検索エンジンマーケティングを成功させるうえでGoogleが何を評価しているかをしっかりと理解することは重要ですが、アルゴリズムは日々目まぐるしく変化をしており正しい理解をするのも困難な時代になっています。
Googleで上位表示されるために避けて通ることのできないのが「被リンク」についての議論です。
「もう外部リンクは評価されない!?」
「外部リンクは悪である!?」
という極端な意見もWeb上には存在しています。
皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
SEO関連の情報はGoogleの公式情報だけでなく、さまざまな考察がネット上に玉石混交で発信されている状況であり、SEOの方針を決めるにあたり振り回されてしまい疲弊してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事ではそんな方の疑問に答えるとともに、これからのSEOに求められる運用手法をご紹介します。
SEOにおける外部リンクの重要性はまだ高い?
結論から申し上げます。SEOにおける外部リンクの重要性は依然として高いです。
ページの内容(コンテンツ)が上位表示を目指す要素として重要性を増していることは事実ですが、依然として外部リンクは上位表示を目指す上での大切なファクターでありその重要性はGoogleも認めています。
※以前こちらの記事でもその件は取り上げています。
以下、上記記事の引用です。
実際、2016年3月にはGoogleのSearch Quality Senior StrategistであるAndrey Lipattsev氏は、ランキングファクターの中で重要なものの第3位をRankBrainとしており、TOP2をリンクまたはコンテンツだとしています。
補足:State of Search 2017 カンファレンスでGoogleのゲイリー・イリェーシュ氏が、上記についてコメントを発しています。
あるクエリにおいては、リンクがとても重要な場合もあるが、リンクが完全にゼロでも上位表示しているサイトもある。数百のアルゴリズムがある中で、どのアルゴリズムが重要になってくるかはクエリによって変わることから、何が一番重要だと決めることは意味がない。
つまり、優先順位は状況によって変わるということです。しかし、リンクとコンテンツが重要であることは変わりはないと解釈しましょう。
つまり、検索エンジン経由でトラフィックを獲得したいのであれば、読者にとって良質なコンテンツを配信すると同時に、外部サイトから如何にリンクを集めるかも視野に入れる必要があります。
また、上記のような話をすると、「ユーザーを思って良いコンテンツを作ればリンクは勝手に集まるはずだ」という意見もでてきます。
確かに一理あると思いますが、それは「いい商品を作れば勝手に売れるはずだ」という意見に近しく、リンクを獲得するために良いコンテンツを作るということは必要条件になりますが、何もせずともリンクが自然と集まるものではありません。
「長く運営すれば自然とリンクが集まる」は間違い?
「サイトを運営していれば自然にリンクは集まる」と良く言われますが運営しているだけで、自然に大量のリンクが獲得できるというのは珍しいケースです。
弊社運営の「暮らしニスタ※」は、工夫を凝らした結果、多くのリンクが自然に集まっています。分かりやすくご説明するために、一定条件(ドメイン運用歴がほぼ同一でドメインの強さが近いサイト)を満たした、暮らしニスタのビジネスモデルと近いサイトを例に比較します。
※サイト名は伏せさせていただくとともに、サイトボリュームも異なることご理解ください
主婦層を中心に全国の生活の達人が教える生活実用のアイデアが満載のサイトです。株式会社主婦の友社と株式会社ウィルゲートが共同で運営するメディアです。
被リンク数の調査は、おなじみのahrefsを使用しました。
※ahrefsをご存じない方はこちらも参考にしてください。
▼比較対象の情報メディア
被リンク数:3,630
被リンクドメイン数:295
▼弊社運営「暮らしニスタ」
被リンク数:101,000
被リンクドメイン数:1,020
となっております。
このように、ドメイン運用歴が同じ年数であっても獲得できるリンクの本数に大きな差をつけることは可能です。
では、リンク本位でなく、あくまでも読者の価値を優先し自然にリンクが集める仕組みはどのように構築できるのでしょうか。
本記事稿では、暮らしニスタを含め、各種サイトの事例を基にどのようなコンテンツに対しどのようなリンクが集まったのか、その工夫の一端を紹介します。リンク獲得の仕組みを理解いただき、皆さんの今後のサイト運営に活かしていただけたらと思います。
リンクビルディングの手法を一挙公開
リンクビルディングの手法について以下の7つをご紹介します。
- ブロガー引用
- ニュースサイト/プレスリリース
- キュレーションサイト
