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カスタマージャーニーマップとは? 概念から目的や作り方まで解説
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カスタマージャーニーとは「顧客が商品やサービスを購買するまでのプロセス」を旅に例えて表現した言葉だと言えます。  

カスタマージャーニーマップはユーザーを理解し、事業の成長につなげる上で重要なフレームワークです。
一方で、既にあるサービスなど、「今更カスタマージャーニーマップを作成して意味があるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

本記事ではカスタマージャーニーマップの概念の説明から、カスタマージャーニーマップの作成が重要な理由、作成フローまでご紹介します。

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カスタマージャーニーマップとは

先述しましたが、カスタマージャーニーとは「顧客が商品やサービスを購買するまでのプロセス」を旅に例えて表現した言葉だと言えます。

そしてカスタマージャーニーマップとは、顧客(カスタマー)の思考と行動を分析して改善施策に展開するためのフレームワークです。
具体的には、ユーザーが商品やサービスを認知して、興味を持ち、購入や成約に至るまでの行動を分析します。

カスタマージャーニーマップの概要

このプロセスを可視化することで、顧客がどのタッチポイントでどのような体験をしているのかを把握し、より効果的なマーケティング施策や顧客体験の向上につなげることが可能になります。

カスタマージャーニーマップは部門間で共有できるため、捉えた情報をもとに全社的な戦略を練るのにも役立つとされています。

顧客のニーズや期待に応えるために、カスタマージャーニーマップを効果的に活用していくことが求められています。

ペルソナとは

ペルソナ作成の事例

カスタマージャーニーマップが重要な理由の説明に入る前に、カスタマージャーニーマップと合わせて必ず押さえておきたい「ペルソナ」についてご説明します。

ペルソナ分析とはカスタマージャーニーマップと同様にユーザーを分析するためのフレームワークです。

カスタマージャーニーマップがユーザーの行動を認知~購入までのステップごとに分析したものであるのに対し、ペルソナは消費やサービスを購入するであろう「理想のユーザー像」を設定したものです。

具体的には、年齢、住んでいる場所、仕事、趣味・嗜好やサービスに対する意識や行動などを設定します。商品やサービスの内容、調査目的によってはペルソナを複数パターン作成する必要がある場合もあります。

ペルソナの作成方法については以下の記事でもご紹介しておりますのでご参照下さい。
ペルソナ設定ってしなきゃダメ?設定するメリットと作成方法

カスタマージャーニーマップを作成する際、ペルソナの設定は非常に重要なステップです。

なぜなら、具体的なユーザー像を描くことで、顧客のニーズや期待に基づいた施策を講じることが可能になるからです。

その結果、顧客との接点を最適化し、より効果的なマーケティングを実現することができます。

また、ペルソナと並行してカスタマージャーニーを可視化することで、顧客がどのタッチポイントでどのような体験をしているのかを一層深く理解し、次のステップへの改善策を導き出す基本資料が整います。

この相乗効果こそが、顧客体験を向上させ、ビジネスの成功につながるのです。

カスタマージャーニーマップはなぜ重要なのか

では、マーケティングにおいてカスタマージャーニーマップを作成することはなぜ重要なのでしょうか。

その背景には昨今の顧客行動の多様化とそれによるマーケティング手法の複雑化があります。

近年ではスマホの普及によりユーザーがいつでもどこでもインターネットにアクセスできる環境になったため、それだけユーザーの商品やサービスのタッチポイントは多様化しています。

また、ユーザーの購買までのプロセスにおいても、様々な広告手法の誕生はもちろん、自然検索ではなくSNSによる情報収集の広まりなどにより、ユーザーの行動は多様化しています。さらには、現在ではインターネット上だけでなく、オンラインとオフラインを横断したユーザー行動も見られます。

