食品業界や建設業界で働く人たちに向けて、DX・会計・人材などの有用な情報を幅広く提供しているサイトがあります。それが株式会社内田洋行ITソリューションズ様の「食品ITナビ」「建設ITナビ」です。
ウィルゲート社のTACT SEOとSEO内製化支援プランを導入後は、主要なビッグワードで軒並み検索順位3位以内にランクアップ。比例して流入数も大幅に伸びています。
導入の背景や施策内容について、サイトの運営を担当しているデジタルマーケティング課の皆さんにお聞きしました。
【写真右から】
株式会社内田洋行ITソリューションズ 管理本部 企画部 デジタルマーケティング課:加藤 祐平氏(以下、加藤)、佐々木 沙綾氏(以下、佐々木 )、石寺 富美恵氏(以下、石寺)、市原 達矢氏(以下、市原)、田口 琴美氏(以下、田口)、
株式会社ウィルゲート:信宗 碧(以下、信宗)、岡本 知奈(以下、岡本)
聞き手:ライター 外山ゆひら
目次
自社で内製していたものの「属人化していてリソース不足」という課題があった
まずは、事業の概要やサービスの詳細についてお聞きしました。
――貴社の事業や手掛けるサイトの詳細について教えてください。
石寺: 当社は内田洋行グループの情報関連事業の中核として、民間企業に加え、自治体や学校など教育・福祉関係も含めた幅広いお客様に向けて基幹システムを中心としたITソリューションを提供している会社です。
民間企業の中でも、特に強いのが食品・建設の業界で、この2つの業界のお客様に向けて有識者のコラムや講演レポートを紹介するサイト「食品ITナビ」「建設ITナビ」を6〜7年ほど前に立ち上げました。経営層から経理担当者や業務担当者まで、さまざまな立場の方を想定しながら、DX・会計・人材など幅広いテーマで情報提供を行っており、メールマガジン登録や資料のダウンロードによるリードの獲得をCV(コンバージョン)ポイントとしています。
また、2023年初頭には「建設ITナビ」を、情報サイトと製品プロモーションサイトに切り分けました。それまでは自社サービスの認知を目的として運用してきたものの、読者の増加に伴い、読者ニーズにあわせた切り分けの必要性を感じるようになったためです。情報収集が目的という潜在層の方は情報サイトへ、購入意欲が高い方は製品プロモーションサイトへ誘導する、という切り分けを行いました。情報サイトのCVポイントとして、製品プロモーションサイトへの送客も行っています。
また、Webと並行して「食品ITマガジン」「建設ITマガジン」という冊子も年に4回定期刊行しており、ご希望をいただいたお客様へ郵送しています。バックナンバーはデータでのダウンロードもできますが、直接手元に届く誌面はやはり強く、冊子からサイトへの流入にもつなげられています。
――オンライン・オフラインの両ルートから、食品・建設業界の方々に確実に情報を届けていける体制を作っているのですね。サイト運営は全て内製で行っていたのでしょうか。
石寺: はい。コンテンツマーケティングをやっていこうと決めたときから、「考えたことをスピーディに形にできるよう、小回りが利く体制を作りたい」「自社内でSEOの知識を持ちたい」と思っていたので、外注という選択肢は一度も考えませんでした。
――今回、改めてSEOコンサル会社への外注を検討しようと思われたのは、どのような背景があったのでしょうか。
石寺:支援前は、2つのサイト運営とホワイトペーパーの作成をすべて当課の市原と佐々木が担ってくれていました。手を動かせるのは実質1~2名で、これ以上の作業はリソース的に限界だったことと、また課としても属人化している状況を課題視し、内製化を強化していくことにしました。メンバー全員がSEOに関わる業務を分担できるよう、知見を平準化させていくにあたってプロの伴走支援が欲しいと思ったことが、改めてコンサルを探したきっかけです。
――なるほど。そうした経緯だったのですね。ウィルゲート社の「TACT SEO」活用+SEO内製化支援プランを導入いただいた理由をお伺いできますか。
石寺:自然検索で3社ほどピックアップして検討しましたが、ウィルゲート社に決めた理由の一つは、TACT SEOのツールとしての魅力です。順序立てて作業できるよう作られていて、「初心者でも、必要な指示改善点を自主的に取得しながら使いこなしていけそうだ」と感じました。試用期間に新規記事とリライト記事の両方を回していくイメージを持てたことも大きかったです。
もう一つは、ウィルゲート社の担当者がSEOのノウハウを豊富に持っていると感じたことです。自社でそれなりに長くSEOをやってきた分、それ以上の新しい知見を得られるところにお願いしたい思いがあり、その期待を満たしてくれそうだと感じました。
さらに「1日でも早く成果を出し、自走状態に持っていきたい」という私たちの希望に応じて支援期間なども柔軟に寄り添っていただけるとのことで、TACT SEOの導入と、4ヶ月間のSEO内製化支援プランをお願いすることにしました。
勉強会を活用し、メンバー全員の知見を強化。競合対策も打てるように
――4ヶ月間のうち、印象に残っている支援はありますか?
