「All for students 全ては学生の成長のために。」というビジョンを掲げ、2006年10月に設立された株式会社ビーウェル。学生就活支援事業や学生市場に特化したプロモーション事業・マーケティング事業・コンサルティング事業などを提供している企業です。その子会社であるビーウェルインターナショナルは、韓国の学生人材に特化したサービスを展開すべく2020年に設立された企業です。
同社は創業まもなくコロナ禍の大きな影響を受け、ウィルゲート専務取締役COO吉岡が立ち上げた「ソーシャルセリング」の導入を決めました。これにより、国内企業にとってはまだ馴染みのなかった「韓国の優秀学生層」に興味を持つ企業を急ピッチで開拓でき、渡航制限が続くなかでも多くの採用支援を実現させています。株式会社ビーウェルインターナショナル 代表取締役を務める大亀様にソーシャルセリングを導入した経緯や実施内容、成果や今後の展望について伺いました。
対談者:株式会社ビーウェル/株式会社ビーウェルインターナショナル 代表取締役 大亀雄平様(以下、大亀)
対談者:株式会社ウィルゲート専務取締役COO吉岡 諒(以下、吉岡)
聞き手:ライター 外山ゆひら
【抱えていた課題】
・コロナ禍の打撃を受け、2年以上赤字続き
・対面型人材紹介サービスから切り替えたWebサービス「KOREC」を軌道に乗せたい
・200社掲載を達成し、学生登録者数を増やして売上につなげたい
【導入・活用成果】
・1年間で500社と商談をして200社の掲載を獲得
・100名の採用を支援し、粗利ベースで7,000万円の売上を獲得
・社内マーケティングチームの強化
目次
ソーシャルセリングとは?
ソーシャルセリング(social selling)とは、営業プロセスの中でFacebook/Twitter/Instagram/LinkedInなどソーシャルネットワーキングサービスを活用して見込み顧客との関係性を深めていく営業活動のことです。
コロナ禍の大打撃を受け「Webサービスの垂直立ち上げ」が必須の状況に
-まずは大亀様の経歴についてお聞かせください。
大亀:学生時代にビーウェルを立ち上げ、学生市場を対象としたPR・マーケティング・コンサルティング事業などを手がけてきました。その後「韓国の優秀学生層が日本就職を成功させる窓口を作ってあげたい」と考え、2020年には子会社としてのビーウェルインターナショナルと、現地法人であるビーウェルコリアを設立しています。
きっかけは、韓国で日本への就職を目指す若者が急増しているというニュースを聞いたことでした。興味を持って調べてみると「大学生の就職率が6割」「受験戦争が激しく勉強熱心な学生が多い」「就職先として人気の財閥系企業の景気が軒並み悪く、新卒採用に前向きではない」といった韓国採用マーケットの状況が見えてきました。
実際に現地のいろいろな大学を訪問してみたところ、大変優秀な学生さんが非常に多く、「英語ができる人は海外就職を目指すのがスタンダードになりつつある」「大学生がスキルアップに熱心」という状況を見て、事業としての可能性を見出しました。ビーウェルコリアでは約4,000人の韓国人学生が登録している「日本就職スクール」を経営しており、オフラインで授業を開いたり、面談や日本語の練習をしたりしています。
-2021年8月にソーシャルセリングを導入いただきましたが、当時のビーウェルインターナショナルにはどのような課題があったのでしょうか。
大亀:コロナ禍以前は韓国現地に日本企業を呼んで、「ソウルの優秀な学生50人対企業6社を対面で引き合わせる」といったオフラインの採用イベントをやっていました。しかしコロナ禍ですべてのイベントが吹き飛び、売上や採用の見通しが立たない状況に陥ってしまったのです。
当時は多くの企業が日本人学生の採用すらも控えたタイミングだったので、グローバル人材の採用に目を向ける企業は皆無。オンラインで紹介しても「最終面談だけは日本でやりたい」と仰る企業さんが多く、「トリリンガルの優秀な人材を抱えているのに、入国させることができない!」という状況は本当にきつかったですね。
事業撤退も考えましたが、とはいえ「確実にIT人材が枯渇してくる日本において、日本語が喋れる優秀人材のニーズは絶対来るはず」と見込んでおり、2020年の1年間は対面からWebサービスに切り替えるための立ち上げ準備に注力しよう、と決めました。
