今回ご紹介する事例は、音声ソフトメーカーのサービスサイト事例です。
BtoB向けサイトはそもそも市場で検索されるキーワードの数が少なくSEOで目に見えた効果を発揮するのは簡単ではありません。今回の事例では、キーワード調査から適切なSEO戦略を立てて施策を行なう事で、6カ月間という短期間でCV数(お問合せ件数)200%アップを実現した事例をご紹介します。
新規メインキーワードの発掘
まず最初に行ったのはキーワード調査です。キーワードの検索ボリュームを調べるキーワードプランナーや、フリーで提供されている関連キーワード抽出ツールの他、Googleアナリティクスから実際にCVしているキーワード、アクセスは来ているがCVしていないキーワードの傾向などを調査し、CVの可能性の高いキーワードは何か、この業界のターゲットはどのような悩みを抱えていて、どのようなキーワードで検索するのかなど調査を行いました。
キーワード調査内容(調査ツール)
- 検索ボリューム調査(Googleキーワードプランナー)
- 関連キーワード調査(関連ワード調査ツール)
- CV実績キーワード(Google analytics)
- CV見込みキーワード(Google analytics)
CV実績キーワードの類似キーワードをピックアップ
上記の調査の結果、調査キーワードの中で、お問合せの可能性が高いメインキーワードの類似キーワードを発見。当時、その類似キーワードについてのコンテンツがなく、アクセスがない状態であったため、類似キーワードをテーマとしたコンテンツを追加する施策を行いました。
- メインキーワード:「音声〇〇ソフト」
- 類似キーワード :「音声〇〇システム」「音声〇〇ツール」など
施策結果
これらの施策により、新たにメインキーワードとして施策したキーワード順位(関連キーワードも含め)が、100位圏外の状態から5位以内にランクインする効果がありました。
A/Bテストでユーザー導線を改善
サイトへの流入が増えても、入口ページからお問合せフォームまでのサイト内導線が適切に考えられていないと、CVR(お問合せ率)を改善しCV数を増やすことができません。そのためトップページやサービスページから、お問合せフォームへ見込み客をいかにスムーズに誘導するための導線見直しと、ストレスなくお問合せを完了できるようにするために、「お問合せフォームの最適化(EFO)」を行いました。
お問合せフォームの最適化(EFO)
まず初めに、お問合せ時の離脱率を下げるため「お問合せフォームの最適化(EFO)」を行いました。主には、必須項目のデザイン変更、エラー時のメッセージの見直し、取得項目や入力方法の見直し等です。
参考記事:A/Bテスト成功事例から見るエントリーフォーム最適化(EFO)でCVRを高める方法
A/Bテストを繰り返し目標KPIの改善
次に、Google analyticsを使用し、サイトのボトルネックから改善効果の高い箇所を洗い出し、次にフォームへ多く遷移しているページを調査しました。
トップページと製品お試しコンテンツにおいて、ユーザーがどのような検討の上で最終的にどのような情報を見て問い合わせをするのかという行動パターンを数値から読み取り、A/Bテストを何度も行う事で、目標KPIの「直帰率」と「デモンストレーション実施数」を改善していきました。
施策例1 -トップページのA/Bテスト
トップページの直帰率が高い事から商品の特徴、競合との差別化が訴求できていないのではないかという考えのもと、「商品の特長理解」→「デモンストレーションの実施」というフローをユーザーが踏めるよう、4パターン(既存パターン、新規3パターン)を追加しA/Bテストを実施しました。
A/Bテスト実施イメージ
施策例2 – 製品お試しコンテンツのA/Bテスト
このお客様のサイトには、製品のお試しができるコンテンツが用意されていました。
お試しコンテンツの利用ユーザーは他のユーザーよりCVRが高い傾向がアクセスデータから判断できたため、「訴求内容の変更」「お試しについての説明文追加」「アイコンのデザイン変更」の3つの施策を行い、合計4パターン(既存パターン、新たに3パターンの素材)でテストを実施しました。
施策後の結果
6カ月間の施策結果は、月間アクセス(自然検索):7,001→14,074(201%増)、月間CV数:23→53(230%増)と200%以上改善することができました。
項 目 | 施策前 | 施策後 | 増加数 | 増加率 | |
オーガニック | 月間アクセス数 | 7,010 | 14,074 | +7,064 | 201% |
月間CV数 | 23 | 53 | +30 | 230% |
※施策期間:6ヵ月間
SEOとサイト内導線の改善ポイント
SEO改善のポイント
今回のSEO改善のポイントは下記の通りです。
1、狙うべきターゲットキーワードの戦略を立てる
→キーワードの洗い出し
→キーワード属性別の優先順位の決定
2、メインキーワードを設定する
→類似キーワードの発掘
→コンバージョン傾向の高いキーワードで頻出するキーワードを見つける
3、適切な施策の実施
→基本的な内部施策
→キーワードに応じたコンテンツの追加など
導線改善施策のポイント
導線改善のポイントは下記の通りです。
- ボトルネックの発見
- 施策インパクトの高い施策から優先して実施
- PDCAを高速で回す
- A/Bテストを継続して行う
今回の施策はBtoC向けのサイトにも応用いただけます
今回の事例は、改善する上で重要な基本事項をご紹介させて頂きましたので、BtoB向けサイトだけではなく、BtoC向けのサイトにも応用できると思います。
そのため、SEO施策のパフォーマンスに課題を感じられているサイト運営者の方がいらっしゃいましたら、今回ご紹介した事例を対象サイトに当てはめ、ぜひ試して頂ければと思います。また、下記は今回の事例に限らず、SEO経由でのパフォーマンスを上げていく上で重要だと考えている事項です。
- ターゲットキーワード調査からの戦略設計
- 施策優先順位の設定
- PDCAをとにかく高速で回し、継続して行う
たとえ一部分でも、Webマーケティング担当の方々の手助けに少しでもなれば大変嬉しく思います。
SEOに関して、何から着手すべきかわからない、なかなか成果がでないなどのお悩みがございましたら SEO無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。