1社目を1.5億円で売却後にすぐ創業して2社目を3億円で売却成功!1年以内に2社売却成功した秘訣

AI tech様1話目
売却した会社

株式会社AI tech 様

https://a-i-tech.co/

買収した会社

株式会社クラウドワークス 様

https://crowdworks.co.jp/

当社がM&Aのご支援をした株式会社tactと株式会社インタースペース及び株式会社AI techと株式会社クラウドワークスのM&A成約事例について、YouTube「社長のM&Aチャンネル」にて、株式会社AI Techの代表 秦様へのインタビューという形で紹介されました。

今回は、YouTubeでのM&Aに関するインタビューの様子をテキストにてお届けいたします。

YouTube動画でご覧になりたい場合には以下のリンクを参照ください。

第一話:https://www.youtube.com/watch?v=efQEKx1mffM&t=2s

第二話:https://www.youtube.com/watch?v=Ex4iCGU7jO4&t=2s

第三話:https://www.youtube.com/watch?v=RhMLYzCQHGA&t=3s

自己紹介

 株式会社AI tech代表の秦と申します。よろしくお願いします。

長谷川 よろしくお願いします。

 ウィルゲートさんとは2回ご支援いただきまして、1回目は賢いに瓦と書いて「けんが」と読む、ヒートマップと離脱防止ポップアップのツールを売却させていただいて、2回目は今「クラウドドワークス AI」という名前になっているんですけれども、当時「オーダーメイド AI」という形で運営していたAIツールをクラウドワークスに売却、そして今はグループインさせていただいて代表を続投させていただく形で、現在、運営もしております。よろしくお願いします。

長谷川 よろしくお願いします。両方ともウィルゲートさんが支援されたっていうことなんですかね。

吉岡 今回、かなり驚きなのが2023年の4月にM&Aで1社目、ヒートマップの事業を上場会社に売却された後に、わずか11ヶ月後にオーダーメイド AIを立ち上げて、クラウドワークスさんにM&Aされたっていうことがとてもすごいことです。

長谷川 1年以内に2社の売却をされているという。

吉岡 こんな短期間でまさか1年以内に2回お手伝いさせていただくなんて、こんなことあるんだなと思って、M&A業界でも相当稀なことだと思います。

長谷川 ということは1年以内に立ち上げたのが、すぐ売れたってことなんですよね。 

 そうですね。ちょうど賢瓦の売却が完全に終わったのが2023年の4月でして、オーダーメイド AIをそこから作りまして、5月にリリースいたしました。そこから次の3月にグレープインしたので11ヶ月ぐらいという感じですね。

長谷川 すごいですね、2つ目は新しいツールの開発をされたっていうことなんですか。

 その通りです、はい。

起業の経緯と事業について

起業の経緯と事業について

長谷川 ではそれぞれのM&Aについて詳しく伺っていきたいと思うんですけれども、そもそもが、起業自体が学生時代の在学中っていう風にお聞きしたんですが、どういう状況で起業されたんですか。これは在学中に起業されて、何年ぐらいで事業を拡大していってその1社目の「賢瓦」さんを売却されたんでしょうか。その辺りちょっと詳しく教えていただけますか。

 在学中に起業という風に言ってるんですけど、法人化したわけではなくて。いわゆるよくある調達をして、会社を作ってプロダクトを作って、走り出していくっていうモデルではなくて、最初はフリーランスで、個人事業主としてやってました。そこからちょっとずつお金を稼げるようになっていって、法人化した方が得っていうラインまで来たので、法人成りするような形で1社目を立ち上げたというような流れになってます。

長谷川 この1社目の事業っていうのはどんな事業なんですか。

 最初は事業というよりは、本当に仕事があったら何でもやるみたいな形で、いろんなことをやりながらちょっとずつ資金を貯めては、今で言うとnoteとかそういったサービス、クラウドワークスも「PARK」というサービスがあるんですけれども、そういった形で情報コンテンツを気軽に今買えるような時代だと思うんですけれども、当時は高額な情報セミナーだったり商材がちらほら売っているような状況で、貯めたお金でそれを買っては、「こういう稼ぎ方があるんだ」、「こういうビジネスモデルがあるんだ」っていうところを学んで実践するっていうのを繰り返しているような状態でした。

長谷川 そこから売却したビジネスっていうのは、どんなビジネスなんですか。

 最初はとある情報コンテンツからヒントを得て、2014年だったんですけれども、キュレーションメディアが全盛期で流行っていた時代でした。私もキュレーションメディアを立ち上げて、そこが大きく最初ハネたビジネスになってます。

やっていたのはバイラルメディアと言いまして、今もう死語みたいになってしまったんですけれども、SNSでシェアとか拡散をされて、アクセスを集めるというモデルのWebメディアです。SEOとかではなくSNSのシェアで拡散するようなモデルです。PVをたくさん集めてきて、アドネットワークでマネタイズするっていうようなモデルだったんですけれども、そうなるとSNSの広告っていうのも非常に密接な繋がりがあるジャンルになって、Facebookの広告出してみようっていうことに当然なるわけで、そこで初めて広告運用に携わることになります。

そこで広告運用を事業化しました。自分自身が広告を運用して、他社の商品をアフィリエイトするようなモデルへと事業に切り替えまして、そこで大きくキャッシュは作れたんですけども、結構疲弊するようなモデルだったんです。とはいえ広告っていう分野は決しなくなるジャンルではないと思ってましたので、広告運用に使える僕が欲しいツールを作ろうと思って、作ったのが賢瓦になっております。

長谷川 最初は自社メディアを作って、広告かけてたらそのノウハウが溜まって他のいろんな媒体の広告とかをやるようになって、そっちがメインになってったみたいな、そんな流れっていうことなんですかね。