そうして2021年3月には「KORECオンライン」というWebサービスをオープンさせましたが、「完全オンライン採用で本当に決まるのか」「メディア掲載してもらえるだろうか」といった点に非常に不安がありました。資金がショートしかけて出資も受け始めていましたし、営業マンをたくさん雇えるわけでもない状況ながら、垂直立ち上げで200社の掲載を目指していました。
ホットリードを次々と獲得している様子を見て、ソーシャルセリングに興味を持った
-ソーシャルセリングに興味を持ったきっかけは。
大亀:吉岡さんとFacebookでつながっており、その投稿を見たのがきっかけです。Facebookを活用し、次々とホットリードを獲得されているのを見て「効率の良いやり方だな」という印象を持ちました。
-導入までに、他のサービスとも比較検討されましたか。
大亀:企業を紹介してくれる経営者マッチングプラットフォームなども検討しましたが、確度の高い経営者に会えるかは不透明。とにかくスピードがもとめられる状況だったので、会うたび説明していては成約に至らない……という無駄なアポイントメントに費やす時間はないと感じていました。
広告やアウトバウンドセールスとも相性が悪かったです。広告を出してもまったく反響がない、テレアポをしてもガチャ切りばかり。日本人の鎖国的な感覚というか、「韓国人学生の採用どうですか?」と言われても、やったことも見たこともないので良い印象を持たれない、ということだったのだろうと思います。
その点、ソーシャルセリングであれば職種ごとに、たとえば「エンジニアやマーケッター足りていませんか?」という見せ方ができるので、本気のニーズのある企業様にスムーズにお話ができそうな仕組みだなと。当社にハマるかどうかはさておき、ぜひやってみたいと思いましたし、吉岡くんに賭けたという感じです(笑)。
吉岡:未経験のことに対するメンタルブロックはありますよね。当社でも少しずつ業務委託採用を始めていますが、開始前は社内でも「正社員でなければうまくいかないだろう」という雰囲気がありました。しかしいざ採用してみると「業務委託、全然いいじゃん!」という感じに変化しています。韓国人学生さんの採用も同様に、1回受け入れが始まりさえすれば「いいじゃん!」となっていくのではと思いました。
大亀さんに話を聞くまではこの領域に知見がなく、「今の韓国はそういう感じなのか」という第一印象でしたが、そういう状況があるのであれば非常に良い人材が採れそうだなと。理系人材やエンジニアなどはどこの会社も喉から手が出るほど欲していますし、企業側の選択肢に上がってきさえすれば、話は進んでいくのではないだろうか、という印象でした。ソーシャルセリングとの相性も良さそうだと感じましたね。
的を絞って打ち出すほど確度の高い顧客に出会えるのが、ソーシャルセリングの魅力
-ソーシャルセリングとの相性が良さそうなサービスだと感じた理由について、教えてください。
吉岡:ソーシャルセリングに向いている経営者様の特徴としては、3つあると考えています。1つ目は「起業歴や社歴が長く、経営者人脈の量も質も持っている人」。2つ目は「経営者自ら楽しんで営業活動をしている人」。そして3つ目は「新規事業や新規サービスの立ち上げやグロースの時期で、経営者が最前線に立って戦わなければならないフェーズにあること」です。
ビーウェルインターナショナル様のケースは、これらをすべて満たしていました。まず大亀様がメッセージを送ったときの、相手側のリアクションが非常に良いです。人懐っこい返信が来ているのを何度も見ましたし、「人徳だなあ、愛されキャラだなあ」と思いながら拝見していました。
大亀:そう言っていただけて嬉しいです。単なるお酒好きなおじさんなのですが(笑)、昔から人と会うことは大好きです。生産性は悪いかもしれませんが、人と会うことを無駄と思わないタイプで、学生起業家など知らない人から営業のメッセージが来ても「この出会いが、もしかしたらビッグビジネスにつながるかもしれない」と思う人間です。
吉岡:またソーシャルセリングは興味を持ってくれた企業や経営者様と一気に商談が始まるので、「 1日に10アポイントメント入る」なんてこともざらにあります。これが嫌になる人もいると思うのですが、楽しみながらやれる人はソーシャルセリングに向いていると思います。この点も大亀さんは満たしていましたよね。
大亀: 30分の小刻みでいろんな人とガンガン喋れるオンライン商談は、私としては楽しすぎたくらいです。社長はトップ営業マンでなくては、と思っていますしね。「前半のKORECの説明は動画を流すのでも良いかな」と思うこともありますが、自分の生声で伝えることには意味があると思っており、初めて出会った人と仲良くなれることを嬉しく思っていました。
