ブラックハットSEOとは検索エンジンのアルゴリズムの隙を突いて、SEO評価を不正に向上させようとする手法のことです。
以前は一定のSEO評価を得られるものでしたが、検索エンジンが発達した現在では反対にペナルティの対象となってしまいます。
ブラックハットSEOとはどのような手法なのかを正しく理解していないと、知らず知らずのうちにブラックハットSEOを行ってしまい、ペナルティを受けてしまう可能性があります。
「ブラックハットSEOってそもそも何?」
「ブラックハットSEOの手法にはどのようなものがあるの?」
本記事ではこのような疑問に答えます。
ペナルティを受けるブラックハットSEOについて理解し、Googleに評価されやすいサイト運営に役立ててください。
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ブラックハットSEOとは?
ブラックハットSEOとは、検索エンジンアルゴリズムの裏をかいた悪質な方法で検索順位を上げようと試みるSEO手法のことです。
質の低いコンテンツを検索上位に表示させようとするため、「ユーザーにとって有益な情報を優先的に掲載する」というGoogleの方針に逆らうものです。
このためGoogleはブラックハットSEOに対して厳しいペナルティを与えています。
実際に「Webマスター向けガイドライン」の中の「品質に関するガイドライン」でブラックハットSEO手法を紹介しており、Googleが推奨しない方法として注意喚起しています。
参考:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
ブラックハットSEOの歴史
近年は検索エンジンの精度がかなり高くなっており、アルゴリズムの裏をかいたブラックハットSEOは通用しなくなっています。
しかしながら、以前はGoogleの検索アルゴリズムの基準が厳しく設けられていなかった時代もあり、ブラックハットSEOが効果的な手法として横行していたことがあります。
その結果、低品質な記事が上位を占めることになってしまったため、Googleは検索エンジンのアルゴリズムを変更することでブラックハットSEOを取り締まるようになりました。
代表的な例で言えば、過去に下記のような大規模なアルゴリズムのアップデートを行い、ブラックハットSEOへの対策を行っています。
- パンダアップデート
2011年2月に初めて実施
低品質なコンテンツで構成されたWebサイトの検索順位を下げ、良質なコンテンツで構成されたWebサイトの検索順位を上げることが目的のアップデート
- ペンギンアップデート
2012年4月に初めて実施
ブラックハットSEOを実施しているWebサイトの順位を下げるアップデート
主にリンクに対するブラックハットSEOの手法を取り締まる
参考:「パンダとペンギンアップデート」の違い Googleガイドラインを理解してペナルティを回避
過去のようにアルゴリズムの隙を突くような対策は、現在では意味を成さなくなっています。
ユーザーファーストを意識し、コンテンツの質を高めるサイト運営を心がけるようにしましょう。
ホワイトハットSEOとは
ブラックハットSEOと対になる手法として、ホワイトハットSEOがあります。
ホワイトハットSEOとは、質の高いコンテンツを作成してサイト・ページを充実させ、検索エンジンから高いSEO評価を得るための手法のことを言います。
ホワイトハットSEOは、ユーザーの利便性を第一にとらえ、高品質なコンテンツを作成することでSEO評価の向上を目指す手法で、現在の主流となっています。
Googleが公表している「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」、「Google検索品質評価ガイドライン」など、Googleが推奨するガイドラインに則ってコンテンツ・サイト作成を行うようにしましょう。
▼SEOについて詳しく知りたい方はこちら
ブラックハットSEOの手法
ブラックハットSEOの手法を理解していないと、知らず知らずのうちにペナルティを受けてしまう恐れがあります。
ホワイトハットSEOを徹底するためにも、ペナルティを受けるブラックハットSEOの手法を理解しておくことが重要です。
過去に横行していたブラックハットSEOは大きく分けて次の2種類のものがあります。
- リンクに関するブラックハットSEO
- コンテンツに関するブラックハットSEO
それぞれ詳しく紹介します。
リンクに関するブラックハットSEO
リンクに関するブラックハットSEOの手法は具体的に以下のようなものがあります。
- リンクの購入
- リンクファーム
- 隠しリンク
- コメントスパム
リンク獲得はSEO評価向上に非常に重要な対策の1つですが、然るべき手法で獲得しないとペナルティを受ける可能性があります。
それぞれ詳しく解説するので、適切な方法で被リンク獲得に励むようにしましょう。
リンクの購入
現在ではSEO評価向上を目的にリンクを売買すると、ペナルティを受ける恐れがあります。
ウェブマスター向け検索ガイドラインの「リンクプログラム」の項目には、リンクの売買には次が含まれると記載されています。
- リンク自体やリンクを含む投稿に関して金銭をやり取りする
- リンクに関して物品やサービスをやり取りする
- 特定の商品について記載しリンクを設定してもらうのと引き換えにその商品を「無料」で送る
以前はリンクの売買サイトが生まれ公にリンクの売買が行われていた時代もありましたが、現在は認められていません。
