「社会を変えようとしている挑戦者に拍手を贈る社会をつくりたい」をミッションに、2018年1月に設立された株式会社GAX。オフショア開発でのプロジェクトマネジメント事業を手がけており、フルスクラッチ開発とノーコード開発を手掛ける企業として、短期間でWebアプリケーション開発を行えるスピード感や、優秀なプロジェクトマネージャーによる開発体制の提供を強みとしています。
同社はデジタル時代における新規営業ルートの開拓に課題を感じていたことから、ウィルゲート専務取締役COO吉岡によるTwitter支援コンサルティングの導入を決めました。結果、半年間で300件近いリードを獲得し、1件あたりの最高額では660万円を超える受注も。Twitter経由の受注金額トータルでは約2400万円という額に達したそうです。秋間様にTwitter支援を導入した経緯や実施内容、成果や今後の展望について伺いました。
左:株式会社GAX 代表取締役 秋間 信人 様(以下、秋間)
右:株式会社ウィルゲート専務取締役COO吉岡 諒(以下、吉岡)
聞き手:ライター 外山ゆひら
【抱えていた課題】
・新しい概念の商材のため、営業活動の難しさを感じていた
・海外在住で、経営者に直にアプローチできる新たなセールス方法を探していた
【導入・活用成果】
・Twitter経由で294件の新規リードを獲得
・Twitter経由で11件の受注に繋がり、総額は約2400万円に
目次
海外在住でも可能な「新たなセールス手法」を探していた
–まずは秋間様のご経歴を教えてください。
秋間:大手証券会社で7年ほど働いた後、シンガポールにて最初の起業をしました。BBQの機器をレンタルするフードデリバリー領域のビジネスで、3年間である程度のところまで大きくできたので、現地の会社に事業を譲渡しています。その後は東京に戻り、ベンチャー・キャピタルの会社でファンド調達のビジネスに3年ほど携わっていました。
そこから妻の会社を少し手伝った後、2018年に当社GAXを立ち上げ、2022年7月から家族でバンクーバーに移住した後は、フルリモートで仕事をしています。2社の起業を経験していますが、どちらかというとBtoCよりもBtoBの大口商いに魅力を感じる性分だと自覚しています。
–GAX様の事業についてもご紹介いただけますか。
秋間:最大の特徴は、開発会社でありながらエンジニアを自社で抱えていないことが挙げられます。海外10社と連携しており、そのリソースを使って開発をしています。クライアントの開発要件に応じて語学堪能な日本人のプロジェクトマネージャーをアサインし、最適なエンジニア会社を選んでチームを作って提供している形です。
フルスクラッチ開発も得意としていますが、ここ数年はNYのスタートアップ企業が開発したWebアプリケーション「bubble」を使ってのノーコード開発の提案に力を入れています。フルスクラッチ開発は大手も含めて無数の競合他社がいますが、ノーコード開発を推している企業はまだ少なく、当社がエッジを効かせられる領域と見込んでいます。
–2022年にウィルゲート社の支援を導入いただきましたが、当時のGAX様にはどのような課題があったのでしょうか。
秋間:コロナ禍で企業のデジタル化が進み、セールス手法の変更を余儀なくされている状況がありました。テレアポをしようと思っても、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のTech企業は今や電話番号すらないところが大半です。「カナダに住みながら、ダイレクトに社長にアプローチする方法はないか」と友人の経営者に相談したところ、ウィルゲート社を紹介していただいてお願いすることにしました。
フォロワー数に関わらず大きく情報を広げられるチャンスがあるのが、Twitterの魅力
–具体的な支援内容について教えてください。
秋間:Facebook、Twitter、ウェビナーという3つの支援をご提案いただきました。ウェビナーは私の腰が重かったので(笑)、まずはFacebookとTwitterから着手しています。
吉岡:Facebookではソーシャルセリング支援をさせていただき、プル型の集客投稿において多くの反応を得られる「あたり投稿」も出ていました。秋間さんはフレンドの数も多かったのですが、Facebookは基本的に対面で会ったことがある人とつながるプラットフォームなので、一定期間告知を続けると、ユーザーが一巡してしまいます。「知らない人への新規アプローチをガンガン増やしたい」という秋間さんのご要望で、途中からTwitter支援に力を入れていくことになりました。
–Twitterではどのような支援をおこなったのでしょうか。
吉岡:まずTwitterをやる目的や目標の設定、セルフブランディングの設計やプロフィールの添削などから行いました。秋間さんは「オフショア開発×ノーコード」というエッジの効いた属性を持っていらっしゃるので、比較的わかりやすい見せ方や打ち出しがしやすかったです。秋間さんの価値観、専門的な話、仕事の話題などを使い分けながら、プライベートのお話も出していきましょう、という方向性が決まりました。
秋間:吉岡さんのアドバイスでアカウントを整えてから、アカウントを成長させていくフェーズに入ったのですが、割と早い時期にバズりまして。1件、600万円を超える大きな受注につながったことで一気に気を良くして、そこからTwitter発信にのめり込んでいきました(笑)。性格的にも、私はTwitterのほうが合っている実感があり、今は圧倒的にTwitterの優先順位が上がっています。
–どのような内容の投稿がバズったのですか?
