CDN(Contents Delivery Network)とはWebコンテンツを配信するのに最適なネットワーク構成を意味します。
Web黎明期である1990年代にはすでに提唱されていたこのネットワーク技術が何故、現在になってSEOやコンテンツマーケティングの世界で注目されているのか。CDNの構造はもちろんのこと、今、この技術が効果的である理由などもあわせて紹介したいと思います。
CDNとはキャッシュを活用し、必要ファイルを効率的に配信する仕組み
まずは、ユーザーがWebサイト上のコンテンツにアクセスする際の一般的な導線をおさらいしたいと思います。
ユーザーがWebサイトにアクセスすると、サイト上にコンテンツ(テキストや画像、動画)が表示されますが、裏側ではWebサイトは、Webサーバーにアクセスし、コンテンツが格納されているテキストや画像をWebサイトに表示しています。
CDNとは、簡単に言えばユーザー(アクセス元)から距離的に近い場所にあるサーバーに任意のWebサーバーのファイルをキャッシュさせておいて、リクエストに対して“最も近い”サーバーが迅速に応答しファイルを効率的に配信する仕組みです。これにより画像や動画コンテンツを多用したWebページにおいては、特にサイトの表示速度が改善される効果が期待できます。
CDNの仕組み(イメージ図)
今だからこそCDNを活用したい3つの理由
CDNの導入が今、脚光を浴びています。その理由として大きく3つの理由が挙げられると思われます。
一つはWebサイトの表示速度の改善が、CDN提唱の90年代よりシビアに、エンドユーザー獲得・失注につながる要因となるからです。表示速度の1秒の違いが、ユーザーの離脱につながると言われる現在において、その改善策のひとつとして改めてCDNが注目されるようになったといえます。
二つ目の理由が、高品質ながら比較的低額で利用できる同サービスが市場に登場するようになったから。GoogleやYahoo! など大手検索エンジンに利用されているAkamai Technologiesの「Akamai」などの有料版に関しても、1990年代と比較すれば性能はもちろん劇的にコストダウンしていますが、これに加えてAmazonの「CloudFlare」のような無料サービスも登場しています。
三つ目がリッチコンテンツの増加。一つ目にも関係してくることではあるのですが、動画配信、高度な技術を実装したアプリケーション、これに加えてアジアや欧米向けのコンテンツの配信も珍しくなくなった現在において、これらの表示速度を遅らせる大きな理由となる“量的”“地理的”問題の改善と相性の良い仕組みをとっているからと言えます。
CDNの導入で見込まれるユーザビリティの向上とSEO効果
CDNのメリットは、表示速度の高速化に伴う、ユーザビリティの向上とSEOのランキング評価の向上が上げられます。
ユーザビリティの向上
- アクセス速度、表示速度の高速化によりユーザーの離脱を防ぐ
- 表示速度の向上を見込んだ上で、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを作成できる(動画コンテンツなどの実装ほか)
SEO効果
表示速度の向上によるランキング評価の向上が期待できます。
2017年の米国サンノゼで開催されたSMX West 2017にてGoogleのGary Illyes氏が「表示速度をランキング要因として組み込んだうえで MFI を導入する計画」と発表していたことからも、表示速度はランキングに影響を及ぼしていると考えられています。
CDN対応ツール
WordPressでWebサイトを構築しているなら、無料プラグインで対応する方法が一番簡単です。例えば、Automattic社(WordPress.comの運営会社)が提供している約30種の機能をパックにしたプラグイン「Jetpack」を使えば、CDN機能も利用できます。
また、規模の大きいサイトを運営しているなら、検索エンジン対応やユーザビリティ対策の一環として本格的なCDNの導入を検討されるべきだと思います。
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