ペルソナ設定では、自社のターゲットは明確になりますが、このようなユーザーの行動の変化については踏まえられていません。

ユーザーへの適切なアプローチをするためには、ペルソナ設計だけではなく、カスタマージャーニーマップによってユーザーの行動も図式化する必要があるのです。

また、ユーザーによって当然行動パターンも変わるため、ペルソナ同様にカスタマージャーニーマップについても複数パターンの作成が必要となる場合も多いです。

さらに、カスタマージャーニーマップは、顧客の感情やニーズ、思考過程を可視化することで、より深い洞察を得る手段ともなります。

顧客がどの瞬間に困難を感じているのか、また、どのタッチポイントで期待を超える体験を得ているのかを把握することで、適切な改善策を講じることができます。

これにより、マーケティングチーム全体が顧客視点を持つことができ、一貫性のある体験を提供できるようになります。

このような顧客体験の最適化は、顧客のロイヤルティ向上や、ひいてはブランド価値の向上にも寄与するのです。

カスタマージャーニーマップを構成する要素

カスタマージャーニーマップは縦軸に項目を、横軸に購入までの行動ステップを設定します。

カスタマージャーニーマップ例

転職求人サイトをモデルとしたカスタマージャーニーマップの例

上記は「転職を検討しているユーザー」を例にしたカスタマージャーニーマップです。

ユーザーが転職に関心を持ち始めてから、実際に企業に応募するまでの行動をマップにしています。

上記の例では、横軸の行動ステップを6段階(認知・興味、情報収集、比較、検討、購入、リピート)、縦軸の項目を4つ(顧客接点環境、行動、思考、感情)に分けていますが、サービスやカスタマージャーニーマップの活用目的によって必要な項目は異なります。

上記は基本の項目となりますが、それ以外に検索からのユーザーを獲得する目的であれば、縦軸に「検索キーワード」という項目を追加するなど、自社の商品、サービスのターゲットとなるユーザーを分析する上で必要な要素を設定するようにしましょう。

また、カスタマージャーニーマップを作成する際には、ペルソナ設定と合わせることで、ユーザーの具体的なニーズや行動パターンをより明確に把握することができます。

例えば、転職を考えるユーザーがどのような情報源から情報を収集し、どのような感情を抱くのかを深く考察し、それを反映させることで、より実践的で効果的なサービス提供に繋がります。

このように、カスタマージャーニーマップはマーケティング戦略の基盤となる重要なツールです。

カスタマージャーニーマップを作る目的

カスタマージャーニーマップを作る目的

カスタマージャーニーマップを作成することで、どのような目的が得られるのでしょうか。ここでは大きな3つの目的をご紹介します。

1 共通認識をもつことができる

1つ目のメリットは、カスタマージャーニーマップを作成することで、社内全体でユーザーの行動に対する共通認識を持てるようになることです。

具体的には、カスタマージャーニーマップにより顧客がどのタイミングでどのような感情を抱くのかや、どのタッチポイントで疑問や不安を感じるかを明らかにすることができます。

この情報は、商品やサービスの改善だけでなく、カスタマーサポートや営業の質を向上させるための貴重なインサイトとなります。

顧客の視点に立つことで、企業は期待を超えるサービスを提供し、顧客満足度の向上やロイヤルティを促進することが可能になります。

さらに、顧客体験の向上は、結果的にブランドの信頼性や評価を高め、競争優位性を生み出す要因となります。

2 顧客視点でマーケティング施策を講じることができる

2つ目のメリットは、顧客視点でマーケティング施策を講じることができるようになることです。

キャンペーンやプロモーションを打つ時などマーケティングを行う際には、つい「どうしたら売れるか」という自社視点で施策を講じてしまうことも少なくありません。

顧客に対する理解が足りていないと、的はずれな施策となってしまい思うように成果が出ない可能性もあります。

一方、カスタマージャーニーマップは顧客を主語にして、顧客が何を考え、行動するかを可視化したものです。

そのため、カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客の心理に寄り添った発想への転換を図ることができ、「ユーザーが何を望んでいるのか」という顧客側に立った施策を講じることができます。

このように、顧客の行動や感情を理解することで、マーケティング施策をより効果的にすることができ、顧客満足度の向上とロイヤルティの強化につながります。

カスタマージャーニーマップを用いることで、単なる販売促進だけでなく、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション戦略を展開することも可能になるのです。

3 自社の役割や課題が明確になる

3つ目のメリットは、自社の役割や課題が明確になることです。

カスタマージャーニーマップを作成することで、企業側は顧客の一連の体験を俯瞰することができるようになります。

これによって、「顧客に適切なタイミングで情報提供ができているか」や「ユーザーにとってこの機能は本当に必要なのか」といった新たな気づきや課題の発見につながることもあります。