吉岡:「ものづくり補助金を使って、ノーコード開発をやると良いですよ」といった内容の投稿です。GAXさんはオフショア開発としても独自のスタイルを確立されていますし、ノーコード開発は新しい概念なので、世間的な認知度はまだそれほど高くはありません。一見して理解されやすい商材ではないかと思いますが、ここに「ものづくり補助金」を掛け合わせたことで、予算をかけられない企業の方々にも刺さったのかなと思います。
秋間:支援前は700フォロワー前後で、今も2000フォロワーを超えるくらいなのですが、10万インプレッションを取れた投稿もあり、身の丈を超えて情報を広げることもあるのだなと。Twitterの最大の魅力は、フォロワー数が少なくても大きくバズる可能性を秘めていることだと感じています。
–継続的に投稿する作業に、負担を感じることはありますか?
秋間:1日3〜4件は必ず投稿していますが、「文章を考えるのが好きか」「嫌われる覚悟を持てるか」によって、負担の度合いは変わるかもしれません。私は割と文章を考えるのが好きな性分なので、あまり負担は感じません。むしろ書くことで思考がクリアになり、モヤモヤしていたことがスッキリするような感覚があります。
嫌われる覚悟はすでにできており(笑)、毒も出していこうと決めています。考え込んでしまうと何も書けなくなってしまいますし、世の中が綺麗事だけでできていないことは皆もうわかっていると思うので、正直な投稿のほうが評価されやすいのではないかというのが私の見立てです。
「知り合いにどう思われるだろう」という理由で投稿をためらう人は少なくないかと思いますが、実際やってみると、自分が気にしているそのピンポイントの人物は投稿を見ていない、なんてことも多い気がします(笑)。思ったことを素直に書いたほうが反応をいただきやすい実感があるので、本音や愚痴も書きつつ、時々はちゃんと本質的な良い内容も書いて価値を届けよう、というスタンスです。
吉岡:Twitterは「言語化代行ビジネス」の要素が大きいと私も思います。「自分もそう思っていました!」という共感を生むような内容だと、イイねやリツイートという反応が起こりやすいですよね。多くの人がモヤモヤしていることを言語化したような本音のツイートは刺さりやすいのかなと思います。
自己表現のツールでもあるので、愚痴やネガティブなことを発信するかどうかは、その方のキャラクター次第で設定して良いと思います。ビジネス目的のアカウントの場合、“炎上さしすせそ”(宗教、差別、政治、スキャンダルなど)と呼ばれるような話題は避けたほうがいいと思いますが、偽のキャラクターを演じているとつらくなって長続きしません。基本のツボは抑えた上で、あとは等身大のキャラクターに合わせた発信ができるよう支援したいなと思っています。
秋間:あとは、業界内では当たり前だと思われるような内容も、発信するようにしています。他の世界の人から見ると新鮮に映るのかな、と感じることも多いので。それによって「その領域のことをよく知っている人」というイメージも確立できると思います。
Twitterはコスト不要で高パフォーマンスも出せる自社メディア。経営者は絶対にやるべき
–これまでの成果について教えてください。
秋間:新規リードは約300件を獲得できており、商談を経ての受注総額も2400万円近くに達しました。Twitterによってこれまでリーチできなかった層にリーチできている手応えがあります。
–Twitter投稿から受注には、どのようにつなげていったのでしょうか。
秋間:Twitterでリードを獲得してオンラインセミナーへの参加を促し、そこから商談につなげていく動線設計で、成約を獲得していました。オンラインセミナーは月2回のペースでやっており、今後は録画配信も始める予定です。
あとは吉岡さんのアドバイスで、毎回必ず振り返りをするようになりました。どのフェーズで何人入ってきてくれたかのデータは必ず振り返り、レートが悪いところは原因を洗い出して、セミナーの内容や開催頻度などの改善につなげています。この試行錯誤にゴールはないなと感じており、今も模索中です。吉岡さんもよく「常に量をやり続けましょう」とおっしゃっていますが、継続の大切さを実感しています。
–Twitter発信による副次的な効果はありましたか。
秋間:Twitterは「コスト不要の自社メディア」だと理解しており、経営者はマストでやったほうがいいと思います。動画や画像を付けなくても投稿できるので手間がかかりませんし、プレスリリース代わりにも使えます。特に広く周知が必要な人材採用やM&Aをやっている人などは、Twitterをやっていないと大変な気がしますね。短文でどんどん発信できるので、ブログの挫折経験がある人にもおすすめです。
