コンサルティング業界は年々成長を遂げており、ITの発展に合わせてコンサルティング企業への需要も高まっている状態です。本記事ではコンサルティング業界の現状や動向、M&A最新情報をわかりやすく解説します。M&Aを検討する際の資料としてご活用ください。
コンサルティング業界は、国内に限らず海外でも拡大傾向にあります。IT分野が発展を続けているため、業界情報に詳しいコンサルタントがいる企業は特に需要が高く、M&Aも積極的におこなわれているのです。また、景気に影響を受けることがあるものの、大きな打撃はなく今後もますます業界が成長していくことが見込まれています。
コンサルティング企業は、顧客である企業に対し、経営の課題発見や改善のための支援をする企業をいいます。コンサルティングファームと言い換えられることもあるでしょう。
そして、コンサルティング企業に勤めて実際に企業へ助言する人はコンサルタントと呼ばれ、企業の顔ともいえる専門家です。彼らは顧客企業の業界や業種にかかわる専門的な知識を持っており、問題点の発見や原因分析・改善のための対策を提案します。企業によってニーズは異なるため、分野ごとに専門のコンサルタントを分けるのが一般的です。
調査会社であるIDC Japan株式会社が発表したデータでは、2020年におけるコンサルティング業界の規模は8,623億円で前年比を1.1%上回っていました。2020年〜2025年における平均成長率は年間9.3%で、市場予測では2025年に1兆2,551億円にまで到達すると予測されているのです。
特に、IT・デジタル分野のコンサルティング業界では「市場規模が前年比を29.3%も上回る1,337億になった(2020年)」と同社は述べています。近年拡大しているDX事業への取り組みが多くの業界で発展することから、デジタル分野に強いコンサルタントへの需要も高まっていくでしょう。
一方で業界の課題としては、あらゆる業種や業界に対応できるコンサルタントの不足が挙げられます。別会社に切り替えずに一括で案件を受けるには、企業を多面的フォローできる優秀な人材の確保が求められているのです。
コンサルティング企業やコンサルタントには多くの種類があり、代表的な種類を企業と人材に分けると以下の通りです。
コンサルティング企業は、6つの領域が目立っています。
1.IT系:ITを活用した社内システムの改善や導入の提案
2.人事系:人材採用・教育・研修についての助言
3.金融系:財務や事業売却(M&A)に関するサポート
4.シンクタンク系:官公庁やIT分野、政策に関する分析や助言
5.戦略系:経営・事業戦略やマーケティングに関するサポート
6.総合系:経営方針から業務支援・ITシステムの導入まであらゆる分野でのサポート
人材であるコンサルタントにも、多くの種類があります。
1.人事:人材育成や採用活動をサポート
2.経営:業務を遂行するうえで発生している課題について解決案を提案
3.戦略:事業戦略や売上げアップにつながる対策を提案
4.Web:Webやインターネット上における課題解決や新規提案
5.M&A:事業売却や事業譲渡に関するリサーチや助言
ほかにも、医療・財務・車専門などあらゆるジャンルに精通した専門家がいるのです。また、コンサルタントは個人で活動する場合だけでなく、チームで取り組むケースも多いでしょう。
コンサルティング企業の例を紹介します。
まずは、IT系の日本アイ・ビー・エムです。国内でも有数のコンピューター企業であり、コンサルティングも実施しています。IT分野はもちろん、事業戦略などの分野もカバーしているのが特徴です。
外資・戦略系のマッキンゼー・アンド・カンパニーは米国に本社を置いており、世界65カ国に拠点があります。戦略系ではあるものの、デジタル領域も得意としており、多種多様な業種のDX支援などもおこなっている企業です。
そして、総合系では日系のアビームコンサルティングも知られています。すべての業界に対応しており、企業に寄り添いながらサポートする経営理念が高く評価され、国内発のグローバル企業として有名です。
コンサルティング業界では、M&Aも活発におこなわれています。近年は、さまざまな業種・業界を一括でサポートできる「総合化」を目指してM&Aを実施する企業も多いでしょう。顧客の抱える課題を明確にして、人事や戦略・システム開発まで幅広く支援することで、顧客からの評価を高め、自社の企業価値も向上させていく買収が目立ちます。
また、海外のコンサルティング企業を買収する流れも活発化しているでしょう。これは、海外に拠点を増やし、市場シェアを高めていくのが目的です。ほかにも、IT分野の発展に伴い、AIやIoT・DX領域に詳しい企業を取り込むための買収や、人材確保を目的としたM&Aも進められています。
コンサルティング業界は今後も市場が拡大していく見通しのため、M&Aすることで得られるメリットも多くあります。
たとえば、経験が豊富なコンサルタントを何人も抱える企業を買収すれば、人材不足を解消でき顧客満足度も大幅に向上させられるでしょう。売り手企業が保有していた顧客もそのまま引き継ぐため、ほかの業界のコンサルティングも可能です。売り手側では、資金力がある企業の傘下に入ることで、既存のメンバーを守れるうえ、依頼件数をさらに伸ばしつつ事業を存続できます。
コンサルティング業界におけるM&Aの相場は一言では示せません。しかし、大手企業による買収では、取引額が数十億円になることもありました。中小企業では、数千万円程度のM&Aも目立ちます。
IT業界に詳しい調査会社IDCJapanのデータでは、業界の市場予測が2025年までに1兆円をこえると予想されていることから、M&Aの譲渡価格も上昇する可能性が高いでしょう。
