「私たちは世界の人々の自己を実現したいという欲求に対して、社会の仕組みをDesignすることで、大きく有益なImpactを与えます」というミッションを掲げ、2008年に設立された株式会社リーディングマーク。独自のPersonality Tech「ミキワメ」「ミキワメ ウェルビーイング」を活用した「適性検査」「パルスサーベイ」「新卒採用支援」の事業を展開。延べ、2,500社以上の企業の採用を支援している企業です。
オフラインの就活マッチングイベントを主力にしていた同社は、コロナ禍で大きな打撃を受けました。社員一丸となって新製品を立ち上げ、その後、ウィルゲート専務取締役COOの吉岡が立ち上げたソーシャルセリングの導入を決定。現在進行形で、年間約600件の新規リードを獲得されています。
代表の飯田様にソーシャルセリングを導入した経緯や実施内容、成果や今後の展望について伺いました。
株式会社リーディングマーク 代表取締役社長 飯田 悠司様(以下、飯田)
株式会社ウィルゲート専務取締役COO 吉岡 諒(以下、吉岡)
【抱えていた課題】
・自社新規プロダクト「ミキワメ」の事業を軌道に乗せたい
・広告費用をあまりかけずに、製品の体験利用に誘導したい
【導入・活用成果】
・年間約600件の新規リードを獲得(※2021年、2022年実績)
・認知が向上し、過去の商談経由でも契約を獲得
・自社名やプロダクト名での指名検索の数が増加
ソーシャルセリングとは?
ソーシャルセリング(social selling)とは、営業プロセスの中でFacebook/X(旧Twitter)/Instagram/LinkedInなどソーシャルネットワーキングサービスを活用して見込み顧客との関係性を深めていく営業活動のことです。
目次
コロナ禍の影響で売上7割減となるも「1人もリストラせずに乗り切ろう」と決意
―まずは飯田様の経歴についてお聞かせください。
飯田:大学3年次の就職活動中、「どれだけの社会人の方が仕事にやりがいを感じているのか」に疑問を覚えるようになり、アルバイトで貯めた資金を元手に学生起業をしました。以来、HR周りのサービスの開発を手がけています。
最初に立ち上げたのは、履歴書の代わりに動画で応募できる学生と企業を結ぶ動画マッチングサイト「レクミー」(※)です。しかし自己紹介動画で人柄を伝えるのは予想以上に難しく、システムを作り上げたもののリリースは断念することに。VCから資本を集めていましたし、学生と企業のネットワークは獲得できていたので、それを活かして就活イベントやコンサルティングを行う事業を立ち上げ、この事業を軸にマネタイズをしていました。
また並行して、2018年頃からは採用のミスマッチを防ぐことを目的とした「ミキワメ適性検査」というプロダクトの開発も進めていました。本質的に候補者の性格や心の状態をひと目で、定量的に可視化できるツールがあれば、採用マネジメントや候補者の意思決定の質の向上にもつながるだろう、と考えたことが開発のきっかけです。
(※)2021年9月にブランド統合し、日本最大級の優秀層就活支援サービス「ミキワメ採用支援」に名称変更。
―2021年6月にソーシャルセリングを導入いただきましたが、当時のご状況を教えてください。
飯田:2019年までは年間300本以上のイベントを打っていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響でリアルなイベントが行えなくなり、売上7割減という危機的な状況に。そのような中、2020年4月に「ミキワメ適性検査」をリリースし、このサービスを軌道に乗せるため、どんな打ち手を打つべきか必死で考えました。
しかし、2020年は多くの企業が採用計画を中止・変更した年です。リリース初月の売上は1社のみで、どんなに前向きなシミュレーションをしてみても「世の中がこの状態のときに、新しい採用関連サービスを導入する企業はいないな」という絶望的な状況に陥りました。その時点で当社が持っている唯一のカードはメンバーのポテンシャルだという結論に至り、「リストラしてもどうせ赤字になるなら、絶対に1人のメンバーもリストラしないぞ」ということを決意しました。
