日々管理画面とにらみ合うWeb担当者のみなさまにとって、最も大切な指標といえばCVR。せっかくキャンペーン設計を考え、運用を頑張っていても、中々上昇してくれないCVRに頭を抱えている方も多いことだろうと思います。
CVRを上昇させるために、ユーザー1人1人に必要な情報を提供できたら・・・。そんなWeb担当者のみなさまの望みをかなえるが、今注目の「ウェブ接客ツール」です。本記事では、ウェブ接客ツールの概要と代表的なツールの特徴のご紹介、運用上のポイントについて解説します。
ウェブ接客ツールってなに?
「ウェブサイトを訪問した顧客に対し、サイト内でシステムが自動で接客を行ってくれる。」それがウェブ接客ツールの基本となる考え方です。まるで実際の店舗にいるかのように、顧客が迷った時、購入をあきらめかけた時等、最適なタイミングでシステムが接客行動を起こしてくれます。
代表的な接客アクションは「バナー型」と「チャット型」の二つ。
①バナー型
ユーザーの特定の行動から任意のバナーを画面の右下、側部、下部、中央等に表示し接客を行います。ユーザーの行動履歴、閲覧傾向等の情報を元とした“ターゲティング”機能を備えているツールが多いです。一人一人のユーザーにパーソナライズされた最適なバナーを表示し、離脱防止や案内導線の増設を簡単に行うことができます。
②チャット型
ユーザーがサイトを見ていて商品やサービスについて疑問を持ったり、サイトの使い方について疑問をもったときに、すぐに話しかけられるチャットを用意して、ユーザーからのお問合せをその場で受け付け、接客を行います。オペレーターが操作を行うツールを中心として、簡単な受け答えであれば自動で定型文対応が可能なツールもあります。
ウェブ接客ツールが必要な理由
年々上昇し続けるCPC
インターネット広告は多くがオークション性を採用しているため、参入する企業の数が多くなればなるほど1クリック当たりの価格が高騰してしまいます。
リスティング広告の中には、わずか2年間でほぼ同順位を獲得するためのCPCが500円程度から1,500円程度まで、3倍にも拡大してしまったこともあります。
1クリック当たりの値段が高くなり続ける一方、獲得効率であるCVRが一定であれば、成果当たり費用(CPA)は当然悪化していきます。1クリック当たりの単価が下げられない以上、CVRを有効に上げる施策を講じ、費用対効果を最適化していく必要があります。そのためには、CVR改善施策としてのウェブ接客ツール等の導入が必要というわけです。
UI/UXとブランドイメージ
昨今、ウェブサイトはユーザーと企業の接点の1つとして、ますます重要な位置を占めつつあります。一度顧客がウェブサイトを訪れると、多くの場合、その他のプロモーションを見るよりもずっと長い時間、ウェブサイトに滞在します。
この時の経験が、ユーザーにとってはますますその企業の印象の中心となり、ブランド全体のイメージもここで形成されます。ウェブサイトを丁寧に、使いやすい作りにしていくということは、まさしく目の前の顧客に誠心誠意尽くすことと同義の価値をもっています。
代表的なウェブ接客ツール
ウェブ接客ツールを提供している企業は数多くありますが、ここではその中でも代表的な5つのツールとその特徴を紹介します。
①マーケター発のウェブ接客ツール「f-tra CTA」
http://f-tra.com/ja/cta/
ウェブコンサルティングからEFOツールの提供まで行っている株式会社エフ・コードの提供する、マーケターが運用することを想定して作られたウェブ接客ツールです。
ウェブコンサルティング会社が制作したツールだけあって、管理画面UI等、マーケターが使いやすいよう徹底しており、使いやすいのが嬉しいところ。ターゲティング内容も、訪問回数/閲覧済みページ/コンバージョン有無等、マーケターがよく使うセグメンテーションを過不足なく備えている点が特徴です。バナークリエイティブも、リンク遷移をバナー内に複数指定出来たり、メールアドレス入力項目を増設できたりと、CVの種類に合わせたカスタマイズが可能です。
管理画面から自社運用で高速に検証できる一方、慣れない間は専門コンサルタントのサポートによる提案やレポーティングを受けられるプランも存在するため、初任者から上級者までフォローできる総合的なバランスの良いツールといえるでしょう。
②多様な機能を誇る「Karte」
https://karte.io/
株式会社プレイドが提供する、多様なセグメンテーション機能を有するウェブ接客ツールです。管理画面にてユーザーデータベースが解析ソフトのように表示され、そこからターゲットとなるユーザーを選択するため、思いのままのターゲットセグメントの指定が可能。
