営業部門とマーケティング部門がなかなか上手く連携ができず苦労するというのは、よくある話です。特にWeb上だけで完結しないビジネスモデルのBtoB企業においては切実な問題でしょう。
今回は、営業とマーケティング間の連携が上手くいかない理由と、連携するための解決策ついてご紹介します。
BtoBマーケティングの仕組み
まずは、BtoBマーケティングのリード獲得から受注に至るまでの流れについてご説明します。
一般的にBtoB企業はWeb上でリードを獲得してもそのまま受注に至ることはほぼありません。営業部門へ引き継ぎを行い、営業活動を経て受注に至ります。
「リード育成」と「商談」の間のマーケティング部門から営業部門へ引き継がれるタイミングで連携が必要になります。
この「連携」部分が上手く行かず、溝が生まれてしまう企業が多いのです。
なぜ営業-マーケティング間の連携がうまくいかないのか
ここで、なぜ営業-マーケティング間の連携がうまくいかないのかについて考えてみましょう。
考えられる原因は大きく分けると2つに分類されます。
- 1.根底の考え方の違い
- 2.共通のKPIを持っていない
それぞれについて解説していきたいと思います。
1.根底の考え方の違い
あなたのオフィスではこんな会話が繰り広げられていませんか?
マーケティング:「せっかくコストをかけて獲得してきたリードなのに全然営業がアプローチしてくれない」
営業:「いつもマーケ部門からアプローチしてって供給されるけど、見込みが薄いリードばっかりなんだよな・・・」
お互い会社の売上に貢献しようとする気持ちは同じなのに、部門間でこんな溝が生まれてしまうのは好ましいものではありません。
このような会話が起こってしまうのは、この「リード」に対する感覚がマーケティングと営業で異なることが背景としてあるからです。
リードは「SQL」と「MQL」と呼ばれる2種類に分類できます。
MQL(Marketing Qualified Lead):展示会・セミナー・Web経由のお問合せ等のマーケティング活動によって生み出されるリード
SQLとMQLでは、アプローチ方法も異なります。
しかし、今までSQLの営業活動に慣れている営業部門にとって、MQLはなかなか対応が難しいようです。
2.共通のKPIを持っていない
2つ目の原因は共通のKPI(目標)を持っていないこと。
株式会社シャノンが毎年実施しているアンケートによると、マーケティング部門の評価指標として「リード獲得数」を追っている企業が多いようです。
参考:営業とマーケティングが連携するために共通のKPIを設定するという選択|2014|BtoBマーケティングブログ|顧客管理の株式会社シャノン
しかし、多くの営業部門の指標は「受注金額」だと思います。
これら別々のKPIを追っているとどのようなことが起こるか想像してみてください。
マーケティング部門は「リード獲得数」の目標達成のためにできるだけ多くのリードを低コストで獲得しようとします。
しかし、それらの獲得したリードには見込み客にならないものが含まれている割合も多く、営業部門に供給しても「リードの質が低いから後回し」にされてしまいます。
こうなるとマーケティングと営業の間の溝は一向に埋まらないでしょう。
マーケティングと営業が連携するための解決策
では実際に上手く連携させるには具体的にどのようにしていけばよいのでしょうか。
先にご紹介した原因に対する解決策をご紹介していきます。
1.根底の考え方の違い<解決策>
この問題を解決するには、お互いのことを理解するためのコミュニケーション機会を増やすことが重要です。
- マーケティング部門がどのような施策を何のために行っているのか
- 営業は受注するために何を重視して営業活動を行っているのか
をお互いに理解し、両者にとってメリットのある取組みにするためにはどうしたらいいのか積極的に話すとよいでしょう。
その次のステップとして、営業担当者に案件にアプローチしてみた結果をフィードバックしてもらい、マーケティングのMQL創出基準を見直してみたり、営業のアプローチ方法を変えてみたりすることが必要です。
社内に営業の方が多くて一度にやるのは難しいという場合は、まずは数名のみで実施し、社内プロジェクト化すると推進しやすくなるかもしれません。
実際にこのような取組みを進める場合、共通のKPIを持っておかないとなかなかお互いの目線を合わせて話ができません。
そこで次の解決策に続きます。
2.共通のKPIを持っていない<解決策>
この課題を解決する方法は当然「共通のKPIを持つ」ことなのですが、実際共通のKPIとして設定するには何がふさわしいのでしょうか。
基本的に企業として最も重要なのは「売上金額を上げる」ことであり、営業部門はその数字を追っている場合が多いでしょう。一方BtoBのマーケティング部門は売上に直結するような指標を持っていないことが多いので、KPI設定においては営業部門の指標に歩み寄る必要がありそうです。
マーケティングと営業、どちらも努力によって影響を与えられる部分で、営業の目標である「受注金額」にも貢献できるところ…
「営業のアプローチ後、どれだけ実際の提案に繋げられたか」がベストでしょう。
これは、社内用語や営業フローにより微妙に異なると思いますが、「アポ率」「商談率」「ヨミ化率」などが該当するのではないでしょうか。
わたしたちの場合は営業フローを細分し、各段階の遷移率の一部を営業部門と共通のKPIとしています。
インサイドセールスの起用
また、最近では「インサイドセールス」という役割も注目を浴びるようになってきています。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは、電話や電子メールなどの非対面チャネルを活用して、顧客とコミュニケーションを行なう営業手法。 主に法人を対象にしたB2Bにおいて、新規見込み客の創出、商談機会の醸成、そして、製品販売後の関係熟成といった役割を担う。
出典:ASCII.jp:時代錯誤な営業現場が変わる?インサイドセールス最前線 (1/2)
このインサイドセールスが、マーケティング部門と営業部門の架け橋的存在になってくれるのです。
以下Slide Shareの35-39ページにインサイドセールス導入後、SQLが増加したという成功事例が紹介されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このようなマーケティング部門と営業部門の連携が重要視されるようになったのも、インサイドセールスのような新しい役割が登場したのも、背景には企業の購買行動の変化があります。
57%—that’s how far the average B2B buyer is through the purchase decision before engaging a supplier sales rep.
出典:The Digital Evolution in B2B Marketing | Overview
翻訳すると「57%—これは営業マンが訪問する前にBtoB購買プロセスの決定が行われている率」となります。
インターネットによって、直接営業担当から話を聞かなくても情報収集が容易にできるようになった現在では、訪問などの対面の営業活動の前に、自社の情報に触れてもらうことが重要になっているのです。
営業部門とマーケティング部門の連携に苦労されている方は、
- コミュニケーションをとってお互いの理解を深める事
- 共通のKPIを持つこと
を実践してみてください。
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