吉岡: 大亀さんの人柄、営業力、サービスの内容といったいろいろなところが、うまくソーシャルセリングと絡み合った印象です。KORECが他にないサービスだったことも大きかったように思いますね。企業や経営者陣側に「人材不足を解決する手段として、韓国人材という手段があるのか!」と驚きを持って迎えられ、リードを取ることができた実感があります。あまりにコモディティ化している商品だとソーシャルセリングには向かない印象もあります。
-具体的にどのような支援を受け、その実感としてはいかがでしたか。
大亀:主に「Facebookを活用したソーシャルセリング」「メールマーケティング」「ウェビナー」の3領域で支援をいただきました。
まずFacebookを活用したソーシャルセリングの感想としては、「こんなに見事に刺さるんだ!」という印象です。人脈ネットワークはそれなりに大切にしてきたつもりですが、興味がある経営者や担当者のホットリードをこんなにも取れるのか!と。
特に驚いたのは、「エンジニア採用」ではなく「高い経験値のあるエンジニア採用」などと的を絞れば絞ったほど「それに興味がある」と言ってくれる経営者と出会える点です。不特定多数の経営者とつながれたところでサービスに興味がなければ話は発展しないので、ここがソーシャルセリングの肝であり、非常に芯を捉えた手法だなと思いました。
反応をくれた方々が前のめりで来てくださる分、30分のオンライン商談でバチバチと成約が決まっていきました。この効率の良さは本当に驚きでしたね。エンジニアという見せ方で募集をかけた場合でも、商談前に韓国人材であることは伝えていましたが、「それなら結構です」と言われたケースは1割以下です。ソーシャルセリングは「この職種が欲しい」といったピンポイントのニーズに対するリードが手に入るサービスなのだなと感じました。
メールマーケティングやウェビナーに関しても、効果が出ています。「ウィルゲート社との取り組みのなかで、社内のマーケティングチームを強化したい、いろいろな視点を持たせたい」といった副次的効果を期待していましたが、実際にこの1年間で大きく成長しています。具体的には「リストの精査、文章の精査、クライアント分析、ターゲティングの精査」といった部分を強化できた実感があります。
社長が営業に専念し、社内はプロダクト強化に注力。最高の立ち上げ1年目になった
-ソーシャルセリングの導入により、事業目標は達成できましたか。
大亀:2021年の8月〜12月に導入し、また今年3月から再開していますが、最初に教えてもらった方法で累計500商談を実施できており、そのうち200社の掲載が取れました。この営業活動は私ひとりですべてやりましたし、1年間で500商談をしたと思うと自分でも驚きですが(笑)、当初目標としていた「垂直立ち上げで200社の掲載を決める」を達成できた形です。
売上では粗利の概算で、7,000万円くらいのインパクトがありました。200社に掲載いただいたうちの約100人の内定が成立し、その成約料が売上につながった形です。初期掲載の費用は無料にしていたので、掲載料は含んでいません。掲載社数が少なければ学生の登録会員数も伸びてこないので、このバランスをうまく成立させられるかが一番心配だったのですが、おかげさまで登録者数もガンガン伸ばせています。
コロナ禍で先が見えず、導入前には社内の反対もあったなかで「僕はやり切る!」と言い切った手前、まず自分ができるということを見せたかった……という背景もあります。ソーシャルセリングでどんどんリードが入ってくるので、アポ取りを自分でしなくて良いことにも助けられました。私が営業に集中して、かつそこでの苦戦が一切なかったので、他のメンバーも安心して人材教育やサービス向上、プロダクトのブラッシュアップにリソースを使うことができた。1年目の立ち上げとしては最高に良い形となりました。
-目標掲載社数の達成以外にも、成果として得られたものはありましたか。
大亀:「FacebookやSNSをビジネス利用するかどうか」という点で、また新たな視点がひらけた印象があります。これまでブランディングで使っていた会社は多かったですが、それを一歩先のリアルな営業ツールまで持っていった、という点で、今の時代に合った新しい一手だなと思いました。
また今回の経験で「年間で何人と連絡しているのだろう?」ということも改めて考えました。人付き合いは大切にしてきたつもりですが、活用していなければ宝の持ち腐れだなと。SNSやメールマーケティングをやるなかで、昔の知り合いからメッセージが来るなど、再び出会い直せた人たちがいることも嬉しかったです。
