モバイルファーストインデックス(MFI)とは、モバイルサイトを基準にしてサイト評価を決定する仕組みのことです。
PCユーザーの数をモバイルユーザーが大きく上回ったことで、このような評価指標が導入されました。現在は徐々にモバイルファーストインデックスへの移行が進んでいます。
とはいえ、モバイルファーストインデックスの仕組みについて、まだ詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。
本記事ではモバイルファーストインデックスの概要やSEO効果、確認方法について解説します。
「モバイルファーストインデックスの仕組みについて詳しく知りたい」
「モバイルファーストインデックスにSEO効果はあるの?」
このような要望・疑問がある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
モバイルファーストインデックス(MFI)とは?
モバイルファーストインデックス(MFI)とは、モバイル版のサイトを優先的にクロール・インデックスし、評価していく仕組みのことです。
モバイルファーストインデックス導入以前は、PCページが基準で検索順位が決まっていました。しかし、スマートフォンが誕生してスマホユーザーからのアクセスが増えたことで、モバイル優先の基準に変更されたのです。
では、いつからモバイルファーストインデックスへの移行が始まったのでしょうか。
モバイルファーストインデックスは、2018年3月にGoogle公式から正式に開始のアナウンスがされています。
引用:https://developers.google.com/search/blog/2018/03/rolling-out-mobile-first-indexing?hl=ja
その後、2020年9月までに移行を完了させると発表されていましたが、諸々の課題解決が難航し2021年3月末まで延長することになります。
引用:https://developers.google.com/search/blog/2020/07/prepare-for-mobile-first-indexing-with?hl=ja
しかし、一部のサイトで予期せぬ課題に直面したことにより、2021年11月に「モバイルファーストインデックス登録の最終ステップについては、スケジュールを特に定めない」と発表しました。
引用:https://developers.google.com/search/blog/2021/11/update-on-mobile-indexing?hl=ja
このように、明確な最終ステップのスケジュールは未定であるものの、年々モバイルの利用者は増えているため、モバイルファーストインデックスへの移行の重要度や緊急度が高いことは紛れもない事実です。
ぜひ本記事を最後までご覧になり、自社サイトやブログがモバイルファーストインデックスに移行できているかを確認しましょう。
モバイルファーストインデックス(MFI)に移行した背景
モバイルファーストインデックスの移行に踏み切ったのには、検索ユーザーの大多数がモバイル(スマートフォン)に移行したという背景があります。
事実、モバイルファーストインデックス始動の発表があった前年の2017年に、総務省から「20~30代ではPC利用が70%台前半なのに比べ、スマートフォン利用は90%台前半になっている」と統計が公開されています。
※参照:総務省|平成30年版 情報通信白書|インターネット利用の広がり
また、2年後の統計では、端末別のインターネット利用率(全体)は、「スマートフォン」(63.3%)が「パソコン」(50.4%)を12.9ポイント上回っており、全体で見てもスマートフォンの利用率が高くなっています。
※参照:総務省|令和2年版 情報通信白書|インターネットの利用状況
このような利用状況の中でSEOの評価基準をPCサイトにしていると、モバイルユーザーの検索意図に十分にこたえられない可能性が高いと言えます。
それでは、モバイルユーザーの検索意図と検索結果の間にギャップが生まれ、Googleの掲げるユーザーファーストの理念に背いてしまうことになります。
Googleはそのような事態を防ぐために、モバイルファーストインデックスの移行に踏み切りました。
モバイルファーストインデックス(MFI)による影響
モバイルファーストインデックスによって影響を受けやすいサイトは下記のとおりです。
- PCページのみで運営されているサイト
- ページによって、モバイル対応状況がまちまちなサイト
- モバイルページとPCページのコンテンツやマークアップの内容に大きな差異があるサイト
今までは主にPCサイトがSEOの評価対象だったため、重要なページをモバイル対応していないことによる問題はあまり多くありませんでした。
しかし、モバイルファーストが推奨されている現代で、検索エンジンからより高い評価を得るためには、PCとモバイルの両方に差がないサイトにすることが重要です。たとえアクセスがあったとしても、スマホユーザーからするとモバイル対応されていないページは閲覧しにくく、利便性低下につながります。
モバイル対応できていないとサイト運営で大きな悪影響となりますので、今のうちに対応しておくことが求められます。
モバイルファーストインデックス(MFI)がSEOに及ぼす影響とは?
