リスティング広告などに資金を投入し、アクセス数増を図るプロモーション戦略。多くの企業で採用されているスタンダードな手法であるものの、潤沢な資金が必要だったり、広告単価が上昇した場合に集客コストが増加するといったリスクもあります。

そういった課題を解決すべく、コンテンツマーケティングを取り入れし、アクセス数の大幅アップに成功、適切な運営体制を構築できた事例を紹介します。

株式会社TAG STUDIO様が運営する『派遣サーチ』のPV数は、SEOコンサルティング、記事提供、そして分析ツール「TACT SEO」の導入によって10倍以上にアップ。

大手の競合がひしめくWeb上の「人材派遣」領域において、着実にアクセスを集めています。その舞台裏について、同社の代表取締役・石橋知幸氏と、メディアプランナー・I氏にお話を伺いました。

（お話を伺った株式会社TAG STUDIOの代表取締役・石橋知幸氏（左）と、メディアプランナー・I氏（右））
（聞き手：株式会社ウィルゲートの堀口大和）

大手の競合がひしめく領域では、広告経由の流入だけでは厳しい

ー株式会社TAG STUDIO様は、複数のメディア運営している会社です。まず事業内容について、あらためて教えていただけますでしょうか。

石橋氏：ひとつが、転職エージェントや転職サイトの比較ランキングなどを紹介する、『転職ファインダー』の運営です。

もうひとつが、複数のサイトから情報を集めてひとまとめで掲載する、いわゆるアグリケーションメディアの運営。人材派遣領域で幅広い情報発信やサービス提供している『派遣サーチ』がこれにあたります。このサイトでは、人材派遣に関する独自のコラム記事も多数掲載中です。

I氏：当社の事業フィールドは、人材分野だけではありません。2020年6月24日には、パーソナルジム・トレーナー検索サイト『ベストレ』をリリースしました。

堀口：当社の「TACT SEO」は、SEO対策に必要な分析機能をひとまとめにしたツールです。クライアント様のサイトだけでなく、競合サイトの分析も行った上でSEO関連の課題を洗い出し、改善策を提示。専門的な知識を有するコンサルタントでも3時間以上かかる分析を、わずか数十分で自動的に行うことができるのです。

（「派遣サーチ」に掲載されている記事。働き方、法令、各業種の基礎知識など、幅広い情報を発信している）

ーそもそも、御社がこのツールを導入するきっかけになったのは何だったのでしょうか。

I氏：「派遣」は、大手の競合がひしめき、大手企業が運営する有名サイトも多い領域。広告出稿サイトも多く、広告に掛かる費用も高くなりがちです。

そのため、一定の資金力が必要な広告だけではなく、SEO対策をしてオーガニック検索(広告経由ではない自然検索)からの流入を増やさなければ、とうてい太刀打ちできません。

また、社内に何となく蓄積されていたSEOに関するノウハウを体系化したいとも考えていました。そんな中、以前からお付き合いのあったウィルゲートさんの「TACT SEO」に興味を抱きました。

コスパの高さ、内製化のしやすさ、使いやすさ。この3つが決め手となって「TACT SEO」を導入

ー「TACT SEO」を導入するまで、SEO対策はどのように行っていたのでしょう？

石橋氏：社内のSEO対策が得意な人がやる、という属人的なスタイルでした。

堀口：そういった背景から、SEOに関するノウハウの体系化を図りたいと考えられたんですね。ちなみに、「TACT SEO」の導入を決める際、他社のサービスとの比較検討はされましたでしょうか？

石橋氏：はい。御社のほかに、何社かお話を伺いました。その中から「TACT SEO」を選んだのは、大きく3つの決め手がありました。

まず、他社と比べコストパフォーマンスが圧倒的に高かったことです。

次に、早い時点で自分たちでSEO対策ができるようになるということ。2～3年間コンサルタントのサポートを受けながら仕組みをつくる他社と違い、御社の提案は、最初はコンサルタントの方にサポートしてもらいながら「TACT SEO」を使い、ゆくゆくは当社だけでSEOが実行できる体制を構築できるというものでした。SEOに関するノウハウの体系化という目的があったので、こういった内製化しやすい点に魅力を感じたのです。

そのほか、ツールの使いやすさも決め手のひとつでした。

I氏：実際、SEO対策の知見がまったくなかった私でも、1ヵ月ほどで「TACT SEO」を使いこなせるようになりました。画面を見て直感的に操作できるのが、とてもありがたかったです。

アクティブユーザーの推移も、個人的には「Googleアナリティクス」よりも見やすいと感じました。気が付けば、アクセス数のチェックなども「TACT SEO」で行うようになっていました。

