様々なWebマーケティング手法が新たに登場し目まぐるしく変化する中、依然としてSEOの重要性は非常に高く、「上位表示されるためにはどうすればいいのか」というテーマは、共通の関心事ではないでしょうか。
Google(日本版)が2000年に登場してから約17年が経過しますが、上位表示のアルゴリズムは今もなお時代にあわせ変化し続けており、それについて説明している膨大な量の情報が流通しています。
そのような中、Googleは「リンクとコンテンツが重要である」と公表しております。
※以前こちらの記事でも触れております。
前者のリンクについては、「集めると評価が高まり上位表示される」という考えは広く普及しておりますが、その影響範囲が外部リンクのみに適応されるという認識に偏重しているように感じます。それは誤った理解であり、適応範囲は外部リンクだけではなく内部リンクも含まれるのです。
本記事は、リンクの中でも「内部リンク」に絞り、その本質に迫るとともに事例を通し設計方法をご紹介させていただきます。
また、「外部リンク」と「コンテンツ」については他の記事にて紹介しており、本記事末にてご紹介しておりますので合わせてご確認ください。
リンクによって何の要素が高まるのか?
リンクによってそもそも何の要素が高まるのでしょうか?
「SEOの評価が高まる」という漠然とした認識は一般的に普及していますが、具体的には理解されていないように思いますので、まずはその要素についてご説明させていただきます。
リンクによって高まる要素は、
②関連性の向上
の2つであり、Googleが設立当時からアルゴリズムの重要なポイントとして今も変わっていません。
以降、一つずつご紹介いたします。
PRの受け渡し
PRは「ページからページへ、そのページからまた他のページへ」とリンクを辿って伝わります。そのため、
B 内部リンクよって上位表示させたいページへ波及させる
という流れを意識した設計が重要となります。
Bを最適化しても、Aがないとサイト内のPR総量は増えませんし、逆にAが最適化されていても受け皿となるBがないとその力は十分に発揮されないため、AとBの両方を対策する必要があります。
Aについては冒頭でも紹介させていただいた他記事で手法を解説させていただいておりますので本項では、Bの「内部リンクよって上位表示させたいページへ波及させる」にフォーカスします。
PRが伝わるメカニズム
特定のページに集まっているPR(この場合はTOPページ)は、そのページからの発リンク数で割った値がリンク1本あたりのPRとしてリンク先に伝わっていきます。
これをイメージで示したのが下図となり、上位表示させたいディレクトリは第三階層と仮定します。
TOPが保有しているPR100が発リンク数50で除されPR2(A)が一つ下のページに伝わっていきます。そしてそのPR2が再度発リンク数50で除され次に伝わるPRは0.04(B)となります。
これに対して、(C)のようにTOPページから直接リンクをした場合だと伝わるPRは2となり(B)0.04の50倍となります。
これらは上から下へ伝わるケースでしたが、下から上へ伝わる考え方も重要です。通常下層にいけばいくほど保有ページ数は多くなり、1本当たりPRは弱くとも多量の本数を獲得できるためとても重要です。下図は4層目が1000ページ保有している例となり、(D)によって200ものPRを与えることが出来ています。
▼PRの伝わり方
※厳密には他にも以下のような要素がありますが話を単純化する為割愛しています。
- リンク元ページの発リンク数については、場所によって伝わるPRに差があること (参考記事:リーズナブル サーファー モデル: Google PageRankはリンクの形態やユーザーの行動に応じて価値が変化する | 海外SEO情報ブログ
- 伝わるPRを計算する時、他に乗される係数があること
効果的にPRを伝えるための2つのポイント
以上のメカニズムから内部リンク設計において重要なことは、
- 上位表示させたいページへPRの高いページから最短距離でリンクを設置する(矢印C)
- ページ数の多いディレクトリからリンクを設置し本数を獲得する(矢印D)
この2点だと言えます。
PRの確認方法
PRは実体として存在しますが、実は現在直接確認する方法はありません。