一部の部署にとどまらず、全社としてどのユーザーにどんな価値を提供するべきか顧客とのタッチポイントの中でどこに課題があるのかが可視化できるようになるのです。

さらに、顧客がどの段階で満足感を得られているか、あるいはどのタッチポイントで不満を感じているかを把握することで、具体的な改善施策を検討するための基盤を作ることができます。

このプロセスを通じて、各部門の担当者は自分たちが果たすべき役割を認識し、協働して問題解決に取り組む意識が高まるのです。その結果、組織全体が顧客体験の向上に向けた一体感を持つことができるようになります。

カスタマージャーニーマップの設計

ここからは、実際にカスタマージャーニーマップの作り方をご説明していきます。
作成時のポイントも合わせてご紹介しますので、是非ご確認下さい。

カスタマージャーニーマップ作成の流れ

カスタマージャーニーマップは、下記4つのステップで作成していきます。

カスタマージャーニーマップの作成手順

1 カスタマージャーニーのゴールを決める

まずはカスタマージャーニーマップのゴールを決めましょう。ここでは、カスタマージャーニーマップを作成する目的から立ち返って、ゴールを決めます。

たとえば、「リピート購入を増やしてLTVを向上させたい」という目的であれば、商品のリピート購入までがゴールになりますし、「Web経由での店舗来店数を増やしたい」という目的であれば、Webで申し込み後の来店までがゴールになります。

そのほか、問い合わせや資料請求など、ビジネスモデルやカスタマージャーニーマップの活用目的によって設定するべきゴールは様々なので、自社の目的に沿ったゴールを設定しましょう。

ゴールを明確にすることで、カスタマージャーニーマップの作成過程において必要な情報収集や分析の方向性が定まります。

さらに、設定したゴールに基づいて、ターゲット顧客(ペルソナ)の特定が容易になり、どの段階での顧客体験を改善すべきかがクリアになります。

そして、このプロセスを通じて顧客との関係を深める施策を導き出し、より効果的なマーケティング戦略を作成することができるのです。

このように、カスタマージャーニーマップのゴール設定は、成功する顧客体験の設計に不可欠なステップとなります。

2 ペルソナを設定する

カスタマージャーニーのゴールが決まったら、次はペルソナを設定しましょう。
カスタマージャーニーマップはここで設定したユーザーに沿って作成していくため、ペルソナ設定は非常に重要となります。

ペルソナを設定する際は、ターゲットの仮説立て仮説の検証をセットで行うようにしましょう。
これは、企業側とユーザー側には意識のズレがある場合も多く、仮説だけでペルソナを作ってしまうとユーザーが本当に抱えている課題に気付くことができない場合もあるためです。

はじめの仮説立てのフェーズでは、商品やサービスのターゲットになりそうな人物像を思い描き、年齢や家族構成、年収や職業などの項目を仮説立てていきます。

サービスのニーズが生まれる上で影響を与えそうな項目はすべて洗い出し、できるだけ細かく人物像を設定しましょう。

さらに、性格や趣味嗜好といった要素も考慮することで、より深い理解が得られます。

次の仮説の検証フェーズでは、実際にヒアリングやアンケートを実施して、ユーザー調査を行うのがおすすめです。

ここでわかった結果をもとに、当初立てた仮説を修正しながらペルソナを固めていきましょう。

また、この段階で得た情報はカスタマージャーニーマップの作成において非常に有用であり、顧客の思考や行動をより正確に反映したマップを作成することが可能になります。

このように、ペルソナ設定はカスタマージャーニーマップの精度を高めるための基盤となる作業です。

3 フレームワークを決める

ペルソナが固まったら、次はカスタマージャーニーマップのフレームワークを決めましょう。ここでいうフレームワーク決めとは、カスタマージャーニーマップの縦軸と横軸を設定することを指します。

まずは横軸の「フェーズ」を洗い出して枠を埋めていきましょう。顧客がそのサービスと接触した最初の段階から、実際の購入やリピートなど初めに設定したカスタマージャーニーのゴールまでの行動ステップを洗い出します。

