Googleのアルゴリズムが複雑化している昨今、小手先のSEOが通用しなくなってきていると感じている方も多いのではないでしょうか?同時にGoogleアナリティクスのnot providedの比率が高まったり、Googleがページランクの公開を停止したりと、サイト運営側からすると向かい風のニュースも多いと思います。
今回は、SEOの分析を行うにあたり非常に便利なツールであるahrefs(エイチレフス)の使い方を一挙大公開したいと思います。使いこなせると自社分析・競合分析ともに一気に捗るので、これを機に是非マスターしてください。
目次
ahrefsの概要
ahrefsとは?
ahrefsとは、ウクライナとシンガポールの多国籍企業が開発提供しているツールです。1日最大60億ページのクローリングを行っているそうで、膨大な量のバックリンクデータを保有しています。ちなみにこの60億ページ/日というのはGooglebotの3倍ほどの規模にあたるそうです。
引用:ahrefs
ahrefsで何ができるのか
そんなahrefsで何ができるのか以下にざっくりまとめてみました。
今回は、有料(Agency Loyal)プランのアカウントを利用してご説明させていただきます。
- 競合サイトがどんなキーワードで上位表示しているのか知る
- ナチュラルリンク集めの参考に競合がどんなところからリンクを貰っているのか知る
- 自社サイトのどのページが1番リンク獲得できているのか知る
- どんなところからリンクを貰っているのか知る
- 特定キーワードの上位表示ページの傾向を知る
枚挙に暇がありませんが、一度使うと手放せなくなるこちらのツール、今回はその中でもわたしがお客様へのアドバイス時によく使用する機能をいくつか説明していきたいと思います。
ダッシュボードでSEO対策状況の全体像を把握する
最初に紹介するのは「ダッシュボード」という機能です。競合サイトのSEO対策の状況を調査するために使うことができます。
「①Site Explorer」> 「②ダッシュボード」にあります。
被リンク数の推移を見る
ダッシュボードでは対象サイトの被リンク数の推移を見ることができます。
例えば以下は私たちが運営するプロモニスタのリンク元ドメイン数(どれくらいのWebサイトからリンクを貰っているか)の数値の推移です。
今年の2016年1月と比べて伸びているのがおわかりいただけるでしょうか?
外部リンクは今でもGoogleが重視している重要指標ですが、こうして増やしていくことができれば自ずと成果にもつながっていくものだと考えています。
オーガニックキーワード数の推移
被リンクは増えているみたいだけど、実際それが流入に繋がらなければ全く意味はないとあなたは考えるでしょう。ごもっともです。ahrefsでは実は流入に関しても見ることができるのです。
以下は、同じく「プロモニスタ」のオーガニックトラフィックの推移です。
2016年の4月くらいを境に伸びているのがわかるかと思います。
もちろん、こちらのオーガニックトラフィックは概算値であり、正確な数値ではありませんが、サイトの傾向をつかむには十分に使えると思います。
競合サイトをいくつか調べてみると、実はじわじわ成長しているサイトが見つかるかもしれませんね。
Backlink profileで獲得しているリンクを調査する
ダッシュボードでは、各サイトの直近の概要を調べることができました。
ここでご紹介するのは各サイトが獲得している外部リンクの詳細です。
ここではその中でも3つをご紹介します。
被リンク
「被リンク」の機能ではどれくらい量の、どんなリンクを、いつ頃獲得したのかを調べることができます。
例のごとくプロモニスタの被リンクを調べてみました。
項目について少し解説をしますと
- 「Referring page」・・・どのページからリンクが貼られているのか
- 「DR」・・・Referring pageに記載のあるドメインの強さ
※ahrefs独自指標で1~100まであり、高ければ高いほど外部評価が高い - 「UR」・・・Referring pageに記載のあるURLの強さ
※ahrefs独自指標で1~100まであり、高ければ高いほど外部評価が高い - 「Anchor and backlink」・・・そのリンクのアンカーテキストとどのページにリンクが貼られているのか
- 「First seen」・・・ahrefsが最初にそのリンクを見つけた日付け
- 「Last check」・・・ahrefsが最後にそのリンクを確認した日付け
なんだか横文字だらけで複雑かもしれませんが、「どのページからどんなリンクが貼られているのかを把握できるところ」と覚えておけばとりあえずは問題ありません。
ちなみにもう少し使いこなすと、対象サイトのFirst seenを古い順に並び替えてそのサイトが昔どんなところからリンクを獲得していたのかのリンク構築戦略を分析したり、URを高い順に並び替え、競合サイトがどんな強いページからリンクを貰っているのかを分析したりすることもできます。
※競合より良いコンテンツを作ることができれば、あなたのwebサイトもそういったリンクを獲得できるチャンスを得るかもしれないですね!
