「Googleは使わない、SEO対策しているから!」「SEOは終わった!」など、ソーシャルの台頭によってこのような声を度々聞きますが、実際はどうなのでしょうか?
今回は若者の利用実態を知るために感度が高い20代のギャル・・・ギャルといえば渋谷・・・渋谷ギャルといえば109!ということで渋谷の街に繰り出し、109の有名ショップ「LIZ LISA(リズリサ)」さんにインタビューを決行。いまどきの検索の活用状況について、渋谷カリスマギャルのリアルな声を聞いてきました。
LIZ LISA(リズリサ)佐藤さん、渥美さんのプロフィール紹介
佐藤さん(26歳)
リズリサの副店長でもあり、109ニュースの人気ライターとしても活躍中。
渥美さん(23歳)
リズリサ店員。ほぼリズリサしか着ないという自ブランドのコアなファン。その愛と知見を活かし、店舗のSNS運用にも関わる。
── お二人は普段仕事の中でインターネットに触れることはありますか?
インスタやTwitterを更新するSNS担当やってます
109ニュースライター※やってます。ちゃんと検索に引っかかるようなキーワードを入れて書かないといけなくて、季節的にもマッチしたものを書かないとアクセスが上がらないんですよね。まとめサイトとは被らないような内容を意識して、タイトルに重要なキーワード入れたりしています
SEOは「サービス エンジン オペレーター」の略語?
── 自己紹介で仰っていただいたように、検索にひっかかるようにキーワードを入れる対策をSEOというのですが、この言葉はご存知ですか?
なんかネットの用語ですよね?意味はあんまり分かんないです
── S、E、O……何の略だと思います?
Sはサービス……?Eは……わかんないな、あ!エンジン?Oはオペレーターとか?
── 正解は、サーチエンジン オプティマイゼーションという、英語の略になります。これってどういう意味だと思いますか?
えー、サーチエンジンのなんとかなんとか的な?わかんない……笑
── 簡単にいいますと、検索結果の上部にWebサイトが多く表示されると、いろんな人がアクセスしてくれて商品が売れたりお店に人が来てくれるんですよね。なので、検索結果でいかに自分のWebサイトが上位に表示されるかを考えて対策することを指します。検索を介してビジネスが成長するってことです。佐藤さんは、日常的にSEO対策を意識されたライティングをされてましたね。
やってた……みたいですね、無意識に 笑
※「SEO」とは何かを語る深井編集長と熱いまなざしで聞く佐藤副店長
── 普段、検索エンジン以外でも何かを検索されることってありますか?アプリやSNS使ったりとか……。
インスタはかなり。個人的にぷーさんが好きなのでめっちゃフォローしてますね。ぬい撮りって今けっこう流行ってるんですよ。ぬいぐるみが主人公みたいな感じで写真撮るんですけど、インスタで見つけたフォトスポットに『ここ行ってみよう』ってなって休みの日に撮りに行ったりもしますね
── Facebookはされませんか?
Facebookのアカウントは一応持ってるけど、もうどのくらいログインしてないだろうってくらい使ってない 笑
Facebookは全く使ってないですね。登録の時点で入れないといけない個人情報が多すぎてウンザリしてやめちゃいました。高校生のときにみんな登録し始めたんですよ。だから海外留学した子たちはそのまま海外の人と交流するのに使ってたんですけど、そうじゃない人は『なんでこんなに個人情報いれないといけないの』ってなってやらずじまいで、今更始めてもたぶん友達でやってる人少なそうな感じはしますね
全部情報が出ちゃうから嫌なんでしょ?
うん
── Twitterは使いますか?
Twitterけっこう使うんですけど、検索する目的が違うんですよ。飲食店とかは検索したりしないですね
※とても優しい表情でぷーさんのぬい撮りについて話す渥美さん
流行、リアルタイム性による検索エンジンとSNSの使い分け。~「今」の情報はSNSをみる~
── どんなときにTwitter検索を使われるんですか?
私はTwitterは遅延情報調べるのに使ってますね。今知りたいとき『◯◯線 遅延』って調べると何分待ちとか。一番情報が早いんで便利です
── インスタではどういうものを検索されますか?
さっき言っていた、ぬい撮りもハッシュタグで検索しますし、あと趣味でセルフネイルやってるんで、デザインを考えながら今トレンド何だろうって検索すると、写真で出てくるんで分かりやすいんですよね
── ちなみにどんなハッシュタグになりますか?
◯◯ネイルとか。今だったらアーガイルネイル
── 服もインスタで検索されたりしますか?
けっこう検索しますよ。 フォローしてるモデルさんとかが着てる服のブランド名とかで。あ、でもGoogleで画像検索使うときもあるかな。
── えっ!Googleの画像検索も使うんですか?インスタもGoogleも手に入る情報の形式が「画像」ということで同じだと思うのですが違いってありますか?