ただし、被リンク獲得はSEO評価向上のために重要な施策となっています。
売買にあたらない方法で被リンクを獲得すればSEO効果が見込めます。
▼被リンク施策について詳しく知りたい方はこちら
リンクファーム
リンクファームとは、相互リンクを目的に過剰なリンクが集まったサイト・ページ群のことを指します。
被リンクを増やす目的で作成されたページ・サイトで、コンテンツはほぼなくユーザーにとっては役に立たないものであるため、現在ではペナルティの対象となります。
被リンク獲得によるSEO評価向上のために横行していた手法ですが、Googleガイドラインの「リンクプログラム」内で明確に禁止されています。
外部リンクの設置や被リンクは、サイトのテーマ性に合ったものであることやコンテンツの設置場所が適切であることも重要になっています。
外部リンクはユーザーのコンテンツ理解を深めるために設置する必要があるので、コンテンツの内容に関係のない外部リンクは設置しないようにしてください。
隠しリンク
隠しリンクとは、ユーザーが見えない場所や設置方法で外部リンクを設置してSEO評価を得ようとする手法のことです。
HTML上ではaタグによってリンクを設置できますが隠すことも可能なため、見た目上は通常のサイトでも大量の外部リンクが設置されていることがあります。
「隠しテキストと隠しリンク」では、順位操作を目的とした隠しリンクの設置が禁止されています。
具体的には下記のような手法によるリンクの設置はペナルティの対象となります。
- 白の背景で白のテキストを使用する
- テキストを画像の背後に置く
- CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
- フォントサイズを 0 に設定する
- 小さな 1 文字(段落中のハイフンなど)のみをリンクにしてリンクを隠す
このほかにもブログパーツにリンクを仕込んで配布することで、設置先サイトからのリンクを獲得する手法も隠しリンクに当たります。
かつてはブログを装飾できるパーツが数多く出回っていましたが、中にはパーツ内に外部リンクを仕込んだ悪意のあるブログパーツも存在していました。外部リンクがあることは設置する側にわからないようになっていることが多く、たとえ設置する側に悪意がなくても意図せずに被リンクを提供していることがありました。
現在では少なくなっていますが、提供元がはっきりしないパーツやプラグインは使用しないようにしましょう。
コメントスパム
コメントスパムとは、Webサイトのコメント欄にて、投稿内容とは関係のないテキストやリンクを貼り付けて被リンクを獲得する手法のことを指します。
全く関係のないリンク入りのコメントが書き込まれ、ユーザーにとって有益なコメント欄ではなくなるため禁止行為になっています。
コメント欄を設置しているサイトでは、悪意のある第三者からコメントスパムの被害を受ける可能性があります。
Googleでは公式ガイドライン上で「コメントスパムを防止する方法」として以下の方法を公開しています。
- ゲストブックやコメントを有効にする際は十分に検討する
- コメントおよびプロフィール作成の管理を有効にする
- スパム対策ツールを使用する
- nofollow 属性、またはより具体的な属性を使用する
- 信頼していないコンテンツが Google 検索に表示されないようにする
- コミュニティからヘルプを得る
- ブロックリストを使用してスパム行為の繰り返しを防ぐ
- スパム行為のあるコンテンツがないかサイトを監視する
コメント欄はユーザーの声を反映できるものですが、コメントスパムの被害を受ける可能性もあるため、事前に対策を行うようにしましょう。
コンテンツに関するブラックハットSEO
リンクだけでなく、コンテンツにおいてもブラックハットSEOは存在します。
主に下記のような手法はブラックハットSEOに該当します。
- 隠しテキスト
- コピーコンテンツ
- ワードサラダ
- 不正なクローキング
- 不正なリダイレクト
とくにSEO評価向上を目的として文脈に関係のない流れでキーワードを盛り込みすぎるとペナルティの対象となる可能性があります。
それぞれ詳しく解説します。
隠しテキスト
隠しテキストとは、テキストをユーザーからは見えない、または見えづらいようにしつつ、検索エンジンには読み取られるようにテキストを設置する手法のことを指します。
隠しテキストは前述した隠しリンクと同様で、以下のようなテキストの設置方法は、隠しテキストとしてペナルティを受けます。
- 白の背景で白のテキストを使用する
- テキストを画像の背後に置く
- CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
- フォントサイズを 0 に設定する
- 小さな 1 文字(段落中のハイフンなど)のみをリンクにしてリンクを隠す
参考:隠しテキストと隠しリンク
ユーザーが得られる情報と検索エンジンに伝えられる情報が異なると、Googleの検索ガイドラインに違反し、ペナルティを受けます。
検索エンジンが読み取るコンテンツとユーザーが読むことができるコンテンツに違いが発生しないように注意してください。
コピーコンテンツ
コピーコンテンツとは、他のサイト・ページのコンテンツをコピーして、自サイトに掲載する手法のことです。
Googleは独自性のあるコンテンツ内容を重視しているためペナルティの対象となります。
Googleでは以下のコンテンツ・サイトをコピーコンテンツとしてみなしています。