吉岡:私もブログは挫折した過去がありますが、Twitterは続けられています。ブログは書くのに何時間もかかる割にPV数をあまり取れないので、短い文章で大きくバズる可能性があると考えると、Twitterはかなり効率が良いメディアだと思います。
ただTwitterで一定のフォロワーを獲得した後、さらに濃いファン作りを目指すフェーズに来たら、ブログもやったほうがベターだとは思います。私は書くより喋るほうが得意なので、最近はYoutubeに力を入れていますが(笑)。
秋間:もう1つ、吉岡さんから学ばせていただいていることとしては、「経営者がまめに営業することの大切さ」です。商談効率が上がりきらないと感じた時期に吉岡さんに相談したところ、持っているメールアドレスにメールを送っていますか、とアドバイスをいただきまして。そこから定期的に季節メールを送っていたところ、最近大きな会社からセミナーの登壇依頼をいただきました。商談や成約はもちろんですが、存在を思い出して誘ってくれるのは嬉しいものだなと。「そういえばあの人いたな」と思ってもらうためにも、まめに連絡することは本当に大切ですね。
吉岡:経営者は時間がない忙しい方が多いので、だからこそTwitterは効率が良いですよね。支援を始めて1ヶ月目からは、過去に伸びた投稿を引っ張ってきたものを自動的にセットして繰り返し発信をしたり、文面をリライトして再投稿したりという仕組み化の部分も支援させてもらっています。
引き続きブランディングに注力し、お客様のニーズがある領域を尖らせていきたい
–支援を受けた実感としてはいかがでしたか。
秋間:吉岡さん、そして担当いただいた2名のコンサルタントの方々も非常に優秀で、何かと頼りにさせてもらっていました。「こういうプロダクトを売るには、どういうマーケティングが必要か」等々、疑問に思ったことをガンガン質問していましたね。
その過程で、ウィルゲート社は「マーケティングサイド」と「セールスサイド」、両方の視点とノウハウを持っている会社だなと。両者は似ているようで結構違うので、期待していたデジタルマーケティング部分以外に、セールス的な視点でお話ができることも非常に有意義でした。
帰国のタイミングが合ったときには、吉岡さんが開催されている交流会にもオンライン・オフラインともに参加させてもらいました。成長している会社さんが多く、めちゃくちゃ刺激をいただきました。
–最後に、今後の秋間様のWILLや事業展望についてお聞かせください。
秋間:Twitterに関しては、まずは5000フォロワー獲得と月1件の成約を目標に続けていくつもりです。引き続き【ノーコード×オフショア開発の会社】としてのブランディングにも力を入れていくつもりです。
当社のお取引先は自社でシステムやエンジニアを持っているところも多いのですが、「既存の体制があるなかで、新しい技術をどう取り入れていこうか」というときに、その手前で必要とされる「PoC(概念実証)」の開発サービスにもニーズがあると感じており、今後はこの部分を尖らせていくことも考えています。直近ではChatGPTのご相談案件も増えているので、このあたりの新しいことも請け負っていきたいですね。
吉岡:秋間さんはトレンド感を掴むのが上手な方なので、トレンド感を抑えた投稿、今だとGAX × ChatGPTの投稿にもすごく可能性を感じます。GAXさんとして持っているコンテンツも素敵なので、うまくいくイメージしかありません。リードの獲得はもちろんですが、フォロワー増加の施策に力を入れていき、適切な段階に来たらファン作りのための施策も増やし、勉強会などもどんどん開催していきましょう。
秋間:今後ともいろいろな質問をさせていただければ嬉しいです。事業展望については、今の主力事業を広げていきたいです。フルスクラッチ開発については、2週間で自社と同じ開発環境を立ち上げられるので、最短・最速で開発したいというご相談があれば、気軽にご連絡いただければと思います。モノづくり補助金の提案実績も豊富にあります。
–益々のご発展を祈念しております。ありがとうございました!
まとめ
今回は、株式会社GAXの代表取締役である秋間信人様にご協力いただき、Twitter支援コンサルティングの導入によって、Twitter経由での新規リードや受注を獲得できるようになった事例をご紹介しました。
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