 その通りでございます。

長谷川 広告運用をするのに最適化していくみたいな感じのツールなんですか。

 賢瓦は離脱防止ポップアップと言って、来てくれたユーザーさんが離脱する時、画面を戻してしまったりとか、買わずに戻してしまったりとか、そういった時に発動するポップアップで、「ちょっと待った」というようなオファーをかけるようなものです。ヒートマップっていうのはLPに仕込むことで、どの辺りがよく読まれているのかとか、この辺がよくクリックされてるなとかを可視化するようなツールになってまして、LPOにご利用いただけるようなツールとなっております。今は「サイトリード」という名前です。

長谷川 ツールを作られたってことなんですけど、2014年に創業されて、売却が2023年とおっしゃいましたかね。

 そうです。でも法人はその間バラバラでして、最初に作った法人ではなく、別の法人で賢瓦は作っておりました。

どんな経緯でM&Aを検討したか?

1話目2

長谷川 賢瓦さんを作って、売上とか利益はどのぐらいまで伸びた状態で売却を検討されたんですか?

 賢瓦は2019年に作りまして、売却が決まったのが2023年なので、約3年半ぐらい私が運営していました。ウィルゲートさんに相談し始めた頃は、売上が右肩上がりで伸び始めてきてて、このまま行けば希望金額で売却できるように今後なるのではないかなっていうところの状態ですぐ相談させていただいて、無事右肩上がりを継続して伴走しながら売却までご一緒したような形になっております。

長谷川 そういうことなんですね。では伴走しながらやって、ちょっと早めにお声掛けしたってことですか。もう伸びそうだなってタイミングで、売ろうと考えたってことなんですかね。

 その通りです。まだこの売上規模じゃ希望金額で売却できないことは当然私も分かってたんですけれども、ウィルゲートさんに早めに相談させていただいたのは、結局売却するにあたってすでに伸びていれば、当日決まってその場で売却できるっていうわけでは当然ないので、一定期間の交渉期間、必ず存在するっていうのは分かっていたからです。

結局、その間右肩上がりで伸ばし続ける必要があるなと僕は感じていました。伸ばし続けられる確信はあったので、その時点で早めに相談させていただいて、交渉しながらも買い手さんの方に、今月、来月、再来月としっかり伸ばしているっていうところを実際に生で見ていただきながら、交渉を進めていったというような形になっております。

長谷川 なるほど。相談してからそのM&Aで売却するまでの期間ってどれぐらいだったんですか?

 これはちょっと申し訳ない話になってしまうんですけども。長々伴走していただいて、賢瓦の時は非常にお世話になったんですが、大体2年ぐらいかかってしまいました。

長谷川 伸びていく流れの中でなぜそんなに時間がかかったんですか?

 やっぱりいろんな会社さんと交渉したり、意外とM&Aのキャッチボールって早いようでゆっくりで、気づけばそのぐらい経っていたというような感じです。

長谷川 なるほど。その期間は事業自体はずっと伸びてたんですか。

 伸びてました。

長谷川 それはすごいですね。では、タイミング的にはベストなタイミングで売却できたんですか?それともまだまだ伸びるけど、最終的に一旦このあたりで次のビジネスもみたいな感じでタイミングは決められたんですか?

 タイミングはむしろ合意できたタイミングだったので、本当後付けみたいなことになっちゃうんですけれども、当然売った方が伸びるなとは思ってましたし、買い手さんと賢瓦の相性が私が運営するよもずっと良かったので、早く売った方が伸びるんだろうなとは思ってはいました。

売却先の選定について

売却先の選定について

長谷川 売却先を選定するステップをもう少し詳しく教えていただきたいんですけど、どういう感じで、売却先の候補と会って、交渉していかれたんですか。

 まずはウィルゲートさんの方に賢瓦のビジネスモデルをしっかりとお伝えしまして、対応していただいた後に、ウィルゲートさんの方でシナジーのある、もしくはありそうな買い手さんをピックアップしていただき、そこにご連絡いただくような形で交渉をスタートしていったというような形になります。

長谷川 なるほど。何社ぐらい会われたんですか?

 13社ですね、賢瓦の時は13社です。

長谷川 なるほど。13社あって、相手も結構上の方々とお会いして。

 興味ありと示していただいたのが13社で、その中から面談はさらに少ない数です。

長谷川 なるほど。最終的に何社ぐらいに意向表明を出してもらって進んでいったんですか。

 賢瓦の時は交渉が進んでたのが2社で、うち1社が意向表明出していただいて。そこから、交渉、具体的なスキーム面だったりとか、条件面をすり合わせて、無事売却といった流れでした。

長谷川 なるほど。1社目は割と結構M&Aをやろうと決めてからは時間がかかったっていう感じだったんですね。

 そうです。

長谷川 2社目に関しては、1社目を売られた後11ヶ月とか1年ぐらいで、売却完了まで行かれてるってことで、これはすごく早いと思うんですけれども、ここについて違いはあったんですか。

 そうですね、1社目が長くかかってしまった理由としては、初めての売却だったということもあって、会社の状態だったり、事業の状態だったり、買い手にとって望ましくない状況がどこなのか、全く分からなかった状態が1社目で、それを経験含めさせていただいたのが1回目だと思ってます。2社目の時は1回目の失敗を全部最初から活かした状態で会社作りからしていったので、そういった面でスルーで通った部分が多かったので、早く決まったっていうところがあると思います。

長谷川 やり方とかもだいぶ分かってたし、準備するものも割とスムーズにできたっていうところが大きいってことなんですかね。

 はい、そうです。

長谷川 分かりました。ちなみに2社売却されてるんですが、それぞれの売却金額とかは公表できないですか?