ピンポイントで欲しい画像が明確なときはGoogleですね。昔のやつを調べたいときとか
そうそう、昔のものはGoogleでもいいんですけど、新しいのを知りたいときはインスタで調べます。Googleって新しいのと古いのが混じっちゃってるじゃないですか。とくに服は新作だったらインスタの方がいいですね。だって、リズリサの服でGoogleの画像検索すると『何年前?』みたいのが出てくるんですよ。リズリサで画像検索すると4,5年前の服とか出てきちゃうからとっくに廃盤になってるのに『これ欲しいんですけど』って持ってきちゃうお客様もいますね
── なるほど。ちなみにGoogleの画像検索は、「期間で絞り込む」ことができるのを知っていますか?例えば「リズリサ スカート」で検索してこうやって絞り込むと。。。
えー!知らないです!ほんとだ、最新のだけ出てる!
やばい!知らなかった。使ってみたいです
── というように「ピンポイント」で検索する性能において、Googleは非常に優秀なので他にもたくさんの機能やコツがあるんですよ。
※画像検索の「期間」絞り込みに魅了される二人
「具体的」な情報収集は検索エンジンを使う。
── 「検索」というキーワードでお話を伺いましたが、検索エンジンとSNSだと検索するシーンってどっちの方が多いですか?
Yahoo!かな……
そうですね、Googleとか。割合でいうと7:3(検索エンジン:SNS)くらいかな
── 検索エンジン意外と多く使うんですね!検索エンジンを使うときって「ピンポイント」な情報が欲しい時っていうお話がありましたが、具体的にはどんなシーンが多いのでしょうか?
そうですね、仕事のことで調べるときはGoogleとかで調べないと正しい情報が入らないんですよ。逆にインスタだと画像が多すぎて求めてる情報が見つからないから使わないです。普通にYahoo!検索で画像を開いて探すほうが速いですね
── お仕事柄、服に対する感覚って鋭いと思うんですが、インスタでテレビとか雑誌を観るような感覚でフォロワーのタイムラインを見て、気になった投稿のハッシュタグをその投稿詳細から取得し、そのままインスタで検索、より深く調べたいときにGoogleで検索する、みたいな流れってありますか?
私は完全にそうですね。フォロワーさんの写真見て可愛いと思ったら、ハッシュタグから飛んで情報を見て、今度は公式サイトに飛んだり……ってやりますね。インスタで見つけて、それをGoogleでさらに具体的に調べるって感じです
※「Googleが7割かなぁ!」という佐藤副店長
「信頼」するためには趣味が同じ人、知人・友人が発信する情報が信頼できる。
── ネットの口コミは信用されますか?例えば飲食で有名な某サイトとか
私は全然評価とか見ないんで普通に使いますね。条件に合う金額帯で食べたいもの食べられればいいから、あんまりウソっぽいとか気にしたことないです
なんか某サイトってウソみたいってみんな言いません?渋谷の居酒屋とかって料理とか写真だけめっちゃ綺麗で実は全部ウソ、みたいな。そうやって聞くからちゃんと調べる
── 検索エンジンで出てきた結果が怪しいなって思うことはありますか?
ランキング形式のは信じてないです。化粧品系は『コスパ優秀ランキング』みたいなので良かったやつ買ってみたら全然良くなかったのがきっかけで信用できなくなったんですよ。『裏でお金払ってんじゃない?』って……。ランキングはもう信じない。ステマ?みたいな
── 怪しいなと思ったときって別の情報で調べたりします?
そうですね、インスタとかTwitterで実際に行ってる人の画像探したりして、本当かなって確認しますね
── インスタの情報は信用できますか?
インスタなんかでも検索かけますけど、どこまで信じていいか分からない。仕事柄発色がいいコスメが良いので、ナチュラル志向な人がTwitterとかに『この色超可愛い』って書いててもアテにならないです
あと、みんな同じ時期に同じの上げてたりするのは宣伝感がすごい
ああいうのは買わないですね
── どこからの情報だったら信頼できますか?
友達に『ここのいいよ』って言われてランキングにも一切載ってないのを買ったらそっちのほうが良かった。誰が言ってるかは大事ですね。この人が言ってるんだったら使ってみたい、みたいな。同じスタッフのフォローしてる人なんかが『これいいよ』って書いてあったら買ってみようってなります。インスタで調べるにしても、その人が投稿している内容全部見て『ああ、こういう感じなんだ』って自分と感覚が合うかどうかを確認しますね
口コミよりも、知り合いが行ってたら自分も行ってみようかなって
── もっとお話をお伺いしたのですが、そろそろお時間が迫ってまいりました。お仕事で実はSEO施策を部分的に実施されていたり、画像検索については期間を絞り込めるという新しいGoogleの世界に触れられて、以前にも増して検索エンジンに対する興味が出たのではと思うのですが、もし機会あればウィルゲートでSEOを学ぶ1日インターンシップとかどうですか?
