2017年3月14日にGoogleの検索品質評価ガイドラインが更新されました。最後の更新は2016年3月28日だったので、一年ぶりの更新です。
検索品質評価ガイドラインとは
Googleの検索エンジンはアルゴリズムによって、検索クエリに対するベストな検索結果を返そうとしています。その精度を上げるためにGoogleはアルゴリズムに年間数百回の変更・修正を加えています。
こうして、Googleの検索結果のユーザビリティをあげようとしていますが、それには定期的な観察と評価が必要になります。そのため、Googleでは外部の評価者を雇って(一般に求人されるようです)、検索結果の評価を依頼しています。その際、雇われた評価者に渡されるのが「検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)」というものです。これには、どのようなページやサイトが品質が高いと言えるのかや、何がスパムで、何が詐欺サイトなのかといった判断をするために必要な参考例などが記載されています。
かつてはこの文書そのものは社外秘でしたが、度々流出騒ぎがあったりした結果(なのかどうかはGoogleにしかわからないですが)、2015年の11月に一般に公開されるようになり、今回のものはそれから数えて3つ目のバージョンです。
項目の変更点
2016年3月版のものと比べて下記の点で変更が行われているようです。
追加された項目
- 7.9 : Promotion of Hate or Violence(ヘイトや暴力を推進するもの)
- 14.6 : Upsetting-Offensive Flag(侮辱的-攻撃的なもの)
主に追加されている大きな項目はこの2つの追加のようです。一部表現が変わったり、評価ツール(評価時に使うもの)の使用説明に関する部分の変更はのぞいています。
下にそれぞれどのような内容が記載されているのかを翻訳して記載します。
ヘイトや暴力を推進するもの
ページ唯一の目的が、人種や民族、宗教、性別、国籍、身分、障害、年齢、性的指向、兵役経験などを含む人々に対して、ヘイトや暴力を撒き散らすようなものだとしたら、最低レベルの評価にしてほしい。ヘイトや暴力を主張するウェブサイトは、現実世界での危害の原因となりえるからだ。
侮辱的-攻撃的なもの
インターネットには、多くの人々が攻撃的、侮辱的だと感じるコンテンツも存在する。付け加えるなら、ありとあらゆる年齢、性別、人種、宗教に属する人々がインターネットを通じて世界を理解したり、他の人々の観点を学ぼうとする。ときにユーザーはセンシティブな(差別やヘイトにつながりやすい)クエリで検索をすることもあるが、それはそういったことを行う人間やそのもの自体に対しての理解を深めるためのこともある。検索エンジンはユーザーが探している情報に適切にアクセスできるために存在しているのである。
あなた(の住んでいる地域)の観点から見て攻撃的・侮辱的なコンテンツを含むすべての検索結果に侮辱的ー攻撃的フラグ(評価者の仕事の1つ)をつけてほしい。仮にその結果が検索ユーザーの求める情報として適切であったとしてもだ。
変更された項目
- 3.1 : Page Quality Rating: Most Important Factors(ページ品質評価:最も重要な要因)
変更された中でも、いちばん重要なものがこの一節でしょう。
2016年3月版では以下のような表現でした。
- メインコンテンツの品質と量
- ウェブサイトの情報と誰がその情報に責任を持っているのか
- ウェブサイトの評判
- 専門性・権威性・信頼性
それが、最新バージョンでは下記のように変更されました。
- 専門性・権威性・信頼性
- メインコンテンツの品質と量
- ウェブサイトの情報と誰がその情報に責任を持っているのか
- ウェブサイトの評判
ご覧の通り、中身は変更されていませんが、順番が入れ替わっています。
今まで「メインコンテンツの品質と量」が一番上に来ていたものが入れ替わり、一番下にいた「専門性・権威性・信頼性」が一番上に来ています。
ここ最近、Googleは嘘ニュースに対する対策すすめるなど、情報の正確性に以前より力を入れ始めました。
また日本独自ではありますが、情報の信頼性を考慮に入れるアップデートを行ったりもしました。
世界最大の検索エンジンとして、正しい情報をいかに判断するのかが大切になってきたということでしょう。
まとめ
前提として留意してほしいことは、このガイドラインをつかって行われる評価自体に、検索結果を左右する力はないということです。
たとえある評価者が、「この検索結果はおかしい」と評価しても手動でその検索結果が変わることはないはずです。
これはあくまでも、Googleのアルゴリズムの正確性や有用性を評価するためのもので、仮に検索結果評価が悪かったら、次のアルゴリズム変更に応用されるという使われ方をします。
つまり、ここに新しく追加された項目と言うのは、次にGoogleがアルゴリズムの項目に入れようと考えている、もしくはすでに実験的に導入していて評価をしたいものという見方もできます。
日本では米国ほど人種問題などが大きく取り上げられることはありませんが、それでもヘイトや攻撃的な発言などは度々問題になることもあります。
Googleの常套句である「より良いコンテンツ」の質も、時代や時事問題によって日々変化していくのだということを心の片隅においておくといいでしょう。
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