リンク元ドメイン
どのようなサイトからリンクをもらっているのか調査することができます。先程の「被リンク」との大きな違いは、1つのサイトからでどれくらいリンクを獲得しているのかを調査することができる点です。
例えばプロモニスタだと、家電会議さんからリンクを貰えているようなのですが、以下のように、家電会議さんのどんなページからリンクを貰えているのかがわかります。
これをうまく活用することができれば、競合がどんなドメインからリンクを獲得しているのかの傾向調査にも使えますし、また、どんな記事からのリンク獲得が見込めるのかのアタリもつけられます。
アンカーテキストを調査
3つ目に紹介するのがアンカーテキスト分析です。調査対象サイトが、どんなアンカーテキストでリンクを貰っているのかを一覧化することができます。また、右上の検索窓にキーワードを打ち込むと指定のキーワードを含んだアンカーテキストに絞り込むことができるため、競合比較に活用することができます。
例えば以下はプロモニスタで調査時に「コンテンツマーケティング」で絞り込んだ結果です。
一方、以下は「コンテンツマーケティング」で1位に上がっている「コンテンツマーケテイングラボ(http://contentmarketinglab.jp/)」さんの同じデータです。
左上に「フレーズ」という項目があると思いますが、「コンテンツマーケテイングラボ(http://contentmarketinglab.jp/)」さんの方が「コンテンツマーケティング」を含む様々なフレーズでリンクを貰えているのがおわかりいただけるかと思います。
こちらのアンカーテキストを参考にしながら、競合サイトが獲得しているようなアンカーテキストでリンクをもらえるようにコンテンツ設計をしたりもできるかもしれませんね。
Organic searchで自然検索キーワードの順位推移を確認
なんとaherfs、バックリンク調査ツールかと思いきや、調査サイトの上位表示キーワードも一部調査することができるのです。
以下詳細です。
オーガニックキーワード
どんなキーワードで上位表示しているのか、またそのキーワードにおける順位推移もチェックすることができます。
以下が、プロモニスタの「オーガニックキーワード」です。
この記事を執筆している2016年12月18日時点では「sitemap」で2位。「コンテンツマーケティング」で6位です。大まかな検索回数(Volume)や、クリック率から想定したトラフィックもみることができます。
実はこのオーガニックキーワード、特定キーワードの順位推移も見ることができます。
「コンテンツマーケティング」というキーワードにおけるプロモニスタの検索順位の推移です。
2016年1月時点では全く順位は付いていなかったのですが、順調に順位を上げているのがおわかりいただけるかと思います。また、画像左下に幾つかURLが書いてあるかと思いますが、どのページが100以内にランクインしていたのかも見ることができるのです。
Top pages
先程のオーガニックキーワードはあくまでキーワードをベースにサイトの状況を調べましたが、こちらのTop pagesはどの”ページ”がSEOで強いのか、またそのページはどんなキーワードで上位表示しているのかを調べることができます。
以下、プロモニスタの事例です。
「promonista.com/glossary-sitemapxml/」のページが1番上にあり
「promonista.com/width-of-site/」がその次に来ています。ページごとの想定トラフィックも記載があります。
更に「キーワード」の欄にあるプルダウンをクリックすると・・・
すごいと思いませんか?そのページで他にどんなキーワードで上位表示しているのかも知ることができます。
こちらのページ、当然ですが「sitemap」で上位表示すれば良いなと思って作成した記事ですが、結果として、それ以外にも様々なキーワードで流入を得ているのがわかります。これがまさにコンテンツSEOですね。
下層ページ分析で高パフォーマンスなページを見つける
下層ページでは、調査対象サイトの各ページがどれくらいのリンク、及びソーシャルでの注目を集めているのかを調査することができます。
ここではその中から1つだけ機能をご紹介します。
Best by links
ページ毎にどれくらいリンクを集めているのかを調査することができます。
以下、プロモニスタの事例です。(見やすいようにHTTPステータスコード200のリンクのみに絞っています。)