- はてなブックマーク
- 寄稿
- 取材
それぞれに対し、誰がどのようなメリットを感じたからリンクが設置されたのかも意識してご覧いただけたらと思います。
ブロガー引用
ブログ運営者が自身のブログのネタとして他サイトの情報を引用するパターンです。
各ブログ運営者も自分自身で一次情報を入手することが困難である場合、他社サイトから情報を引用し自身のブログで紹介することがあります。
例)個人ブログに掲載された事例(暮らしニスタ)
ニュースサイト/プレスリリース
ニュースサイトやプレスリリースに自社サイトの記事を配信してリンク獲得をする方法です。ただし、通常のニュースサイトやプレスリリースに配信するだけではリンク獲得とは言えません。なぜならそういったサイトからのリンクは「no follow」になっていることが多く、リンクはついてもSEO的な効果はないためです。
しかし、ニュースサイトやプレスリリースへの配信を起点に提携メディアに取り上げられることによりリンク獲得ができることがあります。そうしたメディアの中にはリンクをDofollowにしているものがあり、SEO効果のあるリンク獲得ができます。
プレスリリースに直接的なリンク効果を求めるのではなく、プレスリリース記事が起点となる波及効果が期待できる手法です。
キュレーションサイト
4つ目はキュレーションサイト内での引用です。2016年末にいくつかのキュレーションサイトに問題があったことが露見されてから、キュレーションという響きに嫌悪感を示される方も、もしかしたらいるかもしれませんが、本来キュレーションというのはユーザーのニーズに合わせて情報を適切に組み合わせて届けることであり、ユーザー目線なコンテンツのあり方の一つとも言えます。
そしてキュレーション記事を作るライターは当然ユーザーに信頼できる情報を提示したいので、信頼できる情報元から記事をまとめて引用元の記載をします。それによってリンクを獲得することができます。
はてなブックマーク
5つ目ははてなブックマークによるリンク獲得です。FacebookやTwitterのようなSNSはnofollowがついているためどれだけ拡散してもSEO効果は得られないのですが、はてなブックマークはSNSで数少ないdofollowリンクを獲得することができます。
また、はてなブックマークに投稿するだけで単純に露出が増えるかというともちろんそんなこともなく、はてなブックマークユーザーの好みや、いわゆる「バズりやすさ」を意識したコンテンツ設計が必要となります。
詳細のルールは公開されていないのですが、新規ページが1日に一定数を超えてブックマークをされると、新着ニュースにエントリーされます。これでも集客が期待できるのですが、更に一定数のブックマークを超えて人気エントリーに掲載されると拡散力が倍増します。
寄稿
6つ目の手法は寄稿によるリンク獲得です。自社サイトへのコラムなどの執筆を外部の方に依頼し、執筆者のブログからリンクを貰う方法です。
執筆者も優良企業のWebサイトに自分の書いた記事が掲載されていることを外部にアピールすることができるため、寄稿者さえ見つかれば、リンクの獲得難易度は比較的低い手法です。
ただし重複コンテンツには注意が必要です。ブログ内の記事と寄稿する記事が重複してしまうとSEOでマイナス評価になることがあるので事前に調整しましょう。
例)夜行バスの予約サイト「バスサガス※」の例
※バスサガスとは(2017年9月1日より株式会社エボラブルアジアにて運営)
弊社、株式会社ウィルゲートが2017年8月31日まで運営していた全国の夜行・高速バスの価格や口コミなど様々な情報を提供し、最適なバスの予約ができるサイトです。本事例は弊社運営時の施策となります。
取材(インタビュー)
最後にご紹介するのは取材によるリンク獲得です。取材を行い記事にすることで取材を受けてくれた方からリンクを獲得する方法です。取り組み先を見つけるハードルですが、上述の寄稿は定期的に投稿してもらうことになるため若干障壁が高いのに対し、取材は単発の施策で終わらせることができるため障壁は低くなります。
こちらも寄稿と同様に取材を受けてくれた人に対して自身のブログやWebサイトからリンクを張ってもらうように依頼します。
まとめ
ここでご紹介した例はあくまで一例に過ぎず、これ以外にもリンクの獲得経路は数多く存在します。
Googleが昔から大切にしている「多くのサイトから指示されているサイトはユーザーにとって有益なサイトである」という原理は変わっていません。
つまり、誰に対し、どのように役立つのかを発想の起点にすることでリンクがなぜ獲得できるのかを理解することができるかと思います。
コンテンツマーケティングやSEOをやろうとしている皆さんも、ぜひこの事は念頭においてチャレンジしてみてください。
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