Google Analytics(アナリティクス)でサイト分析を行なっていると、オーガニック検索(organic search)のキーワード一覧に「(not provided)」と表示され、疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。ユーザーがどのような検索キーワードでアクセスしたかわからないと、次のSEO施策が立てられず困ってしまいます。
not providedとは、「情報提供できない」という意味があり、SSL化の暗号通信によってユーザーの検索情報を取得できなかった場合に表示されます。
現在は多くのサイトで、セキュリティ・プライバシー保護を目的としたSSL化の仕組みが適用されています。そのため、Google Analytics(アナリティクス)ではnot providedの表示が9割を占めています。
では、not providedを調査し、ユーザーの検索情報を分析する手段はないのでしょうか。
本記事では、not providedやSSL化の意味、not providedを調べる方法について解説します。
not providedとは?
not providedとは、「情報提供できない」という意味です。
SSL暗号化によって、ユーザーの検索したキーワード情報が取得できない場合に、Google Analytics(アナリティクス)で表示されます。実際にGoogle Analytics(アナリティクス)の分析をしていて、「not provided」を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
not providedが表示されるようになった理由には、Google Analytics(アナリティクス)の仕様変更が大きく関わっています。以前のGoogle Analytics(アナリティクス)では、ページを訪問したユーザーの検索キーワードを調べることができました。つまり、「ユーザーがどんな情報を知りたいのか」「どういった悩みを持って検索しているのか」といったデータを収集できたのです。
当然このような貴重なデータは、コンテンツをよりユーザーに最適化できるよう改善策を考えられたり、次のオウンドメディア戦略の参考指標に活かしたりできます。
しかしながら、セキュリティ強化・プライバシー保護を目的にしたSSL化によって情報が暗号化され、ユーザーの検索情報が不明になりました。
その結果、Google Analytics(アナリティクス)では、not providedという表示が9割以上を占めるようになったのです。
下記の画像は、当メディア「プロモニスタ」のGoogle Analytics(アナリティクス)の画面です。
画像を見ていただくと、not providedの割合が9割を超えているのが分かります。
ちなみに、not providedは「not set」とよく間違えられます。
not setは暗号化によるものではなく、システムや通信エラーによってデータを取得できなかった際に表示されます。両者の違いは下記をご覧ください。
- not provided:SSL化によって検索情報を取得できない
- not set:何かしらの原因により検索情報を取得できない
そのため、not setになっている場合は、原因となっている問題を解決すればデータを取得できる可能性があります。このように明確な違いがありますので、しっかり覚えておきましょう。
次の章では、SSL化について再度おさらいをします。
SSL化とは?
SSL(Secure Sockets Layer)とは、Webサイトと閲覧しているユーザとのやり取り(通信)を暗号化するための仕組みのことです。
2014年、Googleが検索結果で暗号化された安全な接続をサイトで使用していることを評価アルゴリズムに組み込むことを発表したことをきっかけに、Webサイト全体のSSL化が加速しました。
SSL化される以前は、悪意のある第三者がインターネットユーザーのクレジットカード情報やインターネットショッピング情報を盗み見ることができました。このような状態では、ユーザーが安心してインターネットを利用できません。
そこに危機感を持ったGoogleが、解決策として導入した仕組みがSSL化です。SSL化は、個人情報の抜き取り防止はもちろんのこと、データの改ざんやなりすましといったことも防げます。
つまり、インターネット上でのやり取りや決済が当たり前になった時代において、SSL化は欠かせない仕組みです。
WebサイトのSSL化を確認するには、次の2つの方法があります。
- Webサイトのプロトコルを確認する
- URL入力欄の鍵アイコンを確認する
SSL化されているWebサイトは、「http」から「https」へプロトコルが変更されています。
また、URLの入力欄の右側にある鍵アイコンをクリックして、「安全な接続」と表示されているのであれば、SSL化されています。
▼SSL化されているサイトの例
自サイトがSSL化されているか不明な場合は、上記の方法どちらかを試して確認しましょう。
httpとhttpsの違いやSSL化についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
Googleが全面支持する「常時SSL」のSEO対策への影響とは
not providedを調べる方法