「TACT SEO」で分析を行い、キーワードを抽出！それをもとに、コンテンツのリライトを繰り返す

石橋氏：施策として最初にご提案いただいたのが、求人一覧ページの改善でした。『派遣サーチ』は他の求人サイトから求人記事を集約して掲載しているので、本来アクセスを集めやすい求人一覧ページが掲載元の求人サイトと重複するような内容になってしまい、SEO効果を高めにくいという性質があります。

そこで、求人一覧ページに表示される各求人記事の文章を特定のアルゴリズムに従って掲載元と重複しないように表示させる、というアイデアをいただきました。

堀口：しかし、『派遣サーチ』のシステムの都合上、この施策の実施の難易度が高いことが分かりました。

その上でご提案したのが、当社が得意とする記事によるコンテンツマーケティング。新規に記事を作成させていただき、さらに既存ページのリライトを行うことで、集客を強化することにしました。

私が先輩からコンサル担当を引き継ぎ、私がお二人に初めてお会いしたのは、2019年の10月頃。すでに、「TACT SEO」を活用した施策がある程度進んでいる段階でした。最初の頃は緊張して汗ばかりかいていたのを思い出します。

石橋氏：冬なのに、汗びっしょりでしたよね(笑)。

I氏：分からないことが出てきたときには、堀口さんがすぐにチャットなどで疑問を解決してくれたので、非常に心強かったです。

堀口さんに教えてもらいながら「TACT SEO」でキーワードを抽出し、コンテンツにキーワードを埋め込むためのリライトを実施しました。リライトだけでなく、キーワードをもとに追加コンテンツの企画なども行いました。

堀口：「TACT SEO」の使い方だけでなく、すでに一定数の効果が出ているコンテンツに対しては、サイト内の回遊率の向上を目指した施策を提案。

具体的には、コンテンツ内に目次や内部リンクを設置し、ユーザーが欲しい情報にスピーディにアクセスできるよう改善をお願いしました。

導入前と比べて、PV数が10倍以上にアップ！リライト業務の効率化も実現

ー「TACT SEO」の導入によって、具体的にどんな効果が得られましたか？

I氏：「TACT SEO」による分析をもとに、コンテンツのリライトを重ねていった結果、アクセス数がぐんぐんアップ。SEO対策は結果が出るまでに3ヵ月ほどかかるというのが定説なのですが、想像以上に早く効果が表れました。

ちなみにここ数ヵ月間は、「TACT SEO」導入前の10倍以上のPV数をキープできています。

石橋氏：そうやって効果が着実に数字に表れたときは、本当にうれしかったです。ユーザーの検索キーワードを意識してコンテンツ制作を行わなければいけないなど、コンテンツマーケティングの重要さを認識できたことが大きな収穫でした。

たくさんの人々に届くメディアに育てるためには、その点をしっかり理解した上で、企画やサービスに落とし込むことが大切だと気付かされました。

SEOに関するノウハウの体系化を実現できたことも、大きなメリットです。

I氏：ノウハウの体系化によって、私が「TACT SEO」の分析でキーワードを抽出し、それをもとにライターにリライトを依頼するというスキームを組むことができたのです。

ライターさんと協力して効率よく施策を進めることができるようになり、パーソナルジム・トレーナー検索サイト『ベストレ』の立ち上げに注力できるようになったりと、

「TACT SEO」のおかげで、仕事の幅を広げることもできました。

石橋氏「ツールの使い方だけでなく、多岐にわたって提案いただいたのでとても助かりました」
I氏「記事をリライトするたびにアクセスや検索順位が伸び、早い段階で手応えを感じました」

次はコンバージョン率の向上を実現し、多くの人の意思決定を支援していきたい

堀口：大手の競合と戦わなければならない「派遣」の領域において、一定の成果を挙げられたのは「TACT SEO」だけの力ではありません。当社の提案をスピーディに実行に移し、PDCAサイクルをどんどんまわしてくださった御社のおかげだと感じています。

ーでは最後に、今後の目標や展望を聞かせてください。

I氏：PV数は想像以上に伸び、目標を大幅に上回る結果になりました。次は、ウィルゲートさんと一緒にコンバージョン率の向上を目指していきます。

石橋氏：当社が掲げるミッションは、「“これがいい”をふやす」。つまり、より価値のあるコンテンツを提供することで、「これがいい」「これが知りたかった」というきっかけを創出し、ユーザーの意思決定をサポートしていきたいと考えています。

それによって、多くの人の人生を“ちょっぴり”豊かにすることができたら、これほどうれしいことはありません。

（担当コンサルタント　堀口大和）

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