 賢瓦の方が1.5億円で、AI techの方が3億円です。

長谷川 2社目は本当に短期間だけどすごい金額が上がったんですね。

 そうですね、はい。

長谷川 いや素晴らしいですね。吉岡さんも関わられていますが、いかがですか?このスピード感と言いますか、こんな短期間にこの何社も売却を。

吉岡 秦さんがおしゃられてた通り、よくロールプレイングゲームでも強くてニューゲームってあると思うんですけれども、やっぱ2回目のM&Aは完全に強くてニューゲームな状態だったと思います。11ヶ月でM&A成立してるということは、前の状態から早めにご相談いたいていたわけです。「こんな形で事業KPIが伸びていくので、このタイミングで行こう」というところから逆算してお声掛けいただいてたのが良かったと思います。多分初めてのM&Aの方だと、解像度が低くて、どのタイミングで相談しよう?みたいな形になるので、タイミングもすごい絶妙だったなっていう風に思ってます。

長谷川 そうですよね。2回目、ちなみにそのお声掛けされてから成立するまでどれぐらいの期間だったんですか?

 2回目はですね、6ヶ月ぐらいですね。実はリリースから半年ぐらいで既に、もう売却のために動き出してまして。 

長谷川 なるほど。すごいスピード感、圧縮されたっていうか、すごいスピード感で進んでいったってことですね。いやちょっとなかなか深いところまで色々お聞きさせていただきありがとうございます。もっともっとお聞きしたいんですけど、お時間の方が来てしまいまして、一旦1話目は、ここで終了させていただければと思います。

吉岡さんは結構早いタイミングでこういう風にもできれば相談いたいた方が割とスムーズにM&Aは進んでいくと、やりやすいって感じですかね。

吉岡 秦さんが先ほどおっしゃられた言葉で印象的だったのが、「M&Aのディールを交渉してる最中でも伸び続けてる様をリアルタイムに見せていく」というところで、秦さんの真骨頂のところだと思います。実際、今回AI techのオーダーメイド AI(現 クラウドワークス AI)、本話を聞くたびに数字が上がり続けてるので、お相手としてもこの事業、本当に伸びてるなっていうような印象です。やっぱり会社って落ち目になってくると、今の状態より数字が悪くなるんじゃないかっていうところをお相手も思うんですけれども、上がり調子だとより良くなっていくんだろうなっていうところの期待値が、価格にも跳ね返ってくるところがあります。秦さんはやっぱり事業解像度がむちゃくちゃ高いので、伸びてる時こそ動いていこうっていうような形です。

過去の社長のM&Aチャンネルの出演者でいくと、And Technologiesの勝木さんもすごい伸びてる時にM&Aで動いてればよかったみたいなことを、過去出演した時におっしゃられていました。And Technologiesの事業で行くと、伸びが緩まった後のタイミングでのM&Aで、それでもかなりいい評価をいただいたんですけれども、本当に伸びてる時こそっていうのが非常に交渉もしやすいっていうところなので、秦さんは2回目はそれを踏まえて伸びたタイミングで、早めにご相談された点がすごかったです。遅いよりは早めにご相談いただいた方が我々もお力添えできます。まずは1年後とか2年後に考えてるみたいな状態でもぜひご相談いただけたらなという風に思っております。

在学中の起業について

長谷川 M&Aの流れのところ、もう1度お聞きしていきたいと思うんですけれども、プロフィールのところを拝見してて気になったのが早稲田大学在学中に起業されてるっていうことなんです。結構売却してる方とか創業されてる方、早稲田の方って多いイメージあるんですけど、大学の中で起業のサポートしてくれるようなものとかってあったりするんですか。

 あるのかもしれないんですが、正直私はそういったものを利用していなくて、分からないです。

長谷川 在学中に起業するというのはどういう流れで起業に至ったんですか。

 アルバイトはしていたんですけれども、アルバイトの時給っていうパターンではなくて、仕事をこなしてそれに対する対価をいただくていう形でのお金の稼ぎ方に元々興味がありまして、そういったことを色々インターネットだったり、人に会って教えていただいたりとか、それで実践するっていことが結構好きで、在学中からやっておりました。

その時にちょうど就職活動するかしないかっていうような瀬戸際、実際アルバイト代も含めてなんですけれども、ある程度稼ぐことができていたので、就職しなくてもこのまま稼ぎを増やしていくことっていうのができるんじゃないかなっていう自信があったので、しないっていう決断をして起業をしていたっていうような形になります。

長谷川 なるほど。ということは、どこかに就職されたわけではなくて、もうずっと創業してきて、ご自身でやられてきているってことなんですね。

 はい、そうです。

経営方法について

経営方法について

長谷川 ちなみに1社の賢瓦さんを2019年にリリースして2023年に1.5億で売却されたっていうお話だったんですけども、売却の時って会社はどのくらいの規模になってたんでしょうか。

 賢瓦に関してもオーダーメイド AIに関しても、役員のみで構成されまして、あとは業務委託の方に手伝っていただいたりとか、それこそクラウドワークスを使ってビジネスを作っておりました。

長谷川 多いですよね、出演していただいてる方でもほとんど1人で、パートの方か社員もう1人ぐらいいて、あと業務委託で構築していくみたいなパターンが。特に、アプリとかそういったものでは多いのかなと思うんですけれども、人を採用していかずに業務委託でやっていく方が、やっぱり効率がいいっていうか、やりやすいってことなんでしょうかね。

 私の場合は結構そうで、特に創業したての2014年がクラウドワークスが上場した年で、その時から僕ずっと愛用させていただいていたので、採用をして社員さんとなっていただいてっていうパターンよりも、スポットで必要な仕事を振っていく。それで組織作りをしていくっていう方が性にあってました。

2社目について

2社目について

長谷川 そういうことなんですね。2社目のAI techさんのオーダーメイド AIっていう、これはどんなサービスなんですか?