ここまで読むと、「モバイルファーストインデックスはSEOに効果的」と思われる方もいるのではないでしょうか。
確かに間違いではありません。
しかし、モバイルファーストインデックスでインデックス登録されていること自体に、検索順位を上げる効果はありません。
事実、Googleの公式ブログでも「コンテンツがモバイル ファーストインデックスによって集められたものであったとしても、その他の方法で集められたコンテンツやデスクトップ版のコンテンツに比べてランキング優位性があるというわけではありません。」と回答しています。
一方で、2015年に「モバイルフレンドリーアップデート」というアップデート(モバイル対応されていないサイトは、モバイル検索の順位が下がる可能性がある)が導入されています。
このアップデートによって、モバイル対応していないサイトはモバイル検索での順位が下がるようになっているため、既に(モバイル検索で)順位が下がっている可能性があります。
ここまでまとめると、「モバイルファーストインデックスで集められたコンテンツは上位表示されやすい」は間違いです。
ただし、「モバイルフレンドリーアップデート」の導入によって、モバイル対応されていないサイトはモバイル検索での順位が下がる可能性があります。
そのため、サイトへのアクセスを多く集めるなら、モバイル対応させることが必要になります。
モバイルファーストインデックス(MFI)でやっておくべきこと
モバイルファーストインデックスでやるべきことは次のとおりです。
- アノテーションの設定を行う
- コンテンツを統一させる
- レスポンシブデザインに対応させる
- 構造化マークアップの記述を行う
- 内部リンクを設置する
それぞれ詳しく解説します。
アノテーションの設定を行う
PC向けページとモバイル向けページをそれぞれ別のURLで運用している場合は、同一コンテンツであることをクローラーに伝えるための設定が必要です。
このような設定を「アノテーション」と呼びます。
設定方法は、それぞれのページのheadタグ内に「canonicalタグ」と「alternateタグ」を設置します。
PC向け、モバイル向けの記述例は下記をご覧ください。
▼PC向けページの記述例
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width:640px)"href="https://www.willgate.co.jp/promonista/sp/"/>
▼モバイル向けページの記述例
<link rel="canonical"href="https://www.willgate.co.jp/promonista/sp/"/>
また、1つのコンテンツを1ページ目、2ページ目のように、ページネーション(ページの分割表示)をしている場合も、アノテーションの設定が必要です。
理由は、PCサイトとモバイルサイトで、ページの分割数が異なる場合があるためです。
上記の場合はアノテーション設定をして、同一コンテンツであることをクローラーに伝えましょう。
コンテンツを統一させる
「モバイルファーストインデックスの影響」の章でも解説しましたが、検索エンジンから高い評価を受けるためには、PCとモバイルの両方に差がないサイトにすることが重要です。
そのためには、コンテンツを統一する必要があります。
例えば、PCサイトとモバイルサイトの情報量に差がある場合は、どちらかに合わせて極力同じにする必要があります 。
評価を受けている重要なページがPCサイトだけでなく、モバイルサイトにも存在しているかを確認し、存在していなかった場合は、必ず追加しましょう。
レスポンシブデザインに対応させる
ここまで解説したとおり、モバイルファーストインデックスでやることは、アノテーションを設定したり、コンテンツを統一するなど、非常に大変で手間がかかります。
そのような設定をせず、一気に解決できるのがレスポンシブデザインです。
レスポンシブデザインとは、PCやモバイル、タブレットなど、あらゆるデバイスのサイズに応じてcssを切り替え、ひとつのHTMLで複数の表示を可能とするデザインのことです。
つまり、1つのページで完結するため、前述で解説したような設定が必要ありません。
実際にGoogle公式もレスポンシブデザインへの適応を推奨しています。
「ユーザーがウェブサイトへのアクセスにどのタイプの端末を利用しているかに関係なく、すべてのユーザーに可能な限り最適なエクスペリエンスを提供することが重要です。
サイトを レスポンシブ デザインにすることをおすすめします。