え、いいんですか?
行ってみる?笑
── ご興味ありましたら是非。本日はどうもありがとうございました。
※LIZ LISAの「L」ポーズで集合写真
考察
検索エンジンのビジネスに携わる我々からしますと、実は今回のインタビューを行うにはかなり勇気が必要でした。もし「検索エンジンは全く使いません!」のような結果になってしまったらどうしようかと。
結果は「高頻度で利用する」ということが分かり、胸をなでおろすことができました。
さて、今回彼女たちから得られた話をマーケティングの施策に繋げていくために、情報の整理をしたいと思います。
まずは、軸を整理し、最後に全体像を示します。
軸の整理
まずは軸を整理します。
求める情報形式の整理
~画像と相性の良い分野はInstagram、テキストと相性の良い分野はTwitter~
対談中では「ファッションはInstagram」「交通情報はTwitter」をみるという話がありました。それに加え、その後のネット調査と周囲の知人たちへのヒアリングを通し以下のような整理になりました。
・Instagramで良く見るもの
洋服、ネイル、コスメ、飲食店、観光関連など
・Twitterで良く見るもの
仕事、ライブ、交通、芸人関連など
つまり「Instagramは画像」「Twitterはテキスト」とそれぞれ情報形式的相性があるように思われます。
ニーズの具体性
~求める情報のニーズが抽象的だとSNS、具体的だと検索エンジンで検索する~
次に「ニーズの具体性」という軸について考察したいと思います。
対談では、Instagramのタイムラインにて気になった投稿の詳細ページから固有名詞(例えば服のブランド名)を把握し、そのブランド名でそのままInstagramにてハッシュタグ検索を行い、当該ブランド全般の情報に触れるという話がありました。その後、検索エンジンにて複合検索し例えばブランド公式ページにアクセスし詳細(具体的情報)を把握していく流れです。
また、検索エンジンでは詳細情報に触れれば触れるほどニーズが具体化されるため、検索キーワードも複合的になりやすくなります。
情報形式の整理×ニーズの具体性のまとめ
以上をまとめると、あたりまえですが以下のように整理ができます。
情報を検索する流れ
既述しましたが改めて以下のように整理します。
1.タイムラインにて琴線に触れる情報に出会う
→探求したい対象を発見(検索ニーズが発生する)
2.投稿詳細ページから固有名詞を獲得
→検索キーワードの取得
3.ハッシュタグにて検索しどんな人が使っているか見る
→信頼性の把握(エンゲージメント)
4.検索エンジンで検索し深堀していく
→詳細の理解
5.良かったら買う
→購買
軸の統合
~「検索」という領域において十分に存在感あるチャネル~
以上の通り整理した軸を全て統合し、流れで整理してみました。
※クリックするとポップアップします
上記から考察できることは、
出発点がどのチャネルから始まっても購買までの間にほぼ必ず「検索エンジン」で検索するステップが存在している事
です。また、対談の中でLIZ LISA佐藤さんが
「検索」頻度においてSNSとGoogleだと「Googleが7割」
と言っております。サンプルが1のため統計的有意性の課題はあるものの、SEOのロングテール理論でも知られる通り、
抽象的である「ビッグ」キーワードよりも具体的である「ミドル、スモール」キーワードの方が合計検索回数、キーワード数が多くなる
という事実が示す通り検索エンジンは「検索」という領域において十分に存在感あるチャネルということが言えるのではないでしょうか。
今後について
Google自体の今後
~検索結果の精度をますます向上させることが重要~
Googleの存在感は大きいという主張をしましたが、とはいえ抽象的検索はSNS出現後そのシェアは検索エンジンからSNSへと移っていきました。
しかし情報を深堀りするという行動がなくなることはありませんし、ここにおいてGoogleは現在大きなシェアを握れています。今後より一層、検索結果の精度向上に投資をし続ければその地位を守れるのではと予想します。
SEO対策する側の今後
上図が示す通り、「様々なチャネルが有機的に機能」しユーザーストーリーが進んでいくため、
1.自社の業界業種などの環境をしっかりと考慮し、「どのタイミング」で「どの情報」を「どんなチャネル」で「どんな導線」でユーザーとコミュニケーションをとるかをしっかりと設計する
2.その上でGoogleが日々進化させるアルゴリズムをしっかりと学習し続けSEOを実施する
という事が重要だと言えます。
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