台湾やアジア各国にもサービスを広げ「グローバル採用最大手」を目指す
-今後の大亀様のwillや事業展望についてお聞かせください。
大亀:「グローバル採用最大手」の企業がいない状況なので、そこを獲りにいくことが現在のwillです。コロナ禍は大変でしたが、おかげで「オンラインで面接してオンラインで働ける」という時代になりつつあることは、グローバル人材にとっても非常に追い風で、採用革命が起こったことを実感しています。
日本語が堪能な高度グローバル人材がたまたま韓国にいたので韓国からスタートしましたが、コロナ禍が落ち着いたら台湾拠点もオープンする予定です。その先はアジア諸国での展開も考えています。サブカルチャーの人気や安全な社会というのは今までの日本のレガシーでもあるので、日本就職に興味を持ってくれ、かつ日本語が喋れる優秀層を一気に採りきりたいです。
今後の日本において「人材不足」は絶対的なテーマになってきます。特にIT人材の枯渇は憂慮されており、経済産業省の試算によれば、「2030年までに平均値で45万人、最大で79万人不足する」とも言われています。ソーシャルセリングで一番需要が高かったのもIT人材でした。日本はIT教育がまだ十分ではないので、グローバル採用は今後当たり前になっていくはず。10年後には、社内に多国籍の社員がいるのが当たり前、という社会の姿をイメージしています。
もうひとつのミッションである「日本の若者に刺激を与える活動」にも注力しています。英語も日本語も操ることができ、グローバルな情報を取りに行ける韓国人学生の子たちの生き様や広い視点は、日本の学生たちにも必ず刺激になると思っています。親会社のビーウェルでは日本人学生の就職活動をやっていますが、「これからはグローバル人材と同じ土俵で戦うんだよ、隣の就活生を見ている場合じゃないよ」ということを知ってもらうために、両国の学生さんのオンライン座談会なども頻繁に開催しています。
最後になりますが、ソーシャルセリングにはさらなるサポートを期待しています。今後はより業種や職種を細分化し、ターゲティングを決めながら投稿を出していく予定です!
-これからもよろしくお願いいたします!最後に、ソーシャルセリングの活用を検討している企業様に、アドバイスをいただけますか。
大亀:おそらく導入において一番心配なのは「SNSを活用して営業行為をして良いのだろうか」というメンタルブロックではないかと思います。それでも人にどう思われるかより「自分がどうなりたいのか」のほうが大事だと思うので、課題や目的があるならば思い切ってやってみるべきだと思います。快く思わない方もいらっしゃるかもしれませんが、距離の取り方を再考したりして周囲との関係性を調整しながら、自分の目標を貫く方が大事ではないでしょうか。
吉岡:「自分がどうなりたいのかのほうが大事」というメッセージ、非常に刺さりました。
人にどう思われるかよりも、「自分の人生を生きること」や「自分がお客様に価値貢献できるかどうか」に集中すべきだと私も思います。
大亀:そもそもソーシャルセリングは営業ではない、と私は思っています。プル型営業なので、ある意味で広告みたいなもの。広告が表示されただけで「営業されている」と感じるのは、ちょっと違うのかなと。
しかも普通の広告より踏み込んだ「信用広告」という感覚です。経営者としてのつながりや共通の友達という信用力で「話を聞いてみようかな」という気持ちになってもらいやすい。それを活用できる人脈を持っている経営者さんは、どんどんやってみるといいと思いますね。ソーシャルセリングは、今の時代に合った経営者向けの新しいリード獲得の手法だと思います。尖ったプロダクトを持っている企業、BtoB営業をやっている企業は絶対やったほうがいいと断言できます!
-最高の褒め言葉、ありがとうございました!
まとめ
今回は、株式会社ビーウェルインターナショナルの代表取締役である大亀雄平様にご協力いただき、ソーシャルセリングの活用によって短期間で売上を伸ばした事例をご紹介しました。
自身のネットワークが豊富な方もそうでない方も、ソーシャルセリングを通じて見込みの高い顧客層を獲得し、自社サービスやプロダクトの契約・販売につなげたいとお考えの経営者の方は、ぜひウィルゲートもしくは専務の吉岡までお問い合わせください。
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