 オーダーメイド AIはChatGPTであったりなどが、可能なことしかできないんですけれども、一方でChatGPTは副業だったりビジネスだったりとかに効率よく使うためには、適切なプロンプトを書いたりする必要があるんです。ただ、そういったことが結構難しい部分になってまして、そういった難しいことをやらずとも弊社の方で思ったものが出るように調整をかけてまして、ユーザーの方は本当に簡単な入力のみで、ある程度のクオリティのものを生成することができるっていうようなサービスになってます。

長谷川 ということは、ChatGPTを使いたい人たちに向けたサポートサービスみたいな感じなんですか。

 そうですね、むしろ「ChatGPTとは何?」みたいな方に向けたChatGPTとかAIとかよく分からないけどこういったものは作ってみたいし、入力の方法とかも長々とした適切な指示文のノウハウや知識はないけれども、こういったものは出したいっていうものは自分たちの中にある、そういった方々向けのサービスです。

長谷川 裏ではChatGPTが動いてるんですか。

 そうですね、ChatGPT含め複数のAIが裏側で動いてます。

長谷川 なるほどChatGPTって去年ですよね。その後、開発し始めたってことなんですか。

 そうです。生成できるテキストも素晴らしいクオリティだっていうことで話題になったんですけれども、弊社の役員の城田が非常にAIに詳しくて、当時、一緒に会社はやってなくてお互い別の起業家だったんですけれども、ちょうど僕が賢瓦が売却して暇そうにしてるのを見つけて、面白いもの見つけたっていうのを教えていただいて。

当時、城田は個人的にChatGPTを使って自社のコンテンツだったりとかを、人に書いていただく必要がもうなくなったので全員その仕事をなくして、全部AIに1ヶ月分のコンテンツを一瞬でできるようなシステムを作ってまして。それを見た瞬間に、「もうこれSaaSにしましょう」て言って声をかけて、スタートしたようなビジネスです。

長谷川 すごい、その城田さんは元々は売却経験はないんですか。

 そうです、元々はなかったんですけれども、仲良し起業家組合みたいなのがありまして、その友達関係の中で切磋琢磨していくライバルでした。

長谷川 なるほど。そこで見つけて、じゃあ一緒に会社やろうってことで、そこから始めたんですか。

 そうです。実は、最初はSaaSにするのを断られちゃったんです。「いや、これは自分たちのビジネスだけで使いたいから」と。僕には当然教えてくれるんですけどオープンリーチはしないで欲しいっていうことでした。ただ少し時間が経つにつれて、1週間とか2週間のそんな短いスパンでどんどん確度の高い情報がSNSに投稿されるようになってしまって、内緒にしててもどうせすぐに広まってしまうなっていうのが分かったので、やっぱりやろうっていう形でスタートしました。

長谷川 秦さんは、プログラミングとかそういうの作るスキルはあるのですか。

 私はエンジニアではなくて、賢瓦の売却を一緒に共にしたCTOの水島にも声をかけて城田さんをジョインするような形で3人役員でスタートしました。

長谷川 そうなんですか。じゃあ3人でやるって決めた時はまだ会社はなかったと。一緒に会社を作ったわけですか。

 実は既に賢瓦の売却を共にしたCTOの水島とは別の会社を一緒に作ってまして、それがAI techになります。ちょうど何やるかあまり決まってないまま走ってたので、じゃこの会社そのまま使っちゃおうかという形で役員に入っていただいて、株もそのタイミングで譲渡して3人でスタートしたっていう形です。

長谷川 差し支えなければ、3人のその株式の構成ってどんなんだったか教えてもらってもいいですか。

 1/3ずつですね、全員。

長谷川 前の会社は、水島さんとお2人でやられてたんですか。

 そうです。前の会社が、私の会社で賢瓦を運営していたんですけど、別会社で技術顧問という形で入っていただいて、その際はレベニューシェアの形で組んでました。

長谷川 ということは、1社目の賢瓦さんの時は秦さんが100%株主でまず売却して、2社目は1/3ずつ持った形で伸ばしてって売却しようみたいな話が最初からされてたってことなんですか。

 そうですね。1社目に関しても、吸収分割っていうスキームで結局売却したので会社は売却してなくてですね、ちゃんと50%ずつのレベニューシェアでやっていたのでしっかり半額、水島の方に振り込みまして。

長谷川 そういうやり方なんですね。なるほど、なるほど。じゃあ、2社目は1/3ずつで、伸ばしてって売却したと。

秦さんの凄さ

2話目-問い合わせ

長谷川 いやあ、吉岡さんすごいですね、ビジネス見つけてきて形作って、持ってくスピード感が。

吉岡 共同創業者がいる会社で、エンジンが2個ついてるみたいな形なので、スタートアップの立ち上げタイミングって、社員が50人、100人と増えてくると結構リソース分散されるんですけれども、立ち上げて3年以内の時って、役員が自ら新たな道を切り開いてったり、ビジネスモデル作ったりとか、役員が営業したりマーケしたりアライアンスしたりっていうところなので、創業タイミングの役員の人数とか、かつコミットメントが高い株主の人が多いっていうところで、めちゃくちゃスタートアップにおいては重要な要素かなという風に思ってます。

秦さんが素敵なのはちゃんと自分の強みを踏まえた上で、どういった人にジョインしてもらえれば、会社が伸びるのかっていうところを意思決定して、仲間に誘い入れて株も渡して一緒にやってこうみたいなところの、意思決定力が早いかなっていう風に思ってます。

これは私の勝手な考えなんですけれども、秦さんは連続企業家としての考えがあるので、1つの会社を10年、20年やってくというよりは、プロジェクトごとに仲間を集めて、この箱はこういう目的でこういう仲間でこういった株式で行くぞみたいな、感覚でやってると思います。普通はなかなか株は会社の命だから誰にも渡さないみたいな形で抱え込みがちなんですけれも、やっぱりAIとか、テクノロジー領域は進化が激しいので、1人でちんたらやってたら勝てねえぜ、みたいな時に強烈な仲間を迎え入れて短期決戦でグイって伸ばすようなところの勘どころ勝負どころがすごいなと思ったんですけれども、秦さんなんかそういったことを意識されてやってらっしゃるんですか?