コンサルティング企業を買収する場合にチェックしておくべき点として、まずは「買収した後の事業計画が明確か」が挙げられるでしょう。買収は、あくまでも事業拡大や成長のための手段に過ぎません。M&Aが目的になってしまうと、買収後の統合がうまくいかず、想定よりも少ない効果しか得られないケースもあります。そのため、買収によって自社がどんなコンサルティング事業を進めたいのか、などを明確にしておく必要があるでしょう。
また、M&Aを成功させるために必要な予算はどのくらいなのかを決めて、予算に応じた企業とマッチングすることも大切です。他社と価格の引き上げ競争が始まると、買収することが目的になってしまい、予算を大幅にこえる買収をしてしまうケースもあるでしょう。事前の買収計画や予算をきちんと決めて、リサーチや交渉をおこなうのが重要です。
コンサルティング企業を売却するポイントは、自社や業界の分析を徹底的におこなうことです。売却を成功させるには、事前の戦略が重要であり、自社は客観的に見ていくらで売れてどんな強みや弱みがあるか、どんな買い手だったら売却後も事業を継続できるか、などを考えます。交渉の際にリスクとなる部分も、相手にしっかりと伝えられるようにしましょう。
コンサルティング企業のM&Aでは、売り手・買い手を問わず注意すべき点もあります。まず、M&Aが本当に必要かどうかを確認することです。市場動向ではM&Aは今後も活発化していく予測ですが、必ずしもM&Aをおこなう必要はありません。ほかの選択もできるなら、うまい誘い話がきても断る勇気が必要です。
また、買収や売却に向けた見通しは客観的に見ても問題ないかを冷静にチェックしましょう。特に買い手からすると、買収監査で問題が発生したり、統合がうまくいかない要素が出てきたりすると、買収後に大きなリスクを背負うことにつながります。売り手側としては、情報漏洩にも気を配る必要があるでしょう。M&Aを計画している事実が既存の従業員や顧客に漏洩されると、退職や取引終了となる場合もあります。
では、コンサルティング業界でのM&A事例を5つ紹介します。
2019年には、タナベ経営がリーディング・ソリューションの株式を取得し買収しました。タナベ経営は10,000社以上のコンサルティングをおこなう大手企業です。この買収により、同社にはリーディング・ソリューションの持つホームページ制作ノウハウやマーケティング技術が加わり、さらに高品質なサービスを提供することがかないました。
2020年には、日本や米国、欧州に拠点を持つGCA株式会社が、英国のコンサルティング企業ステラ社を買収しています。ステラ社の持つ北欧での市場シェアをGCA株式会社が引き継ぎ、さらなるグローバル化を実現させました。ちなみにGCA株式会社は、2022年2月にルーリハン・ローキーグループ(米国)の傘下となっています。
2018年に、船井総研ホールディングスが新和コンピュータサービスを買収しました。新和コンピュータサービスが持つICT技術と船井総研のデジタル領域の戦略を活かし、顧客満足度を高めました。
2020年12月には、博報堂DYホールディングスが、IT系のコンサルティング企業であるスイッチスマイルと業務提携しました。スイッチスマイルの保有するマーケティングプラットフォーム「ピナブル」を受け継ぎ、さらに顧客の行動を分析・データ化するシステム開発を共同でおこないました。
2020年に、株式会社NTTデータは、北米子会社を通して、米国の専業コンサルティング企業であるAcorio LLC(アコリオ エルシーシー)を買収しました。このM&Aにより、米国をはじめ世界でのDX事業拡大が期待されています。
コンサルティング企業のM&Aをするには、M&A仲介会社や金融機関へ相談することからです。専門家の意見を聞きながら、希望条件を整理して取引先候補を絞ります。
マッチングしてニーズや希望を満たす企業が見つかったら、実際に相手企業と面談や交渉をおこない条件や取引価格を決めるのです。その後、買収監査を受けて問題がなければ、契約条件や売却額の最終調整をして契約が成立します。M&Aは交渉や取引条件・取引先の選定において、専門的な知識が求められる手続きのため、コンサルティング業界にも詳しい仲介会社へ依頼するのがおすすめです。
ウィルゲートM&Aでは、15,100社を超える経営者ネットワークを活用し、ベストマッチングを提案します。Web・IT領域を中心に、幅広い業種のM&Aに対応しているのがウィルゲートM&Aの強みです。M&A成立までのサポートが手厚く、条件交渉の際にもアドバイスを受けられます。
一般的にM&Aの成約までは6ヶ月〜1年ほどの期間を要しますが、ウィルゲートでは平均で4ヶ月、最短1.5ヶ月での成約実績、40億円以上での成約実績もあります。完全成功報酬型で着手金無料なので、お気軽にご相談ください。
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コンサルティング業界は市場規模も拡大しており、あらゆる業界や業種に対応する総合力が求められています。特に、DX事業などデジタル領域とグローバル面でサポートできる企業は需要が高まっている状態です。業界の成長に合わせて事業拡大を狙い、M&Aを検討するのであれば、まずは仲介会社への相談をおすすめします。
ウィルゲートが目指すのは、売り手様、買い手様、双方に納得感のあるM&Aです。M&Aがお客様の目的やご希望に合致しない場合、無理にM&Aをすすめることは絶対にありません。
M&Aで思わぬ失敗をしないためにも、まずは一度、ウィルゲートM&Aにご相談いただければ幸いです。
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