佐々木:週2回の勉強会にはかなり助けられました。普段は「受けたいセミナーがあっても、日程が合わず受けられない」ということも結構あるのですが、TACT SEOの勉強会は定期的かつ頻繁に開催されているので、参加しやすかったです。キーワード抽出、コンテンツ制作、ドメイン移管、そして内部施策など、短期間に多岐にわたる知識を養う必要があったので、メンバーそれぞれ時間の許す限り参加しようと決めて、知識習得に励みました。
信宗:私はセミナーの講師も務めているのですが、熱心にご参加いただいていたことを覚えています。あの時期は確かに、どの回にも必ず貴社のメンバーの方が受講されていました。
――TACT SEOでの記事作成・修正はどのように進められたのですか?
市原:TACT SEOの使い方は各自で習得していきましたが、もともとサイトの運営を担当していた立場として、私が中心となって進めたものもあります。私が出版や広告業界の出身ということもあり、もともとセールス/コピーライティングの知見はそれなりにあったので、経験の浅いメンバーに対してはライティングに関する研修と、ホワイトペーパーなど制作物を手掛けるためのエディトリアルデザイン研修を課内で自主的に行っていました。
一方で、SEO施策やSEOライティングに関しては知見がなく、ウィルゲート社の支援にかなり助けられましたね。セールス/コピーライティングとSEOライティングでは重視する部分が異なるので、両立は難しいと感じることがしばしばあります。どちらを優先すべきか悩むときは、信宗さんの「どんなに内容が良い記事でも、検索順位を上げないと読まれない」という言葉を思い出し、順位が上がらない記事に関しては、SEOの観点を優先するようにしています。セールス/コピーライティングは読者の意識変容を促すことが目的ですが、まず読んでもらわないことにはそのスタートラインにも立てないので、一つの判断基準になっていますね。
記事作成のペースとしては、当面「全員が月1本、必ず新規記事を書こう」という目標の下で取り組みました。最近は少し流動的になっていますが、メンバーそれぞれが月1本は新規記事を作成し、空き時間を見てリライトもやる、という形が根付いてきています。
――その他、今回の支援を経て変化したことはありますか?
石寺:競合他社ありきの施策を打てるようになりました。食品ITナビも建設ITナビも競合サイトがいくつかあり、どこもSEOを強化していることを感じていました。以前から「うちも頑張らなくては」という気持ちはあったのですが、具体的な競合対策を実行できるようになったことは、今回の支援を経て変化したことの一つです。
70位台から10位以内にジャンプアップしたキーワードも!資料請求やお問合せ数も増加
――成果が出たときのエピソードを教えてください。
石寺:支援前と比較すると、検索ボリュームが2万以上のビッグワードで軒並み3位以内を取れています。
市原:「建設ITナビ」については私から話しますね。多くのワードで検索順位が大きく伸びたことでクリック数も向上しているのですが、特に大きな動きがあったものを挙げるならば、「建設業 働き方改革」は70位台から10位以内に、「建設業 勤怠管理」では30位くらいのところから一気に1位に躍り出ました。検索1ページ目でも、10位と1位ではかなりクリック数に違いが出るのだなと驚きましたね。設定したキーワードのうち、4つに3つは明確にCV獲得にもつながっており、記事作成によって集客アップができています。
田口:「食品ITナビ」でも、同様に関連キーワードで軒並み検索順位が上がりました。「在庫ロス」では6位→1位、「標準原価」では27位→3位、「ロット管理」では20位→3位、中には「生産管理」で69位→9位など、大きくジャンプアップしたキーワードもあります。課の全員で、コンスタントに新規の記事作成やリライトができるようになった成果だと感じていますね。直近では「課題解決」というカテゴリーで記事作成をしていて、関連する記事を内部リンクとして設置することで、サイトの滞在時間や遷移率も向上しています。
市原:既存記事のリライトを同時に着手できるようになってからは、新規記事の追加にだけ注力していた時期と比べると、PV(ページビュー)数が安定するようになりましたね。以前は、時事ネタなどを扱うときに急激なPV数の乱高下がありました。
たとえば、インボイスや食品表示法など法律の改正がある時期に関連記事を出すと、一気に流入が増えるのですが、そのテーマの旬が過ぎると、その記事に引っ張られる形で一気にPV数が落ちていました。時勢に関係なく、必要な知識を得られる一般記事のリライトを行うようになってからは、サイト全体の数字を下支えできるようになり、安定してきた手応えがあります。
――成果につながって本当によかったです。他に得られた成果はありますか?