 そうですね。勝負所というところでいうと、今回クラウドワークスにグループインするのも、本当にその一環の考え方で、進化が激しいAI領域において僕たち少数精鋭で少数精鋭だからこそ爆発的にアドバンテージ取れたとも思ってるんです。でもこれが2年目、3年目っていうタイミングになった時に、もし僕らがこのまま進んでいったパターンだと、大手だったりとか、それこそ上場企業だったりが、同じようなサービスを被せてきてもおかしくないような状態だったんです。なので、いち早く大きいアセットを持つ、それもそれだけじゃなくてシナジーが非常にあるような会社にグループインして、守りを固めるっていう意味でも、早めの売却っていうのは最初から役員陣で相談しておりました。

吉岡 いやあ、やっぱこの勝負の勘どころというか、世の中今こういうマーケットの状況になってるんで、これで生き残るためには大手と組むんだ、みたいなところを高速意識決定してるのと、ちゃんと有言実行、少数精鋭で1年でグっと伸ばしてるってところが、秦さんの連続起業家たる所以と言いますか凄まじいところだなと思いました。

 ありがとうございます。

長谷川 すごいですよね本当に。まずその株をこう分けるっていうところでも半分するのもそうですし、1/3ずつとかってあまりうまくいかないみたいな話とかよく聞くので、結構それでやりたがらない人って多いと思います。

私もそうなんですけど、逆に1人で独占しちゃうと結構遅くなっちゃうっていうところがあると思うんですけど、それがやっぱり3人の力がこっちに向けて結集してったっていうのが、なんとなく本当イメージとして、すごい伝わってきたので、そういうやり方もあるのかなって、ちょっとすごいびっくりな方法ですね。新しいと言いますか。

 再現性はないと思います。たまたまCTO水島含め最初から賢瓦を一緒にやってきたっていうのもありますし、城田に関しても元々本当ライバルであり友達であり2人ともいい人間性持ってるいいメンバーと一緒にやれたことが、本当にここまでスムーズに来れた理由だと思ってますし。ですので本当、再現性っていう意味ではないとは思います。

吉岡 僕、好きな企業家の理論があって「エフェクチュエーション」ていう起業家の傾向がある中で「クレイジーキルトの法則」っていうのがありまして、クレイジーキルトって全然絵柄が違う布をパッチワークみたいに縫い合わせて1つの絵柄を作るっていうことなんですよ。

なので、その謎な絵柄ができてるので、周囲から見ると全く再現性がなく見えるんですね。例えば、どういったことかっていうと、よく行く街のコーヒーショップの店員とすごい仲良くなって、その店員の紹介で大型受注を決めるみたいな。こういうのって一見偶然に見えるんですけれども、ちょっとした出会いをチャンスに変えていくことの連続によって、起業家が周囲のステークホルダーを巻き込んで物事をうまくいかせる力が、クレイジーキルト理論って言うんですよ。 

秦さんは謙遜して再現性はないっておっしゃられてるんですけれども、多分全く違う人生があっても何らかしらのいい仲間を集めて、形にするっていうところが秦さんの起業家としての力という感じなので、全然偶然でなく、結構、必然なんじゃないかなと思ってます。

 ありがとうございます。

長谷川 ありがとうございます。いやちょっとなんかすごいやり方だなと思ったんですけど、もう少しまた深いところ深掘りして、お聞きしていきたいんですが、ちょっとまた時間来てしまいましたので、第2回はちょっと一旦ここで終了させていただければと思います。ちなみに今回2つとも吉岡さんに相談してM&Aが決まられたっていうことですよね。

 元々は吉岡さんに直接相談したわけではなくて、私の場合は本当にウィルゲートのホームページに問い合わせして、担当の三橋さんに2回とも伴走していただいて。

吉岡 三橋がうちのアドバイザリー部門の責任者をやっております。なので私と秦さんは古くからの友人っていうよりは、ありがたいことに、ウィルゲートM&Aはタクシー広告やウェブ広告に注力してるので、広告経由でご縁いただいたっていうような形になります。

仲介会社を使った理由

前回は、2社目、オーダーメイド AIをリリースされて割と早い段階で売却をしようと決められて、しかも相手ももう決まってたっていうお話でしたよね。

 はい。

長谷川 相手というか、クラウドワークスさんに、最初から結構売ろうっていうのを考えられてたっていうことでしたかね。

 はい。

長谷川 その中で直接声をかけたわけじゃなくて、今回はそのウィルゲートさんにお声掛けしたってことなんですけど、これはなんでだったんですか?