この意思決定がターニングポイントとなり、全員で一丸となって「ウィズコロナ時代の新しい当たり前を作り上げていこう」とコミットできる状況に。それまでリアルで行っていたイベントをオンライン化する取り組みに着手し、最初の緊急事態宣言が始まった1週間後には動画配信をスタート。2か月後には業界最速で、大規模なオンライン就活イベントを実現することができました。多くの就活生が就活の足止めを食らっていた時期ということもあり、1.5万人以上もの学生を集客できたのです。
それから15か月間、 全力を挙げて営業して「ミキワメを立ち上げるぞ!」と士気高く皆で取り組んだ結果、一時の危機的状況をなんとか乗り越えられたのが2021年の春です。社内も「再び成長軌道に乗っていくぞ」という気運になっていました。
決裁者へのダイレクトリーチが最重要と考え、ソーシャルセリングに注目
―2021年春頃には、どのような課題があったのでしょうか。
飯田:2020年に比べれば改善していましたが、企業のコロナ禍の傷はまだまだ癒えていない頃でした。「この状況では広告費をバンバン使えない」という気持ちもありましたし、外出制限があり、経営者一人ひとりとの交流の場をセッティングするのもハードルが高かった時期です。
契約数に少し伸び悩みの兆候も感じるようになり、「一気に多くの人に注目してもらい、知名度を上げていく方法はないか」と探しているタイミングで、吉岡さんからソーシャルセリングのアイデアを伺いまして。吉岡さんとは以前からつながりがあり、たまたまお会いできたタイミングで話を聞いたのですが、こういう考え方もあるのだなと興味を持ちました。
吉岡:リーディングマークさんには、ソーシャルセリングを立ち上げたかなり初期の頃にご契約をいただいています。
―前例も少ない中、導入の決め手は、どのような点だったのでしょうか。
飯田:「ミキワメ」は人事や組織に関心が高い人向けのプロダクトです。経営者や最終決裁者と直接話ができることが重要だと考えていたので、ソーシャルセリングはその層にダイレクトにアプローチができる点が一番の魅力でした。
「ミキワメ」は今までのマーケットにない概念ということもあり、口コミで広がることが多いサービスです。「今までの適性検査とどう違うの?」という質問もよくいただきます。しっかり説明すれば活用のイメージを持っていただけるものの、そこに至るまでの場づくりが難しい。ですので、まずは1か月間の無料トライアル期間を設けており、終了後に、本格的な商談をさせていただく流れにしています。
トライアルで使ってくださったお客様の過半数が契約くださるので、「きっかけさえ作ることができ、一度使っていただければ気に入っていただける」という自信はありました。まずは「体験してみる価値がある」と思っていただく、そのきっかけを求めて支援をお願いした形です。
―吉岡さんとして、「ミキワメ」の第一印象はいかがでしたか。
吉岡:率直に言って、今の時代にめちゃくちゃ必要なサービスだなと思いましたね。以前から「ミキワメ」を愛用している人たちがガンガン勧めていたので、良いプロダクトなのだろうなとは感じていましたが、私も実際に使わせていただいてよくわかりました。入社前の段階で、社員の志向や性格と企業側の社風とのマッチングができ、しかもわかりやすくアウトプットできる。ウィズコロナ時代の組織づくりに役立つ、非常に良いツールだと感じました。
常に新しいチャンスを得られるのもソーシャルセリングの魅力。毎年約600リードを獲得
―具体的にどのような支援を行ったのでしょうか。
吉岡:飯田さんの投稿の改善を行ったり、経営者層の繋がりを増やせるようなご支援をさせていただきました。
飯田:ありがとうございます。「コロナ時代の採用の考え方」「人事のための心理学入門」など、その時々のトレンドに合わせ、興味を持ってもらえるような内容を意識していました。
―特に成功した取り組みはありますか?
飯田: 一番インパクトが大きかったのは著名な社長の勉強会動画です。新規で170リードを獲得できました。
また、印象に残っているのは、2022年1月に第1回を開催した「みんなのHR博覧会 byミキワメ」の告知ですね。オンラインで、定員4,000名という大規模な勉強会をやってみようという初の取り組みだったのですが、大々的に宣伝ができ、多数のご参加をいただきました。
―吉岡のアドバイスで役に立っているものはありますか?
