「CPAってなんのこと?」「CPAの正しい設定方法は?」と、広告の運用に悩んでいませんか。
CPAとは「Cost Per Action」の略で、1件の成果獲得(CV/コンバージョン)にかかるコストのことです。
Webマーケティングや広告運用をするうえで欠かせない指標で、計算方法を知っておけば広告の費用対効果を計算できます。
本記事ではCPAの基礎知識から必要な理由、目標値の設定方法について初心者の方でも分かるよう解説します。
1『SEOコンサルティング』:サイト全体の戦略設計からプロが伴走
2『SEO内製化支援プラン』:正しいSEOの知識で内製化を実現
3『Webコンサルティング』:サイト改善によるCV創出で成果最大化
目次
CPA(顧客獲得単価)とは?
CPA(顧客獲得単価)とは、1件の成果獲得(CV/コンバージョン)にかかるコストのことです。
「Cost Per Action」の略で、日本語では「顧客獲得単価」という意味を指します。
コンバージョンとは広告をクリックしたユーザーから成果を獲得したことを意味しており、具体的には商品購入・サンプル商品購入・無料登録などWebサイトで獲得する最終的な成果です。
つまり、1件の商品購入や無料登録などを獲得するために、どれほどの広告費用がかかったのかを指します。
最終的な成果の獲得は、売上や利益に直結します。
CPAを抑えることは、費用対効果の高い広告運用につながると言えるでしょう。
計算方法
CPAの計算式は、以下のとおりです。
▼計算式
CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン件数
広告費用は、リスティング広告やSNS広告、アフィリエイト広告などにかかったコストのことです。コンバージョン件数は、商品・サービスの購入や資料請求、イベントのお申し込みが発生した数のことを指します。
算出する際に注意すべきなのは、コンバージョンのハードルが高いほど、CPAは高くなる傾向にある点です。例えば10万円の商品の購入と、無料の資料請求を比べると、商品購入のほうが圧倒的にCPAが高くなります。
そのため最終的なコンバージョン地点を考慮して、うまくCPAを計算する必要があります。
CPAの具体例
CPAの具体例をまとめました。
▼具体例
例:広告費予算100万円 コンバージョン件数1,000件の場合
100万円 ÷ 1,000件 = 1,000円
このとき、100万円の広告費をかけて、1,000件のコンバージョンを獲得できていることが分かります。前述で解説した計算式でCPAを算出すると、1件あたりのCPA(顧客獲得単価)は1,000円と算出できます。
ちなみにSEO対策やSNS運用などの施策でも上記のような具体例でCPAを算出できますが、あくまで参考指標程度で捉えておくことが大切です。理由はシンプルでWebマーケティング施策の性質上、CPAを算出しにくいからです。
ただしSEO対策やSNS運用のような施策だとしても、CPAの値を決めておくと効果的に運用できているかの判断材料となります。仮説でもいいので、施策を実施する際は決めておくとよいでしょう。
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業界別|CPAの参考数値一覧表
自社が属している業界によって、CPAは異なります。商品・サービスの販売金額やコンバージョンのポイント、ターゲット人口(求めている人が多いか)が異なるからです。
例えばコンサルティング業界で広告を運用する際に、コンバージョン地点を受注と定めた場合、ユーザーがそこに至るまでのハードルは高いため、CPAも必然的に高くなる傾向にあります。会員登録などは、受注に比べるとユーザーがコンバージョンに至るまでのハードルが下がるのでCPAも低くなります。
また同じ業界だとしても、販売している商品の種類によってCPAは異なります。ジュエリー業界で比較的安めのカラーストーンを取り扱っている場合はCPAが低くなり、高級な宝石を扱っている場合はCPAが高くなるようなイメージです。
きちんと広告で成果を出すためにも、自社が属する業界のCPAの相場を理解するようにしましょう。
以下の表は、Googleが2022年2月に発表した業界ごとのCPAの相場です。ぜひ自社のCPAを決める際の参考にしてみてください。
業界 | CPA |
自動車 | 4,537円 |
BtoB | 15,719円 |
教育 | 9,840円 |
金融・保険 | 11,090円 |
不動産 | 15,782円 |
旅行 | 6,054円 |
※上記の金額は2022年12月時点の$レートを円に換算した金額です
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
CPAが必要とされている理由
CPAは広告出稿の費用に対して、どの程度の顧客単価で見込み顧客を獲得できたのかを判断する時に使用する重要な指標です。
CPAの目標値を設定せずに広告運用すると、費用対効果を正確に計測できないまま予算を消費することになりかねません。
CPAの目標値を設定することで、費用対効果を正確に計測することができるかつ、以下のような改善施策が実施しやすくなります。
- 広告やキャッチコピー、ターゲットなどの広告設定の見直し
- ランディングページの改善
- 広告予算の策定とシミュレーション
CPAと似た指標
マーケティングのなかにはCPAとよく似た広告の費用対効果を測る指標があります。
なかでもCPOとCPRはCPAと混同しやすいため、違いを理解しておくべきです。
CPO
CPOとは「Cost Per Order」の略で、1人の新しいユーザーに商品やサービスを購入してもらうためにかかった広告費用のことです。
日本語だと、新規顧客の獲得単価と呼ぶこともあります。