これだけだと訳がわからないと思いますのでいくつか用語解説しますと・・・
「RD」・・・何サイトからリンクを貰っているか
「Dofollow」・・・外部リンクとして評価が受け渡されるリンク数
「Nofollow」・・・外部リンクとして評価が受け渡されないリンク数
つまりプロモニスタのTOPページ(promonista.com)は57ドメインからリンクを貰っており、リンクとして有効リンク数が25,668本、無効な本数が42本と見ることができます。
また、こういった記事型のメディアの場合、下層ページがどれだけリンクを獲得できているかも重要です。
例えば私たちのプロモニスタの場合ですと、「Google検索アルゴリズム261項目完全分析 “SEOの全て” (promonista.com/google-algorithm/)」のページがプロモニスタ内のページではTOPページの次に多くのリンクを集めていることになります。
SEO業界用語で、このように自然リンクを獲得していくことをリンクビルディングと言います。
あなたの競合サイトは一体どのページがリンクを集めているのでしょうか?気になりませんか?
Keywords explorerで特定キーワードの検索結果TOP10サイトを丸裸に
最後の機能紹介です。ここまで「Site Explorer」というツールの機能を紹介してきましたが、ここでご紹介するのは「Keywords Explorer」です。
キーワード毎のTOP10のドメインの強さを調査
大きな検索窓が出てくると思いますので、ここに指定キーワードを打ち込みます。すると以下のような画面がでてきます。
下の方までクロールしていただくと以下のような画面が出てきます。
「10 organic results」とあるように、「コンテンツマーケティング」の検索結果TOP10の比較画面です。
よく見ている項目の一部を紹介します。
①DRと②URは上位表示ページのドメイン自体の強さと上位表示ページの強さを比較しています。やはり全体的にプロモニスタの上位にいるページの方が数値は高いですね。
また③Kwはそのページで「コンテンツマーケティング」以外にどれくらいのキーワードで流入しているのかの参考値です。
1位の「http://contentmarketinglab.jp/content-marketing/what.html」は131と、圧倒的に高いですね。
2位の「https://innova-jp.com/content-marketing/」も93と高いです。
このことからも上位2ページはロングテールが拾えるような情報量豊富なコンテンツを作っていることが予想されます。
4位の「http://bazubu.com/case」は28と少ないように感じますが何でだと思いますか?
実はこの記事だけ他とページの特徴が異なります。他のページは「コンテンツマーケティングとは?」系のページが上位表示しているのに対し、こちらのページは事例ページです。そのためロングテールが獲得しにくいページ構造なのだと思います。つまりこちらのページと勝負しようとしてもページの構造が異なるので意味がありません。プロモニスタが勝負を挑むとなると、やはり
1位の「http://contentmarketinglab.jp/content-marketing/what.html」なのでしょうね。
プロモニスタが「コンテンツマーケティング」で上位表示をしようと思うと、ページコンテンツの見直し(追加・編集)、及び被リンク戦略は必須だと考えます。
まとめ
如何でしたでしょうか?本当はもっともっと多くの機能があるので全てご紹介したいところではありますが、今回は主要機能をご紹介しました。気になる方はご自分でも色々と試してみてください。
コンテンツSEO、コンテンツマーケティングという言葉が使われるようになって既に幾日も経っていますが、本質はユーザーに求められるWebサイトを作り続けることだと思います。その中で自社、競合のことを客観的に分析することは非常に重要です。是非、「ahrefs」 を使いこなして、価値の高いWebサイトを作ってください。
SEOに関して、何から着手すべきかわからない、なかなか成果がでないなどのお悩みがございましたら SEO無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。
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