希望していました。同じ頃、乗換案内「駅すぱあと」を運営しているソフトウェア会社の「ヴァル研究所」では、鉄道の乗換案内に追加して路線バスなどの交通手段も自社サービスに組み込むことを企画中でした。

VISH社の事業自体は順調に売上を伸ばしていたので、ヴァル研究所にとっては優良企業の買収ができる好機となりM&Aを実施。この事例ではVISH側も、メリットを最大限に活かしながら問題解決の糸口をつかむことに成功しています。

参考
https://www.val.co.jp/topics/2021/010701.html

adobeとマルケトのM&A

2018年、「Photoshop(フォトショップ)」や「Adobe Creative Cloud(クリエイティブクラウド)」で知られる「adobe」は、マーケティング支援ソフト開発の「マルケト」をM&Aで買収しました。Adobe社は、コンテンツ作成ソフト分野ではトップクラスのシェアを誇りますが、マーケティングの分野の強化を課題としていました。

M&Aでマルケト社のもつノウハウを手に入れたAdobe社は、マーケティングソフト「Adobe Experience Cloud(エクスペリエンスクラウド)」の提供を開始。さらなる事業の拡大を果たしました。また、このM&Aはマルケト社にとっても大きな成長の機会となり、相互補完の関係を構築しています。

参考
https://www.weeklybcn.com/journal/explanation/detail/20181008_164302.html

SaaS企業をM&A・売買する方法

SaaS企業をM&A・売買する方法

SaaS企業をM&A・売買するにはさまざまな手法があり、その事案に適切な手法が選択されます。M&Aの代表的な手法としては「買収」「提携」「合併」があげられます。これらM&A手法の特徴をみてみましょう。

買収のM&A手法

「買収」はM&Aにおいて一般的な手法のひとつです。買収には、買い手側が経営権を掌握するために売り手企業の株式を取得する「株式譲渡」と、事業の一部だけを対象にして売買する「事業譲渡」などがあります。

さらに、売り手側を完全子会社化しやすい「株式交換」や、第三者に対して新株の権利を割り当てる「第三者割当増資」などの手法も、M&Aの買収場面でしばしば見受けられます。

合併のM&A手法

「合併」は、二社以上の会社がひとつの組織として統合されるM&A手法です。「買収」のM&Aでは売り手側の会社は、買い手側企業の中でなんらかのかたちで存続することが一般的ですが、「合併」の手法を使ってM&Aがおこなわれると、基本的に一社を残してほかの会社は完全に消滅することになります。

合併には、売り手側の会社が消滅する「吸収合併」と、売り手と買い手の両社ともなくなり新しい会社が誕生する「新設合併」のM&A手法があります。

提携のM&A手法

「提携」も代表的なM&A手法のひとつです。提携には「資本提携」、「業務提携」、「資本業務提携」の3種類があります。

資本提携は、株式の取得によって資本力の増加を目指します。資本提携では提携する会社がお互いに自社の株を持ち合う場合と、一方の会社がもう一方の株式を取得して、関係強化を図るケースがあります。

業務提携は提携する会社同士が、技術やノウハウを提供し合い共有することによって、協力関係となることをさしています。そして資本業務提携は、資本提携と業務提携を合わせておこない、より強固な連携を図ります。

提携のM&Aでは、買収や合併よりも支配権が確立しにくく、会社の独立性が維持されます。提携はサービスやブランドを残したい場合に有効なM&A手法といえます。

事業譲渡・M&A相談ならウィルゲートM&A

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SaaS業界のM&A最新動向 まとめ

SaaS業界のM&A最新動向 まとめ

SaaS業界におけるM&Aは、技術革新や市場競争の激化に伴い、一層活発化しています。企業は戦略的なシナジーを求め、新しい市場機会を追求するために、M&Aを利用する傾向が強まっています。今後も、この動向は持続し、業界の変革を促進する要因となるでしょう。

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