つまり、フォント、マージン、パディング、ボタンなどのサイトの基本的なデザインを、画面の解像度や端末のビューポートに合わせて動的に調整する必要があるのです。」
引用:インデックス可能なプログレッシブ ウェブアプリの構築方法
レスポンシブデザインを推奨しているだけで必須ではありませんが、PCとモバイルを別のURLで運用する方法は、人的ミスが起こりやすくSEO評価の点でもリスクがあります。
モバイルファーストインデックスのことを考えるなら、特別な理由がない限りレスポンシブデザインに適応するのがおすすめです。
▼Google公式が発表している「モバイルファーストインデックス登録に関するおすすめの方法」も是非ご覧ください
▼レスポンシブデザインについて詳しく知りたい方はこちら
レスポンシブデザインのSEO効果は?メリットやデメリットを解説
構造化マークアップの記述を行う
PCサイトしか構造化マークアップを記述していない場合は、検索エンジンのクローラーがモバイルサイトのコンテンツ情報を読み取ることができません。
そのため、モバイルサイトにも構造化マークアップの記述を行う必要があります。
モバイルサイトに構造化マークアップを記述したら、以下のテストツールを使って記述が間違っていないか確認しましょう。
▼構造化データについて詳しく知りたい方はこちら
構造化データによるマークアップのメリットや書き方、検証方法まで解説
内部リンクを設置する
PCサイトだけでなく、モバイルサイトやページからも内部リンクを辿れるようにしましょう。
なぜなら、クローラーやユーザーにとってはPCサイトとモバイルサイトは別物と認識されるからです。
検索エンジンのクローラーはリンクを辿ってサイトやページを発見しますが、モバイルサイトに内部リンクがないとクローラーの回遊が促進されません。
一方でユーザー側もクローラーと一緒で、PCサイトを閲覧している人は内部リンクを辿って次のページに進めますが、モバイルサイトで閲覧している人はそもそも内部リンク自体を認識できません。これでは回遊率やコンテンツ同士の関連度が下がるため、 SEOで悪影響を及ぼします。
そのため、モバイルサイトでも内部リンクを設定し、ユーザーやクローラーに情報を見つけてもらいやすくすることがSEO観点でも重要です。
内部リンクとは?役割やSEO(検索エンジン最適化)対策への効果
自社サイトがモバイルファーストインデックス(MFI)に移行済みか確認する方法
モバイルファーストインデックスが移行されているかどうかは、Google Search Console(サーチコンソール)内で確認できます。
確認する方法は4つありますので、下記を参考にしてみてください。
①URL検査→カバレッジ内の「ユーザーエージェント」を確認
設定に表示されている概要のインデックスクローラーが「スマートフォン用Googlebot」と記載されていれば、モバイルファーストインデックスの移行が完了しています。
②インデックス→カバレッジ→メインクローラーが「スマートフォン」になっているか確認
③拡張→各メニュー→ソースが「スマートフォンクローラー」になっているか確認
④設定→概要のインデックスクローラーが「スマートフォン用Googlebot」になっているか確認
以上、確認方法は4つありますので、やりやすい方法を選びましょう。
番外編:モバイルフレンドリーなサイトになっているかを確認
モバイルフレンドリーは、モバイルデバイスでのページの使いやすさをテストできるツールで確認できます。
ページのURL を入力するだけで使いやすさのスコアが表示されるので、モバイルフレンドリー対応をする際は、自社サイトの状況を確認しておくと良いでしょう。
モバイルフレンドリーだと緑の文字で、そうでなければ赤文字で表示されます。
まとめ
本記事では、モバイルファーストインデックス(MFI)の概要やSEO効果、確認方法について解説しました。
モバイルファーストインデックスとは、モバイルサイトを基準にして評価するための仕組みです。PCよりもモバイルで利用するユーザーが増えたため、モバイルファーストインデックスの評価制度が導入されました。
現在モバイルファーストインデックスの移行は進んでいますが、一部サイトで発生した課題もあり、まだ完全には移行できていません。最終ステップへのスケジュールも未定です。
しかし、今後は間違いなくモバイルファーストインデックスから得られる評価が重要になるため、今のうちに対策しておく必要があります。
本記事で解説した、モバイルファーストインデックスでやるべきことや確認方法を理解し、対策を進めましょう。
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