4-1カスタマージャーニーマップ-フェーズ

ステップを考える際は、まずはAISASやAIDMAなどの消費行動フレームワークをベースに考えていき、必要に応じてステップを分解したり省略したりするのがおすすめです。このときのコツとしては、顧客のタッチポイントが変わるタイミングでステップも区切るようにすることです。

続いて縦軸では、一般的には以下の4項目(タッチポイント、行動、思考、感情)を設定します。

・タッチポイント(顧客接点環境)

4-2カスタマージャーニーマップ-顧客接点

顧客とどのような環境で接点を持つのかを洗い出します。
シーン(通勤電車、昼の休憩、休日の午後等)、デバイス(PC、スマホ、テレビ等)、チャネル(CM、口コミサイト、自社サイト、SNS等)それぞれを予測し、洗い出します。

これにより、各タッチポイントにおける顧客の行動を理解し、マーケティング施策の最適化に役立てることができます。

さらに、洗い出した接点は顧客のニーズや期待に応じて施策を展開する基盤として活用されます。

このプロセスは、顧客体験を向上させるための重要なステップであり、成功するカスタマージャーニーマップ作成に欠かせない要素です。

・顧客の行動
4-3カスタマージャーニーマップ-顧客行動

顧客が情報を得るために、各フェーズでどのような行動をとるのかを洗い出します。

「行動」は「顧客接点環境」に依存します。例えば顧客が“応募する”という行動をとりたいタイミングで応募フォームへの分かりやすいナビゲーションがなければ行動を起こすことは難しくなります。

ここで注意したいのは、「自社の環境に合わせて、都合のいいようにユーザーの行動を考えないこと」です。カスタマージャーニーマップは顧客視点で作成するものですから、ユーザーの行動を徹底的に想定し、その行動ができる環境を提供できているかを検証する必要があります。

顧客の行動を理解するためには、顧客インタビューやアンケートを活用し、実際の声を反映させることも効果的です。

また、競合他社の分析も重要です。競合が提供している接点や体験の中で、顧客がどのように反応しているかを分析することで、改善すべきポイントや差別化のためのヒントを得ることができます。

さらに、顧客がどの段階で情報を必要としているのかを把握し、そのタイミングで適切な情報を提供することが、行動を促す鍵となります。

これにより、顧客の期待を超えた体験を提供することで、自社への信頼感やロイヤルティを高めることが可能になります。

・顧客の思考

4-4カスタマージャーニーマップ-顧客の思考

顧客が各フェーズの「行動」によって、どのようなことを考えるのかを洗い出します。

「行動」によって「思考」が始まり、その「思考」が次のフェーズの「行動」を促す内的要因になります。

顧客の多くが次のフェーズに移行しない場合、この部分で顧客がどんなことを考えているのかを正しくとらえられていない可能性が高いと言えます。

顧客の思考を正確に理解するためには、特定のタッチポイントでの体験や感情を調査することが重要です。

特に、顧客が情報を得る際に持つ疑問や不安について掘り下げることで、どのような情報が不足しているのか、あるいは何が決定を妨げているのかを特定できます。

また、過去の購買体験や競合他社の選択理由を分析することも有効で、これにより顧客の選好が明らかになります。

このプロセスを通じて、顧客にとっての課題や期待に対する理解を深め、適切な改善策を講じるための基盤を整えることができるのです。

・顧客の感情

4-5カスタマージャーニーマップ-顧客環境

顧客が各フェーズでとる「行動」や「思考」からどのような感情を持つのかを洗い出します。

感情とは、不安、ワクワク、感動、安心等があり、ネガティブなものとポジティブなものに分けられます。

最近では“インサイト”などとも言われ、マーケティングの根幹をなす部分として重要視されています。

感情」は「思考」と同じく次のフェーズでの「行動」を促す内的要因となります。

例えば“不安”というネガティブな感情を持つのであれば、次のフェーズではその不安を解消するような「行動」をとると考えられますし、“面白い”というポジティブな感情であれば、その情報をSNS等で拡散するという「行動」をとることが考えられます。

最終的に人を行動へ駆り立てるのは感情ですから、ここで顧客視点からズレてしまうとカスタマージャーニーマップが設計図としての機能を果たさなくなります。実際の顧客にヒアリングを行うなどして、正確に把握できるよう心がけましょう。