Googleが発表しているPRの計算方法に基づき「UR」という独自指標で見える化してくれるツールがありますのでそちらで代替計測します。詳しくは下記にて紹介しています。
関連性について
PRだけが上がっても関連性が低いままでは上位表示されずらくなるため 、PRと合わせて抑えるべきとても重要な要素となります。
関連性は下図の式によって決定されます。
内部リンクを最適化するという観点では、「リンク元サイトの関連性」はどのページからでもある程度関連性は担保されているため、工夫の余地は大きくはありません。したがって、「アンカーテキスト」を適切に設定していくことが重要となります。
アンカーテキストの基礎的な内容については下記にて確認できます。
PRと関連性の高め方の実例
以上、理論編でしたがこれよりPRと関連性をどのように高めているか、夜行バスの予約サイト「バスサガス」の具体例を解説します。
※バスサガスとは(2017年9月1日より株式会社エボラブルアジアにて運営)
弊社、株式会社ウィルゲートが2017年8月31日まで運営していた全国の夜行・高速バスの価格や口コミなど様々な情報を提供し、最適なバスの予約ができるサイトです。本事例は弊社運営時の施策となります。
バスサガスは下図のように都道府県と市区町村の組み合わせで、全4階層により構成されます。
上位表示させたいディレクトリは3階層目の「都道府県→都道府県」、例えば、東京から大阪行きのバスの一覧が掲載されているようなページとなり、ここへ内部リンクを集中させています。
▼バスサガスのディレクトリ構造と内部リンクの仕組み
それでは、それぞれをご説明いたします。
PRの高め方の実例
上位表示させたいページへPRの高いページから最短距離でリンクを設置する
リンクA
ほとんどのサイトがそうだと思いますが、バスサガスもTOPのPRが1番高く、直接ターゲットディレクトリである3階層目へリンクしています。
内部リンクの設置方法は下記キャプチャのようになります。
実はTOPページのファーストビューには3階層目へ直接リンク(下図参照)している箇所があるのですがデザイン上、発リンク先数が限られています。そこであえて上記キャプチャのように全リンク設置できる箇所を別に用意しています。
※下記だと第3階層へすべてのリンクを設定できない
ページ数の多いディレクトリからリンクを設置し本数を稼ぐ
リンクB
リンクAと同じデザインで第2階層それぞれから第3階層目へ発リンクしています。第2階層のページ(例えば「東京」)を参考に紹介します。
http://www.bus-sagasu.com/areas/東京/
リンクC
そして最後に4階層目からのリンクですが、第3階層に配属されているページ数が約200ページ(東京、大阪それぞれの地域の組み合わせの数分存在している)あり、下記キャプチャの通り「パンくずリスト」でリンクしています。
関連性の高め方の実例
PRを高める方法について解説してきましたが、関連性もセットで高めることが重要です。
既述の通り関連性を高める要素は、
という式であり、1つ目の要素である「リンク元の関連性」はサイトが1テーマで構成されていればどのページからリンクさせても関連性がずれるという事は基本的にはないため特にテクニカルな方法はありません。
「アンカーテキスト」は3階層目のターゲットキーワードである「夜行バス 東京 大阪」の完全一致、あるいは「東京 大阪」としています。
さいごに
以上、内部リンクを効果的に設計するために理論と実例をご紹介しましたが、既述の通り、
B 内部リンクよって上位表示させたいページへ波及させる
このサイクルによりサイト内の保有PRの総量を増やし、内部へ波及させていくことが重要です。Bを最適化した次はAの強化を実施していきましょう。下記にて紹介しておりますので是非ご一読ください。
また、外部リンクを獲得してもSEOに最適化されたコンテンツではない場合、上位表示の達成は難しくなります。下記にてその設計方法について解説させていただいておりますのでこちらも併せてご確認ください。
SEOに関して、何から着手すべきかわからない、なかなか成果がでないなどのお悩みがございましたら
SEO無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。