ユーザーがどんな検索キーワードで流入してきたのかを調査することは、SEO対策において必要不可欠です。流入してきたキーワードがわからないと、実施した施策が効果が出ているのかどうか正確に分かりません。
こういった検索キーワードが取得できないという「不」を解決するために、キーワードを調べる(または、予測する)方法を3つ紹介します。
- Google Analytics(アナリティクス)で調べる
- Google Search Console(サーチコンソール)で調べる
- ツールで調べる
それぞれの方法を詳しく解説します。
Google Analytics(アナリティクス)で調べる
先述した通り、現在のGoogle Analytics(アナリティクス)では、ページを訪問したユーザーの検索キーワードを調べることはできません。
しかし、Google Analytics(アナリティクス)にある「ランディングページ」の項目から、ある程度の予測はできます。
調べ方の手順は次のとおりです。
Google Analytics(アナリティクス)の「集客」から「キャンペーン」→「オーガニック検索キーワード」を開きます。
次に「セカンダリ ディメンション」から「ランディング ページ」を選択します。
すると、ランディングページに着地したユーザー数が表示されるため、何らかのキーワードで順位が付いていると判断できます。
具体的なキーワードまではわからないものの、表示されているランディングページから、どのようなオーガニック検索(organic search)経由で流入しているかがある程度予測できます。
1つの参考指標として、Google Analytics(アナリティクス)で分析してみると良いでしょう。
Google Search Console(サーチコンソール)で調べる
次に、Google Search Console(サーチコンソール)を使って、検索キーワードを調べる方法を解説します。
Google Search Console(サーチコンソール)の画面を開き、左のタブから「検索結果」を選択します。
上位のクエリと、そのクリック数や表示回数から検索キーワードのデータを取得できます。
さらに、グラフ上部にある「+新規」から「ページ」でフィルタをかければ、該当ページがどの検索キーワードから流入しているかを具体的に調べることが可能です。
特定のページの上位のクエリを調べたい場合は、「ページ」のフィルタリングを活用しましょう。
ツールで調べる
最後に、弊社ウィルゲートが提供するSEOツール「TACT SEO」で調べる方法を紹介します。
「TACT SEO」の「流入キーワード調査」では、調査サイトで獲得しているキーワードと、そのキーワードで上位表示しているページを知ることができます。
また、その他にも月間検索回数や流入数(いずれも想定値)、検索順位などの値も取得可能です。このようなことは、Google Search Console(サーチコンソール)でも調べられますが、視覚的に確認しにくいポイントがあるため手間がかかってしまいます。
その点、TACT SEOは視覚的にも分かりやすく一括表示もできるので、手間なく順位計測が可能です。
さらにTACT SEOには、Google Analytics(アナリティクス)やGoogle Search Console(サーチコンソール)にはない、自サイトの課題発見・分析する機能がついています。そのため、「これからオウンドメディアを大きくグロースさせたい」「Webコンテンツ経由からのリード獲得数を増やしたい」などの明確な目的がある場合に役に立ちます。
もちろん、調査・分析したデータを一括でダウンロードすることも可能です。
まずは無料でお試しもできますので、TACT SEOを競合サイトや自サイトの獲得キーワード状況の把握・分析に役立ててみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、not providedやSSL化の意味、not providedを調べる方法について解説しました。
not providedとは、「情報提供できない」という意味です。ユーザーの検索したキーワード情報がSSL化によって取得できない場合に、Google Analytics(アナリティクス)で表示されます。
セキュリティやプライバシー保護のためにSSL化が必要になったことで、Google Analytics(アナリティクス)で表示されるnot providedの割合は9割を超えています。そのため、SSL化の仕組みが導入される以前と比べると、取得できるユーザーの検索情報が少なくなっています。
とはいえ、全く検索情報を取得できないわけではありません。Google Analytics(アナリティクス)やGoogle Search Console(サーチコンソール)の機能を使えば、ある程度の検索情報を調査することができます。
ただし、上記のツールでは調査できる情報量に限界があるため、本格的にオウンドメディアやホームページを成長させたい場合は、有料のSEOツールで調べることをおすすめします。
弊社ウィルゲートでは、有料のSEOツール「TACT SEO」を提供しています。自サイトの課題発見・分析から検索キーワード調査、競合分析まで対応可能です。
無料トライアルもありますので、まずは一度試してみてはいかがでしょうか。