また、感情がどのように顧客の行動に影響を与えるかを理解することで、より効果的なマーケティング施策を打つための貴重なデータを得ることができます。

これにより、顧客体験を向上させるための施策をより的確に立案することができ、結果的にはビジネスの成果に直結することとなります。

顧客がどの瞬間にどのような感情を抱いているかに注目し、その感情を元に施策を調整することが、競争優位性を築く鍵となるでしょう。

4 実際のデータをもとにマップを埋める

フレームワークが設定できたら、あとはステップごとに内容を埋めていけばカスタマージャーニーマップの完成です。

フレームワークの各項目を埋めていく際は、ペルソナの仮説検証の際に浮かび上がってきた、アンケートの声やお問い合わせ内容など実際のユーザーの言葉を反映させると説得力の高いマップになります。

また、テキストだけでなく、適宜アイコンや写真を用いて作成することで、他の人が見た時にイメージしやすいカスタマージャーニーマップとなります。

加えて、各フェーズにおける顧客の感情の変化も考慮しながらミーティングを行い、関係者全員が共通の理解を持つことを目指しましょう。

これにより、カスタマージャーニーマップは単なる情報の整理にとどまらず、具体的な施策や改善策を導くための有効なツールとして活用されることになります。

最終的に、マップが示す顧客体験の全体像をもとに、各部門が連携して課題解決に取り組むことで、より高い顧客満足度を実現することが可能になります。

カスタマージャーニーマップ作成のポイント

カスタマージャーニーマップ作成のポイント

ここまでカスタマージャーニーマップの作成フローをご紹介してきました。

ここからは、実際にカスタマージャーニーマップを作る上での注意点やポイントについてご紹介します。

多くのステークホルダーを巻き込む

1つ目のポイントは、できるだけ多くのステークホルダーを巻き込んでカスタマージャーニーマップを作成することです。

営業、開発、カスタマーサクセスなど様々な部署を巻き込むことで、顧客との様々なタッチポイントを持つ人の視点が加わるため、偏りのないマップになります。

完成したカスタマージャーニーマップを全社的に共有し、活用していく上でも、多くの部署の意見を取り入れて作成されたものであることは重要となります。

作成が目的にならないようにする

2つ目のポイントは、作成すること自体がゴールにならないように注意することです。

カスタマージャーニーマップを作成し始めると、「できるだけ細かく書き込もう」といった様々なこだわりが出てきてしまい、完成したら満足してしまうことがあります。

目的はカスタマージャーニーマップを元にマーケティング施策を実行するという前提を見失ってはせっかくのカスタマージャーニーマップも意味のないものとなってしまいます。

ペルソナや行動を詳細に作り込みすぎるのではなく、まずは荒削りでも良いので作成してみて、それからプラッシュアップしていくのが良いでしょう。

さらに、カスタマージャーニーマップを活用する際には、実践に基づいたフィードバックを常に求める姿勢が重要です。

作成後も定期的に見直しを行い、マーケットや顧客の変化に応じた最新の情報を反映させることが、効果的な施策への第一歩となります。

このプロセスを通じて、カスタマージャーニーマップが単なるドキュメントにとどまらず、実際のビジネス成果を促進するための生きたツールとして機能することが期待できます。

予想で作らないようにする

3つ目のポイントは、予想でカスタマージャーニーマップを作成しないようにすることです。

これまでにも述べてきた通り、カスタマージャーニーマップは顧客の視点から描くマーケティングのストーリーです。

ユーザーが置かれている環境や情報収集手段も日々変化していますから、企業側の思い込みや、一昔前の常識をもとにカスタマージャーニーを設計していたのでは、まるで的外れななものになってしまう危険性もあります。