- 他のサイトのコンテンツをコピーし、独自のコンテンツや付加価値を加えることなく転載しているサイト
- 他のサイトのコンテンツをコピーし、(語句を類義語に置き換えたり自動化された手法を使用したりして)若干の修正を加えた上で転載しているサイト
- なんらかの独自の体系付けやユーザーへの利便性を提供することなく他のサイトからのコンテンツ フィードをそのまま掲載しているサイト
- ユーザーに実質的な付加価値を提供することなく、他のサイトの動画、画像、その他のメディアなどのコンテンツを埋め込んだだけのサイト
引用:無断複製されたコンテンツ
コピーコンテンツは、検索エンジンのペナルティの対象となるだけでなく、著作権法にも違反するため賠償責任が発生する可能性もあります。
コンテンツを引用する場合は、引用箇所とわかるように示し、さらに引用だけでコンテンツを作成しないように注意してください。
参考:質の低いコンテンツ
ワードサラダ
ワードサラダとは「文法は間違っていないが、文章として意味が破綻している、システムで自動生成されたテキストコンテンツ」のことです。
検索順位を上げるために、サラダのように単語を盛り込んだコンテンツを大量に自動生成し、手間をかけずに被リンクを増やす際に用いられていました。
文法としての誤りがないために以前は検索エンジンがスパム判定できず、以前は一定のSEO効果がありました。
ただし、検索エンジンの精度が向上した現在では、以下のようなコンテンツは自動生成されたものとして認識できるようになっています。
- 検索キーワードを含んでいるが、文章としては意味をなさないテキスト
- 自動化されたツールで翻訳されたテキストが人間によるチェックや編集を経ず公開されたもの
- マルコフ連鎖などの自動処理によって生成されたテキスト
- 自動化された類義語生成や難読化の手法を使用して生成されたテキスト
- Atom / RSS フィードや検索結果からの無断複製によって生成されたテキスト
- 複数のウェブページからのコンテンツを、十分な付加価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりしたもの
引用:自動生成されたコンテンツ
コンテンツを作成する際は機械化せず、ユーザーのためになるよう時間をかけて作成する必要があります。
▼ワードサラダについて詳しく知りたい方はこちら
ワードサラダはSEOに悪影響を及ぼすのか?誕生した背景も解説
不正なクローキング
クローキングとは人間のユーザーと検索エンジンに対しそれぞれ異なるコンテンツまたは URL を表示することを指します。
下記のような場合がクローキングに該当します。
- 検索エンジンには HTML テキストのページを表示し、人間のユーザーには画像のページを表示する。
- ページをリクエストしたユーザー エージェントが人間のユーザーではなく検索エンジンである場合にのみ、ページにテキストやキーワードを挿入する。
引用:クローキング
同じURLで異なるHTMLを出力する動的ページなどはクローキングのリスクがあります。
動的な配信方法を採用する際は配信方法などに注意し、クローキングとならないようにしましょう。
参考:動的な配信
不正なリダイレクト
不正なリダイレクトとは、検索エンジンを欺いて不正にSEO効果を得るために、ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示するためのリダイレクト処理のことを指します。
そもそもリダイレクトとは、ユーザーから最初にリクエストとは異なるURLに遷移させることを指します。
ページの場所を移し替えたり、URLを変更したりしたときに、ユーザーが目的のページにたどり着けるようにする処理のことです。
本来はユーザーのために行われるリダイレクトですが、下記のような場合は不正なリダイレクトに該当します。
- 検索エンジンには 1 つのコンテンツ タイプが表示されるが、ユーザーはまったく違うコンテンツにリダイレクトされる。
- PC ユーザーには通常のページが表示されるが、モバイル ユーザーはまったく別のスパムドメインにリダイレクトされる。
引用:不正なリダイレクト
URLにアクセスした時に、ユーザー、検索エンジン、デバイスにかかわらず、皆が同じコンテンツを閲覧できることが理想であるため、不正なリダイレクトを行わないようにしましょう。
まとめ
本記事ではブラックハットSEOについて解説しました。
ブラックハットSEOとは、検索エンジンの隙をついて不正にSEO評価を向上させようとする手法のことです。
ブラックハットSEOの主な手法として以下のようなものがあります。
- リンクの購入
- リンクファーム
- 隠しリンク
- コメントスパム
- 隠しテキスト
- コピーコンテンツ
- ワードサラダ
- 不正なクローキング
- 不正なリダイレクト
以前はブラックハットSEOでも一定の効果が得られていました。しかし検索エンジンのコンテンツ・サイト理解の精度が向上した現在では、ブラックハットSEOは効果が得られないうえ、反対にペナルティの対象となっています。
現在ではユーザーファーストを徹底し、ユーザーにとって有益なコンテンツ・サイト作成にこだわったホワイトハットSEOが重要です。
たとえ新たな検索エンジンの隙を突く手法を生み出しても、いずれGoogleに対策される可能性が高いため、ホワイトハットSEOにこだわってサイト作成を行うようにしましょう。
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