石寺:当初の計画通り、属人化している状態を脱し、4ヶ月間で内製化を果たせたことです。チームメンバーの全員が記事作成に励める体制になったことに加え、SEOのノウハウも蓄積できてきた実感があります。最近は会議でも「自社のドメインパワーが競合より高いから、このキーワードは狙える」といった具体的な発言が出るようになり、各々が一定の知識を持ってSEO対策を進められるようになりました。
現在は、佐々木主導で記事作成のスケジュールを組んでいますが、以前より計画的に施策が進むようになりましたし、全員がTACT SEOを使いこなせるようになってからは、全体的に作業がスピードアップしています。
――チームで作業を内製できる体制が整うまで、ウィルゲート社の担当者・信宗と岡本はどのような点で貢献できたでしょうか。
市原:私個人としては、SEOの最新情報をいつでも聞ける相手ができたことが有難かったです。気になることがあると随時、質問させてもらい、Googleのスプレッドシートで他のメンバーも見られるよう、Q&Aとしてまとめるようにしていました。
田口:あのシートは、チーム全員の役に立っていたかと思います。私は有用なキーワードリストをいただけたことに特に感謝しています。
信宗:ありがとうございます。SEOはコンテンツを作ればOK、というわけではないので、支援中はいろいろと細かい作業もお願いすることになります。支援当初から市原さんを中心に能動的に情報をキャッチアップしてくださっていたので、「細かい作業もきっちり対応していただける」という信頼感がありましたね。実際に決めた量の施策をこなし、しっかり定点観測もされていて、Googleアップデートのタイミングでもフィードバックを求めてくださいました。成果の出るお客様は前向きな姿勢があることが共通していますが、市原様の前向きな姿勢には個人的に感動しました。
岡本:お一人おひとりがSEOを熱心に学んでくださり、リテラシーが高い状態で取り組んでくださったので、スムーズに施策が進んだ印象です。体制がしっかりしていることも、成果が出た大きな要因だと思います。
石寺:私としては、何かあればプロの目線で意見をくれる人がいる、ということ自体が有難かったですね。これまで、コンテンツマーケティングで何か新しいことをやろうとなったときの相談先がいなかったので、今後についても心強く感じています。
信宗・岡本:ぜひ、いつでもお気軽にご相談ください。
コンテンツマーケティングを内製化できるチームは、それだけで価値がある
――ウィルゲート社の「TACT SEO」活用とSEO内製化支援プランを推薦いただくとしたら、どのような企業や担当者様になるでしょうか?
石寺:「Webプロモーションを内製でしっかりやっていきたい」という企業や担当者の方に勧めたいです。他社の話を聞いていても「自社にわかる人がいないので、全部外注している」という企業、もしくは「内製しているが、特定の社員に属人化している」という企業が大半で、安定的に内製できる状態を作れているところはまだまだ少ない印象です。
チームで内製できる体制を作っておけると、今後何か新たなプロモーション展開をしたいというときに、チームとしての価値や強みにもしていくことができます。一度身に付けたSEOの知見はなくならないものですし、当社の場合は「SEOがわかる」ということ自体が、メンバーたちの自信にもつながっている気がしますね。
――これからの貴社および「食品ITナビ」「建設ITナビ」の目標を教えてください。
石寺:チーム全員が記事を作成でき、メディアの担当者を分担できる状況になったので、今後はさらなる効率化も進めていきたいですし、「建設ITナビ」に続き、「食品ITナビ」でも情報提供サイトと製品プロモーションサイトの切り分けに着手していくつもりです。
当社は「今後より一層食品業界・建設業界にはより注力していこう」という方針を掲げており、今後もこの2つの業界の方々に対して「食品ITナビ」「建設ITナビ」の認知度をいっそう拡大し、信頼関係を醸成していきたいです。読者の方からは「いつも楽しみにしています」「マガジンのここが良かった」「ITナビのこの話を深掘りしてほしい」といった声も読者アンケート経由で届いており、エンゲージメント向上にもつなげられている手応えを得ています。これからも双方の業界のお客様に喜ばれる情報を提供していきたいです。
――内田洋行ITソリューションズ様のさらなる発展を祈念しております。ありがとうございました!