 ある程度、こういう企業に売りたいっていうのは決まってたので、直接声をかけて直接やり取りするのが、手数料も当然かからないですし、一見一番お得なように見えるんです。

長谷川 そうですね。

 そうなのですが、M&Aの交渉の場っていうのは、買い手さんは基本的には当たり前ですけどできる限り安く買いたいっていうところがありますし、一方、僕ら売り手の方はできる限りちゃんと評価していただきたいというような思いがあるので、そういった二者間が議論すると、基本的に相反することしか言わないので、折り合いがつきづらいっていうところがありまして。

そういった部分で、本当はお互い合意できるいい塩梅があったのに、その前にそうじゃない理由のところでブレイクしてしまうっていうことはよく周りを見ててもあったりとか、よく起きることですし、M&Aの交渉って、キャッチボール早いようで意外と遅くて、日々、大企業で働いてるエリートの皆さんは忙しいので、連絡がなかなか返ってこないという場面も結構あるんですけれども、仲介のウィルゲートさんが入ってると、その辺をスムーズによしなにしていただけるというか、いい塩梅をお互いに寄り添って見つけていただけるので、結果的に売却のスピードも早いですし、チャンスも僕ら側と買い手さん側、二者間で交渉してブレイクするよりは、チャンスも多くなるっていう結論だと思っております。

次も売却するかもしれないですけど、その場合もまたウィルゲートさんにお声掛けようと思ってます。

3話目

吉岡 ありがとうございます。光栄すぎます。

長谷川 そういうことなんですね。自分でやると結構ロスが色々あるってことなんですかね。

 はい、あると思います。

吉岡 我々が今回意識したのは、第一本命はクラウドワークスさんですよっていうところは、秦さんが明確に最初からずっと一貫しておっしゃられていたので、それをちゃんと先方に、秦さんのクラウドワークさんへの愛をお伝えしつつ。一方で今AIのところはむちゃくちゃ変化が激しくて、普通で1ヶ月なところがもう数ヶ月分ぐらいの月日の長さに感じてしまうので、早くしていただかないと望まない形であるのですが、他の会社さんにも声をかけたり、交渉してしまうことになるので、「なんとかこのスピードでやっていただけないですか」みたいなところを、間に入ってウィルゲートのほうが頑張ってコミュニケーションしました。

ただ第一本命に振られてしまった際に他に候補が一切ないっていう風になってしまうとよろしくないので、二の矢、三の矢、四の矢、五の矢でかなり有力な他の候補も確保しつつ、なんとか第一本命っておっしゃってくださってるんでどうですかみたいなところを、ちょっと間に入ってコミュニケーションさせていだいたってところが、付加価値だったのかなと思いました。

長谷川 第二候補があった方がやはり価格的にも下がりにくいていうか、上がりやすいわけですよね。

吉岡 本当はオープンに全員入札で高いところに決めます、みたいなそういう進め方もあったんです。ただ、割と今回は秦さんのクラウドワークさんへの愛がめちゃくちゃ深かったので、そういった形はとってないんですけれども、自分たちが早く動かないと他の会社に行っちゃうなっていうところは当然あるので、やはりそこはお相手としても自分たちしかいないんだろうと思ってるのか、たくさんのところから引き合いがきそうな状況なのかっていうところで、全然重要度が変わったりとか、対応スピードが変わったりってところはあるんじゃないかなと思います。

売却先を選んだ理由

売却先を選んだ理由

長谷川 ちなみに、秦さんはクラウドワークスさんに、最初からいこうみたいなあったってことなんですけど、お相手を選定したりする理由っていうか、元々そのクラウドワークスさんにしたいと思われてた理由ってなんかあるんですか?

 元々クラウドワークスが上場した2014年の時点からユーザーとしてずっと使ってまして、クラウドワークスがどういったものなのかっていうのは、僕よく知っていました。

その一方で、うちがやってたオーダーメイド AIっていうのが、副業に特化したツールがたくさん揃っているような状況で、つまりどういうことかと言うと、クラウドワークスさんのユーザーとうちのユーザーってめちゃくちゃ親和性がありました。その当時、売った時、確かうちのユーザー数が10万人以上ぐらいだったと思うんですけど。一方で、クラウドワークスさんは600万ユーザー以上いる状態でした。ですので、グループインすることで親和性が非常に高いので、クラウドワークスさんのユーザーをうちに流していただくことで、またうちのユーザーがクラウドワークスを使って仕事受注したりとか、発注すること、このクロスオーバーしたシナジーっていうのはかなり見込めるなと思ってました。

長谷川 確かにライターの人とか多いですもんね。副業でライターやってるみたいな人とか、ちょうどChatGPTとかうまく使って、なんかライティングできないかみたいなの、私も考えたことあったので、そういう方、やっぱりたくさん登録されてるってことですかね。そういうとこに魅力が結構あったのですね。

M&Aで社長の生活はどう変わった?

M&Aで社長の生活はどう変わった?

長谷川 ありがとうございます。ちなみにちょっと話が変わるんですけど、2社売却されて、キャッシュインがある程度大きなお金が入ってくるっていうことなんですけど、それで生活面とかで、なんか変わったこととか、大きいもの買ったとかってありますか?