1件の受注を獲得するためにかかった広告費を表し、CPOの値は「広告費÷受注件数」で算出できます。
例えば、100万円の広告費予算で500件の新規購入があったときのCPOを計算しましょう。
CPO = 100万円(広告費) ÷ 500件(受注件数) =2,000円
単価2,000円より高い商品であれば利益が出ますが、単価2,000円以下の商品であれば赤字になる計算です。
しかし、サブスクリプションの入会やリピート購入が見込めるのであれば、長期的に見ると利益が出るため問題ないと考えられることもあります。
新規顧客の獲得のためにいくら先行投資しているのかは明確に把握しておく必要があり、CPOの指標が役立ちます。
CPR
CPRとは「Cost Per Response」の略です。
レスポンスとは、無料登録や無料サンプルの申し込みを指します。
つまり、CPRとは1件のレスポンスを得るためにかかった広告費で、「広告費÷レスポンスの件数」で算出できます。
100万円の広告費予算で1,000件の無料サンプルの申し込みがあったときのCPRを計算してみましょう。
CPR = 100万円(広告費) ÷ 1,000件(受注件数) =1,000円
CPAやCPOと差がないようにも思えますが、CPRは「無料」「お試し」に対するアクション数をもとに計算します。
例えばD2C(EC通販)ビジネスでは、まずは無料サンプルを試してもらってから商品の購入や定期コースの契約などに引き上げるマーケティング手法が普及しています。
商品購入自体の獲得単価とあわせて、その前段階の無料お試し申込単価を計測し、改善に活かす際に用いられる指標です。
CPAとあわせて理解しておきたい指標
CPAと一緒に理解しておくと、Webマーケティング活動のシーンで役立つ指標をまとめました。
指標名 | 概要 |
CVR | コンバージョンレートの略称。アクセスしてきたユーザーのうち、どれくらいの数が購入やお問い合わせなどのゴールに繋がったのかを表す割合のこと |
CAC | 一人当たりの顧客獲得単価を算出する際の指標。主に事業者やサービス視点で用いられるため、CPAとは使われるシーンが異なる |
ROI | Return On Investmentの略称。投資した広告費用に対して、どれだけの利益を生み出したのかを表す指標 |
ROAS | Return On Adverisingの略称。広告の費用対効果を表す際に用いられる指標。利益から算出するROIに対し、ROASは売上から算出する |
特にROIを理解できるようにしておくと、現状のCPAの設定で利益が出ているのか把握しやすくなります。慣れていないとややこしく感じますが、今後のWebマーケティング施策のためにも覚えておくとよいでしょう。
CPAの目標値の設定方法
広告を打ち出して顧客を獲得するときには、CPAの目標値を事前に決めておきましょう。
なぜなら、後から期待していた効果が得られたか確認できるからです。
CPAの目標値を設定するときは、広告費用や商品の原価はもちろん、人件費なども計算に含めることで実情に沿った利益が導き出せます。
そもそも広告は利益をもたらすための手法であり、広告によって損失が出ることは本末転倒です。
限界CPAの概念を知り、計算したうえで目標CPAを設定するようにしましょう。
続いて、CPAの目標値の設定方法について解説します。
限界CPA
限界CPAとは、1件の成果(CV/コンバージョン)を得るためにかけられる上限額のことです。
限界CPAは「売り上げ単価-原価-経費」で算出できます。
この金額を超えたら赤字になってしまう、というラインを指します。
例えば、売り上げ単価が5,000円、原価1,000円、経費が1,000円だった場合、計算式は以下のとおりです。
5,000円 – 1,000円 – 1,000円 = 3,000円
このとき、限界CPA は3,000円です。
3,000円以上のCPAだと赤字になってしまうことが分かります。
目標CPA
目標CPAとは、1件の成果(CV/コンバージョン)を得るためにかける費用の目標金額のことです。
限界CPAで算出した数値を念頭に、どの程度広告費として使えるかを判断して目標CPAの数値を決定します。
目標CPAは「限界CPA-目標利益額(確保したい利益額)」で算出できます。
例えば、限界CPAが3,000円で、目標利益額が1,500円なのであれば、目標CPAを導く計算式は以下のとおりです。
3,000円 – 1,500円 = 1,500円
このときの目標CPAは1,500円です。
限界CPAはあくまで赤字にならないためのデッドラインであるため、獲得したい利益から逆算して目標CPAを設定しましょう。
CPAを設定する際に気をつけるべきポイント
CPAの設定で大事なのは、CPAという指標に囚われないことです。指標の数字に囚われすぎてしまい、利益が出ていなければいつまで経っても経営活動は良くなる方向に進んでいきません。
本質は利益を生み出すことです。CPAはあくまでその過程に至るまでの参考となる数字にしかすぎません。
このように考え方次第で、Webマーケティングの成果は大きく変動します。利益を出すという本質を念頭において、CPAを算出するようにしましょう。
まとめ
本記事ではCPAの基礎知識から必要な理由、目標値の設定方法について分かりやすく解説しました。
CPAとは、1件の成果獲得(CV/コンバージョン)にかかるコストのことです。
CPAの概念や計算方法を知っておけば、広告の費用対効果が高いか低いかを判断できます。
広告を打ち出すときには目標CPAを設定しておくことで、振り返りに活用することが可能です。
改めてCPAの重要性を理解し、自社のCPAを知って広告が適切であるかどうかを判断しましょう。
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