飯田:今に至るまでよくご指摘をいただいているのは、訴求をシンプルにすることの重要性です。プロダクトを詳細に説明したいと思い、ついつい複雑な見せ方になってしまう傾向があるようです。そもそも他者から複雑に見えやすいプロダクトなので、忙しい経営者の方々に興味を持っていただくには、できるだけシンプルに訴求することが大事である、ということを、繰り返し助言いただいています。
―ソーシャルセリングの導入により、事業目標は達成できましたか。
飯田:はい。「契約1期間(4か月間)につき200リード」を目標に掲げてやってきましたが、全期間でその数字を達成できています。年間で換算すると、約600件の新規リードを取れている形ですね。最新データでは、200件リードを獲得した先の商談化率が15%、トライアル検討率が40%、そこから最終的な受注率が30%という数字です。リードからの受注率は2%となります。
―そのほか支援の成果として得られたものはありましたか。
飯田:まず支援前に期待していた通り、経営者の方にダイレクトにアプローチできることに大変価値を感じています。プロダクトの認知が広がったことで、過去に商談で終わっていたお客様からご契約をいただいたり、指名検索の数が増えたりもしていますし、「ミキワメさんのコンテンツを拝見しました!」などと声をかけていただく機会もかなり増えてきています。
加えて、私が感じているソーシャルセリングの一番すごいところは「常にチャンスが存在し続ける」という点です。支援前は「すぐに弾切れになってしまうのではないか」と少し心配していたのですが、吉岡さんのネットワークが進化しているので、新しいリードが獲得できています。
吉岡:ありがとうございます。リーディングマークさんにはいつも時流に合った魅力的なコンテンツを迅速に作成いただいており、ネタが尽きないからこそ、反応が続いているのだと思います。
飯田:ソーシャルセリングは一見、飛び道具のように見えるかもしれませんが、マーケティングのセオリーに従ってしっかりPDCAを回している科学的なアプローチだなと。その点に大変感心しています。
吉岡:ソーシャルセリングだけでも約100社の支援をさせていただいていますが、私自身が手を動かしているので、手触り感があることもPDCAをしっかり回せている理由かもしれません。お客様同士でリードを獲得し合うような形を作れているので、いろいろな方にWIN-WINになる情報やサービスを提供していきたい思いもありますね。
自社の活用ノウハウを発信し、「AI×HR=ミキワメ」の認識を浸透させていきたい
―最後に、今後の飯田様のWILLや事業展望についてお聞かせください。
飯田:まず、自社で「ミキワメ」を使いこなし、「先進的な人事をやっている企業」という認知を持っていただける状態を作っていきたいです。支援をお願いした当初は社員数40〜50名の会社でしたが、現在は100名を超え、組織としてより進化しなければならないフェーズに来ています。自社の組織課題もたくさんありますし、「自分たちでそれをどう乗り越えていけたか」ということが有力なノウハウになると考えているので、しっかり言語化していきたいですね。
吉岡:自社でやっていることは、対外的な説得力が増しますよね。当社もSEOマーケティングで常に検索トップを取れていることで信頼をいただけるケースが多く、社内での活用事例が一番のブランディングになると思っています。
「ミキワメ」にはChatGPTの機能も既に搭載されているので、「リーディングマークはこう使っているよ、今のうちに理解しておいた方がいいですよ!」という流れで、ChatGPTの勉強会などにつなげられたら最高ですよね。
飯田:ChatGPTにはかなり早くから着目していました。「AI×HR=ミキワメ」の認識を浸透させていくことは、今後のビジョンの一つです。
吉岡:直近では「ChatGPT×人事」の資料配布も100リード獲得し、当たり投稿になりました。時代の転換点としてChatGPTが話題になり始めたタイミングで、情報を知りたい人がめちゃくちゃ多かったのだろうと思います。
飯田:ありがとうございます。これからも時代に先駆けた資料づくりやセミナー企画に力を入れていきたいです。
―最後に、これから活用を検討している企業様、活用を始めたばかりの企業様に成果につなげるためのアドバイスをいただけますか。
飯田:まず、経営者層へのリーチが取りたい人には特におすすめです。当社は先日8期目(3年目)の支援をお願いさせていただいたところですが、「長く取り組んでも成果が出続けるサービスである」という点を強く伝えたいです。併せて「1〜2期目ですぐに成果が出なくても諦めない方がいい」ということも伝えたいですね。当社もブレイクスルーが起こったのは2〜3期目だったと記憶しています。
吉岡: 「こんなプロダクトあります、商談をしたいです」という発信では、話を聞きたいと思っていただくのはなかなか難しいので、どんな切り口で募集をかけるかは、リード獲得において非常に重要です。リーディングマークさんもそのあたりの感覚を徐々に掴んでコンテンツをブラッシュアップしていただき、成果にもレバレッジがかかってきた印象です。
飯田:ソーシャルの営業活動も積み重ねだな、ということも実感しています。吉岡さんから”やるべきこと”としてご提示いただいていることの中にも、やれていないことがまだまだたくさんあるので、しっかり取り組んでいきたいです。
ソーシャルセリングというマーケティング手法は一つのジャンルとして形成されつつあると感じているので、テキスト化・体系化されていき、社員皆でソーシャルセリングをやれたら、全員の力を合わせてスイングできないか……なんてことも夢想しています。
―ご期待いただけていることに感謝します。当社としてもご支援内容をさらにブラッシュアップしていくとともに、「ミキワメ」のさらなる普及に寄与していければと存じます。本日はありがとうございました!
まとめ
今回は、株式会社リーディングマークの代表取締役社長である飯田悠司様にご協力いただき、ソーシャルセリングの活用によって新製品の認知向上を図り、多くの新規リードを獲得できた事例をご紹介しました。
自身のネットワークが豊富かどうかに関わらず、ご支援は可能です。ソーシャルセリングを通じて見込みの高い顧客層を獲得し、自社サービスやプロダクトの契約・販売につなげたいとお考えの経営者の方は、ウィルゲートもしくは専務の吉岡までお問い合わせください。
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