 ああ…夢がない話で申し訳ないんですけど、なんか特に変わらなくて。

長谷川 ああ、そうですか。

 そうですね。逆に1個目の件が売却したタイミングで思ったのは、このまま多分他の死んで行く一発屋の起業家たちって、きっと一等地に大きなオフィス借りちゃうんだろうなっていうのが思ったんですよ。チャレンジは大きくやるぞみたいな感じで。

なので、あえてそういったオフィスも大きいところから、むしろ違う地方の、ちょっと地方の安いとこに移転して、そんなに出社もしないので、そういった逆走というか逆の行動パターンなので、逆に今もそうですけど、売却して悠々自適のなんて言うんですかね…リゾートライフっていうよりは、クラウドワークスにグループインして、以前より働いてるっていうぐらいで。

長谷川 なるほど、そういうことなんですね。

吉岡 今回私、側から見ててすごい素敵だなと思ったのが、2回目の売却に関しては100%株式交換なんですよ。なので現金を手に入れたっていうよりは、会社の価値を3億円で評価してもらい、その3億円分のクラウドワークスの株式を得ていただくというような形なので、現金化された状態じゃなくて、株としてもらうっていうような形なので。

やっぱクラウドワークスさんって今後どんどん大きくなって日本を代表していくような会社になっていくっていう風に、僕も見て思っているんですけれども、今後、クラウドワークスさんの株が2倍、3倍、5倍、10倍、10倍だったらテンバガーみたいな言われるんですけれども、なっていく可能性もあるので、未来のことを思うと、現金でもらうんじゃなくて、株でもらった方がリターンが大きくなるんじゃないか。

さらに言うと、クラウドワークスさんといえば、人がクラウドソーシングで働くっていうビジネスモデルに、AIの要素が投入されることによって、今まで人が働くってことはちょっと労働集約でしょみたいな風に、もしかするとマーケットの投資家から見るとそういう風に思われるところにAIが加わると、化学反応でさらに会社がどんどん良くなっていくかもしれないっていうところもあって、秦さんとしてもなんて言うんですかね、M&Aが終わったからって言って燃え尽きることなく、今まで以上にクラウドワークスグループを飛躍させるためにコミットして働かれてるって形なので、お互いにとってすごいいい形に着地したんじゃないかなっていう風に思ってます。

長谷川 100%株式交換ってことですか。全くキャッシュインにしてないっていうことですか?

 そうです、キャッシュインしてないです。でも上場しているので売却すれば、そのままキャッシュインという形なんですけもクラウドワークス、先日もプレスリリースがあった通り、配当金も出ることになりましたので。持ってるだけで毎年、配当が振り込まれるっていうような、これもまた嬉しいところで、そういった形で業績がどんどん上がっていくと、また配当だったりとか、あとは時価総額だったりとか、そういった部分が上がっていくので、私も一緒にクラウドワークスの船に一緒に乗ってるようなもので、前提として売上・利益が上がっていけば私のクラウドワークス株の資産も増えるっていうようなそんな状態です。

M&Aの仕方について

長谷川 なるほど。吉岡さん、上場企業とのM&Aの場合はこういう株式交換の形式って結構あるんですか?

吉岡 やっぱり秦さんは感覚が普通の起業家とは違うので、普通は現金で欲しいなみたいなところがあると思うんですけれども、秦さんとしては全部株式交換で大丈夫ですみたいなメンタリティなんです。

一応買い手側の目線でいくと、お金を使うってなると会社が保有している現預金の中から出さないといけなかったりとか、銀行からM&Aの資金として貸し付けないといけないので、M&Aを全部キャッシュでやると、現金が失われていくんですね。

長谷川 そうですね。

吉岡 一方で株式交換っていうカードは現金を痛めずに自分の株のところで会社を取得できるので、買い手としては現金を失わず、同じ船に完全に乗るっていう意味で買い手側は株式交換だと嬉しいっていうところのインセンティブがあるんですよ。

一方で売り主側としてはキャッシュインがないんで、将来の金額としては大きくなるだろうっていうところがあったとしても、株なのでもしかしたらブラックマンデー的なのが来て、めっちゃ下がるかもしれないっていう不安ともあるので、いったん8割現金で、2割株式交換とかはあるんですけど、100%株式交換というのはやっぱり秦さんのアントレプレナーシップの現れというか、まだまだこれからも行くぜ!みたいな方なので、かなり珍しいと思います。

現在の会社での立ち位置

長谷川 なるほど。よく分かりました。ちなみに秦さんはクラウドワークスさんの中の今、子会社っていう感じになっているんですか。

 そうです、今子会社の代表として続投しています。100%株式交換っていうところでという話もあったと思うんですけも、それだけが理由で株式交換にしたっていうわけではなくて、僕らとしては現金ではなく株式交換っていうのは逆に信用かなと思ってまして、要は「売り逃げしない印」というか、結局は現金だった場合って売り逃げする可能性って当然あるわけで、「現金手にしたのでもうやる気ありません、終了です。」みたいなことっていうのは当然リスクとしてあるんですけれども、株式交換なので今後クラウドワークスの価値が上がることが僕らの勝利でもあるっていうところで、一定の信頼をそこで示すことができたというところもありますけども。

吉田さん(クラウドワークス代表取締役社長 兼 CEO 吉田 浩一郎 氏)には自由な部分を許していただけるので。というのは、僕ら、どんどん次のチャレンジ、新しい事業を思いついたら新しくやっていきたいっていうようなメンツで、それをOKしていただいてるので、そういう部分で株式交換でも全然問題ない。なぜかと言うと別に何度でも新しい仕事すればお金は普通に作れるので、今なくても別に何の問題もないっていうような意思決定でした。

長谷川 そういうことですね。

吉岡 やはりここは双方の信頼関係と言いますか、吉田さんの懐の深さもありますし、起業家であるからこそ、起業家の性格であったりとか、起業家をがんじがらめに縛りつけて、銃で羽ばたきたい鳥を小さな鳥カゴの中に押し込めるみたいなことってなかなかなか難しいので、逆に自由にやっていいし、ただ同じ船に乗って一緒に大きくしていこうっていう形なので、それが今すごいいい感じにシナジーを産んでるんじゃないかなっていう風に見てて思います。