くれぐれも自社視点で自分たちの都合のいいストーリーを描いてしまわないように気を付けましょう。

このため、具体的なデータや実際の顧客インタビューに基づいて、リアルな顧客体験を徹底的に調査することが重要です。

顧客の行動や感情を反映させるために、定期的にユーザーを対象としたフィードバックの収集を行い、その結果をカスタマージャーニーマップに組み込んでいく必要があります。

その結果、より精度の高いマップを作成することができ、実際の顧客ニーズに即したマーケティング施策を展開できるようになるのです。

随時ブラッシュアップをしていく

4つ目のポイントは、カスタマージャーニーマップは一度作ったら終わりではなく、随時ブラッシュアップをすることです。

市場や競合の動きに応じて顧客の動きは変わることがあるので、その時に合わせたカスタマージャーニーマップにアップデートしていく必要があります。

定期的に更新を行う際には、チーム内でのフィードバックセッションを設け、各部門からの意見を収集することも重要です。

このプロセスにより、異なる観点からの気づきを得られ、より網羅的で説得力のあるカスタマージャーニーマップが構築されます。

さらに、実際の顧客データやインタビュー結果をもとに、顧客のニーズの変化を常にウォッチし、その変化に迅速に対応することで、顧客体験を一層向上させるための継続的な改善につながるでしょう。

顧客にとって理想的な体験を提供するための努力は、長期的に見ればビジネスの成長や競争優位性の確保にも寄与します。

カスタマージャーニーマップの注意点と失敗例

カスタマージャーニーの注意点

カスタマージャーニーマップを作成する際にはいくつかの注意点があります。正しく活用しないと、期待した成果を得られない場合もあります。ここでは、よくある失敗例や注意すべき点を解説します。これにより、カスタマージャーニーマップを効果的に活用し、顧客体験の向上へとつなげることができます。

ターゲットの設定上の問題

カスタマージャーニーマップを作成する際、ターゲットであるペルソナの設定が非常に重要です。

この設定において、明確な定義がなされていないと、顧客の行動や感情を正確に捉えることが難しくなります。

特に、ペルソナを複数作成する場合、それぞれのニーズや期待に応じた適切な情報を提供できなくなるリスクがあります。そのため、ターゲットの設定には細心の注意が必要です。

詳細まで作りこみ過ぎる

カスタマージャーニーマップを詳細に作り込み過ぎることは、実際の顧客体験を反映させる上で効果的な施策とは言えません。

意味を持つマップを作成するには、必要な情報に絞り、柔軟性を持たせることが重要です。

過度な詳細は、カスタマージャーニーマップの明確さを損ね、マーケティング施策の実行を妨げる可能性があるため注意が必要です。

KPIを設定しない(設定があいまい)/見直さない

カスタマージャーニーマップを効果的に活用するためには、KPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。

明確なKPIがない場合、施策の成果を測定する基準がなくなり、マーケティングの効果を評価することが難しくなります。また、KPIは市場や顧客の変化に応じて見直す必要もあります。

これにより、適切なタッチポイントでの施策を改善し、サービスの提供価値を高めるポイントを見出すことができます。

定期的にKPIを振り返り、必要に応じて調整することで、顧客に最適な体験を提供するツールとして機能させることが重要です。

カスタマージャーニーマップの活用方法

カスタマージャーニーマップは、顧客の行動や感情を可視化することで、マーケティング施策を効果的に支援するツールです。

ここでは、コンテンツマーケティング、SNSマーケティング、メールマーケティングなど、実際の活用方法についての具体例とともに解説します。

これにより、自社の商品やサービスへの理解を深め、顧客との接点を強化するための戦略を立てることが可能になります。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング_カスタマージャーニー

コンテンツマーケティングは、顧客を引き付けるための重要な戦略です。

特に、各フェーズに応じた有益な無料コンテンツを提供することで、顧客の信頼を得ることができます。

メリットとしては、ブランド認知の向上やリード獲得が期待できるため、効果的な戦略といえるでしょう。

SNSマーケティング

SNSマーケティング_カスタマージャーニーマップ

SNSマーケティングは、カスタマージャーニーマップを活用することで、顧客との接点を増やし、関連性の高いコンテンツを届ける手段となります。

まず、カスタマージャーニーに沿った手順を踏むことで、ターゲットの興味を引きつけ、エンゲージメントを高めることが可能です

メールマーケティング

メールマーケティング_カスタマージャニーマップ

メールマーケティングは、顧客との関係を深め、ターゲットに直接情報を届けるための重要な手段です。

この手法を効果的に活用するためには、カスタマージャーニーマップを使い、顧客の行動や感情に基づいたコンテンツを配信することがポイントです。

これにより、開封率やクリック率を高め、より良い顧客体験を提供することができます。

カスタマージャーニーマップを活用した支援事例

カスタマージャーニーマップは、具体的なマーケティング施策において非常に効果的に活用されます。

実際の支援事例を通じて、その活用方法や成果を見ていきましょう。

顧客の体験を可視化したカスタマージャーニーマップが、どのように企業の戦略を助けるのかを考察します。

承知しました。記事を「カスタマージャーニー」を中心に、課題・施策・成果の3点でシンプルにまとめます。

セッション数3倍!分析ツール「TACT SEO」でオウンドメディア運営を効率化|GMOデジタルラボ株式会社

課題

GMOデジタルラボ社は、オウンドメディア「デジラボ」の運営において、以下の課題に直面していました:

  • 限られたリソースでの効率的な記事作成
  • SEO効果の高い記事テーマ選定
  • Googleアルゴリズム変更後の検索順位回復
  • カスタマージャーニーの各段階に適したコンテンツ作成
  • 「GMOおみせアプリ」へのリード獲得

施策

  • カスタマージャーニーを分解し、各フェーズのユーザーに適したコンテンツを設計
  • 外部ライターサービス「サグーワークス」を活用した新規記事作成
  • SEO分析ツール「TACT SEO」を導入し、既存記事のリライトを効率化
  • キーワード設計の見直しと、テーマごとの競合分析に基づく記事作成戦略の立案

成果

  • 施策実施後6ヶ月でセッション数が3.3倍に増加
  • 検索順位が回復し、アルゴリズム変更前のピークを超える成長を達成
  • 記事作成フローの効率化により、他のマーケティング施策にもリソースを割けるように
  • 「GMOおみせアプリ」へのリード獲得のための基盤が整備され、より積極的な成約施策の展開が可能に

セッション数3倍!分析ツール「TACT SEO」でオウンドメディア運営を効率化

 

社会人サークル「ロアフレンド」が、TACT SEOとSEO内製化支援プランを導入し、施策開始4ヶ月でセッション数10倍増を達成。人員リソースがなくても「AIとの二人三脚」で内製化を図れた事例|社会人サークル「ロアフレンド」

課題

  • 低予算・少人数での効果的なマーケティング施策の実施
  • 新規顧客へのリーチ拡大
  • カスタマージャーニーに沿った適切なコンテンツ提供
  • SEO施策の内製化と効率化

施策

  • TACT SEOとSEO内製化支援プランの導入
  • カスタマージャーニーの整理と、各段階に適したコンテンツ設計
    • 潜在層向け:「飲みに行く友達が欲しい」「彼氏や彼女を探している」等のキーワード
    • 顕在層向け:「イベント参加」「趣味関連」等のキーワード
  • AI機能を活用した記事作成の効率化
  • 月7記事程度(新規3-4本、リライト3-4本)のコンスタントな記事アップ
  • 2段階のコンバージョンポイント設定
    • 第一段階:LINE友達追加
    • 第二段階:イベント参加申込

成果

  • 施策開始4ヶ月でセッション数が10倍以上に増加
  • LINE登録者数の順調な増加
  • 新規イベント参加者の増加
  • 複数の検索キーワードで順位上昇
  • リスティング広告費用の削減
  • SEO施策の内製化体制の確立

これらの施策により、「ロアフレンド」はカスタマージャーニーの各段階に適したコンテンツを効率的に提供し、オーガニック流入の増加とリード獲得の改善を実現しました。

また、AI技術を活用することで、限られたリソースでも効果的なSEO施策を展開できるようになりました。

社会人サークル「ロアフレンド」が、TACT SEOとSEO内製化支援プランを導入し、施策開始4ヶ月でセッション数10倍増を達成。人員リソースがなくても「AIとの二人三脚」で内製化を図れた事例

まとめ

本日ご紹介してきたカスタマージャーニーマップですが、的確にユーザーの行動をとらえることで、自社の課題やチャンスが見つかり、顧客獲得や自社のブランディングも可能になります。

そして、カスタマージャーニーマップを作成する上では実際にユーザーがどのような環境、行動、思考、感情で商品やサービスの購買に至るのかを調査することをおすすめします。

ウィルゲートでは、ユーザーアンケートの実施から、アンケート結果を元にしたペルソナ設計やカスタマージャーニーマップ作成のご支援をしております。
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プロモニスタ編集部
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