また、ゲーミフィケーション機能や他MAとの連携機能等、ウェブ接客以外の機能への拡張性も高く、大規模マーケティングを部署全体で行う場合等は大活躍する可能性があります。また、リアルタイムでのチャット機能の精度が高く、自社内にコールセンタースタッフ等がある場合にはチャットをフル活用した接客も可能となります。
②英国発の離脱防止ツール「VePanel」
https://www.veinteractive.com/jp/solutions/vepanel/
イギリス発祥のVe社が提供する離脱防止ツール。来訪した顧客が離脱行動を取った際、サイドからバナーが挿入され、ユーザーを再度サイトに引き戻すという独特のUIをもっています。離脱防止系のツールとしては珍しい、サイドから表示されるバナーには、HTML編集された多機能バナーが表示され、オプションで提供されるカスタマイズによって、ユーザーの過去閲覧商品等を表示することも可能。
管理画面は提供されますが、基本的に英語となるため、操作には一定の慣れが必要。初期設定でバナー制作をVe社が行ってくれる点も嬉しい点の1つ。VePanelで特徴のもう一つは課金体系です。基本的に成果報酬型を採用しているため、当初から固定費用を抱えたくない事業者の方に特におすすめです。
④多機能ウェブ接客ツール「Flipdesk」
https://flipdesk.jp/
株式会社Socketが提供する、多機能なウェブ接客ツールです。外部のオーディエンスデータ等との連携に積極的に取り組んでいるため、精度と自由度の高いターゲティング機能が特徴です。
また、ポップアップ以外にもチャット機能なども備えており、多様なウェブ接客を行うことができるツールというマルチな側面があります。ウェブ接客ツールとしては珍しく、管理画面の中にバナーのテンプレートを備えており、バナーを自分で作成しなくても手軽に始めることができます。加えて、導入からコンサルタントが並走する運用支援のメニューも提供されています。ウェブ接客に初めて取り組む方にとって、取り組みやすい機能・メニューが用意されているのがおすすめの点です。
⑤AI搭載のウェブ接客ツール「ZenClerk」
https://www.zenclerk.com/
Emotion Intelligence株式会社が提供する、ECに特化したウェブ接客ツールです。
ユーザーのマウス行動をAIが分析、「購買を迷っている」と分析されたユーザーにのみ割引クーポンを出すことによって、ROIを毀損することなく最適なクーポン表示を行います。
ターゲティング部分をほぼAIが代替して行ってくれるため、ユーザー側ではごく簡単なターゲティングを設定するだけで始めることが可能です。クリエイティブは基本的にクーポン表示に限定しているため、まさしくECに特化したツールといえるでしょう。
【事例】ウェブ接客ツールの導入で離脱率が大幅改善!
実際に、弊社が運営している高速バス・夜行バスの格安予約サイト「バスサガス」にf-tra CTAを導入してみました。導入する際には、自然検索流入はあるものの離脱率が高いページがあり、課題となっていました。
離脱率が高いページを調査すると、該当の路線ではそもそもプランが少ないといった状態でした。「顧客が求めている路線のプランが見つけられていない」という仮説から、ブラウザを閉じるタイミングで主要路線と金額を載せたバナーを表示するように設定しました。結果として、離脱率が約15%改善しました。
サイトの機能で求めている情報を見つけられなかった人に対してアプローチする施策としてWeb接客ツールを利用し、離脱率改善、CV増加につながりました。
ウェブ接客ツールの導入で注意したいこと
ウェブ接客ツールの導入において、注意したいのが「ツールの導入自体が目的ではない」ということです。
ウェブサイトに訪問するユーザーのニーズは刻一刻と変化し続け、たとえ同じユーザーでも求めている内容はすぐに変化していきます。このようなユーザーの傾向に対して、常に接客内容が最適かチェックをし続け、PDCAを回していく点は、他のマーケティング施策と同じです。
マーケティング施策全体の中に効果的に位置づけ、信頼できるコンサルタントと共に、継続的な運用を行っていくことが重要です。
さて、新しいウェブサービスの1つ、ウェブ接客ツールについてのご紹介、いかがだったでしょうか。興味をもたれた方は、まずお気軽に問い合わせ、自社での運用イメージを相談なさることをおすすめします。
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