やってよかったこととこうすればよかったと思うこと

長谷川 ありがとうございます、大変勉強になりました。ということで、色々伺ってきたんですけれども。今回、秦さんにM&Aですね、特に株式交換っていうことだったりとか、3人で均等に株を持って売却に進めていったとかって、色々なやり方、珍しいと言いますか、通常あまりないやり方を結構取られてると思うんですけども、このやってみて良かったなって思うことと、ネガティブなことあればそれぞれ教えていただいてもよろしいですか。

 ネガティブではないんですけど、実際グループインして初めての就職したわけじゃないですけど、要は大きな会社で働く初めての経験で、結構、僕何でもできるだろうって思ってたんですけど、全然適性がない仕事もあって。

ちょっとこれはやるの厳しいなみたいな、結構そういった部分で自信が打ち砕かれてる毎日で。

長谷川 そうなんですか。

 これはネガティブといえばネガティブなこと。あとはもう基本的にはポジティブなことしかなくて、そういった面も含めて、コンフォートゾーンにいるわけではなくて、今も新しい経験だったりとか、大企業にいないと分からないような知見だったりとか、そういったことを普段から学ばせていただいてるので、むしろプラスしかないっていうような感じです。

長谷川 ありがとうございます。なんか経営会議みたいなのもあったりするんですか。

 あったんですけど、嫌すぎて、嫌ですって言って、なくなりました。

長谷川 そうなんですか、それはちょっとあれかもしれないです。

吉岡 何故、そういう風になったんですか?

 なんか毎週発表あったんですよ、僕。経営会議があったんですけど、発表の資料作りと数字集めに1週間使っちゃって、1週間ごとにあるんですけど、進捗を発表しなきゃいけない場なのに、数字集めるために1週間使うんで進捗がないみたいな風になっちゃって。

長谷川 ああ、なるほどなるほど。

 それが辛くて、いやこれもう僕できないですって会議で言ってぶち壊しちゃいました、会議を。

吉岡 でも逆にこれめっちゃいいエピソードだなと思いまして、逆になんて言うんですかね、事業を前進させるところに全てのパワー使いたいんで、結果で判断してくださいみたいなことで、グラドワークスさんや吉田さんの人もOKみたいな感じだったことです。

 いや俺、めっちゃ怒られると思ってたんですけど本当に。でも言わなきゃ精神的にもこの仕事ずっと続けるの嫌だなとなったんで、怒られるのもいいやと思っていったんですけど、また吉田さん上げになっちゃうんですけど、吉田さんめちゃくちゃ優しくて、「いいよ、後で話そう」みたいになって。終わった後呼んでくれて「そうだよね」みたいな。「そういうのが嫌だから起業家になったんだもんな、俺もお前も」みたいな。

吉岡 やっぱりいいですね、いやすごいですね。

 でも必要な仕事っていうのは分かってて、僕に適正がないっていうだけだったので、本当申し訳ないなっていうところと、でもそこで必要であれば別途、引き継ぎとかも必要だったかなと思うんですけども、次からなしでいいから執行の方頑張ってくれっていうような感じで。

吉岡 胸熱エピソードですね。

 そうですね。ちょっと情けない話なんですけど。

吉岡 やっぱり、めちゃくちゃ分かります。戦士に魔法使えとか、魔法使いに剣で相手をぶった斬れって言っても、やっぱ好きなこと、苦手なこと、嫌いなこと、得意なこととか色々あるので、得意なことにフォーカスした方が絶対いいと思うので、すごいいい話だなと思いました。

今後の展望

今後の展望

長谷川 素晴らしいエピソードありがとうございます。ちなみに、今後やっていきたいな、みたいなこととかってあるのですか?色々おありだと思うんですけど。特にこれやっていきたいみたいなのあれば教えてください。

 クラウドワークスの中では、今ある既存の事業をどんどん伸ばしていくっていうところと、あとシナジーがあるような部分で、新規事業とかもやっていきたいなと思ってます。

それ以外の部分では新しいチャレンジも既に始めてますので、そっちの方をどこまで伸ばせるのかっていうところと、売却2回目なんですけど、3、4回と、どんどんどんどん売却の方も回数重ねていきたいなと思ってるので、そういったところを目指してやっております。

長谷川 ああ、そういうことなんですか。ということはまたなんか会社を作って、また売却ってことですか?じゃなくてなんか別ですか。

 それ用の会社も今何個か進めてまして、育ってきたのでまた少ししたら吉岡さんの方にまたご連絡して相談しようと思っています。

長谷川 すごいですね。そういうの、連続企業をしてこう売却するみたいな、本当に夢がある話で、素晴らしいと思いました。吉岡さんいかがですか、お話伺っていて。

吉岡 やはり、クラウドワークスさんの土壌と言いますか、今まで起業家で自由気ままにやってた人が、上場会社にグループインしていくっていう中で、そういう今までと変わらない自由な土壌がないと、せっかくM&Aの中で起業家本人が、むちゃくちゃ大切な資産なのに、M&Aが成立してお金もらったら、「すいません去ります」みたいなことが繰り返されると、やっぱりM&Aやってても損失になるので、秦さんのような方に頑張っていただけるような風土とかインセンティブ設計とか、そういう風にやられてるクラウドワークさんはすごいなっていう風に思ったことが一つですね。

もう一つは秦さんが本当に連続起業家で、本当にゼロイチや、スピーディにマーケで一気にグロースさせていくっていうのが得意な方なので、そういった方って打席に立つのが苦じゃないというか、本当に1人で5個も10個も数十個も事業を立ち上げていけるんだろうなという風に思ってますので、秦さんみたいな方が出てくると日本のスタートアップとか、ベンチャー業界、ひいては日本にとってどんどんプラスになっていくんだろうなって形なので、こういったYouTubeを通して秦さんな人がいるんだってことを知ってもらって、皆さんの刺激に少しでもなったら嬉しいなと思いました。


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