IPアドレスとは、インターネットやLANなどのIPネットワークに接続されたコンピュータなどに割り　振られる識別番号で、住所または電話番号のようなものです。

SEO対策の歴史の中で、外部リンクの価値としてCクラスのIP分散が効果があると言われてきました。ここではIPアドレスの仕組みとSEO対策の観点からIPアドレスについて説明したいと思います。

IPアドレスの仕組み

IPv4ではアドレスは32bitのアドレスで表されていますが、32桁の2進数では見づらいため、一般的には8bitずつで区切り10進数で表示が使われます。
例：11000000.10101000.00000001.01100100→192.168.1.100
IPアドレスはネットワークアドレスとホストアドレスに分けて用いられます。
ネットワークアドレスとホストアドレスの境界はアドレスの先頭bitによって決定され、境界の場所によってクラス分類されています。

クラスの種類

Aクラス：先頭が0で始まりネットワークアドレスが最初の8bit（2^24≒1678万ホスト）
Bクラス：先頭が10で始まりネットワークアドレスが最初の16bit（2^16＝65536ホスト）
Cクラス：先頭が110で始まりネットワークアドレスが最初の24bit（2^8＝256ホスト）

インターネット初期の構想ではそれぞれのネットワーク組織にクラス単位でのIPアドレス付与が行われていましたが、Cクラスの256では少ないものの、例えば500個のコンピューターをネットワークにつなぐ場合でも65536ホストを持つBクラスを選択しなければならず、その場合6万5千以上ものIPアドレスが使用されないまま無駄になってしまいます。その為、CIDR（サイダー）という、ネットワークアドレスの長さを柔軟に変更できる仕組みができました。これにより、現在のIPアドレスはクラス体系ではないものになっています。

クラスC分散について

SEOをすこし勉強し始めると、「クラスC分散」のような表現を目にするようになると思います。これは上で述べたように、インターネット黎明期のクラス体系がメインであった頃の考え方で、IPアドレスの最初の24bit（つまりクラスCのネットワークアドレス）が同一の場合、ドメインが違っても同一組織による管理がなされているサイトである可能性が高いということです。そうなるとたとえa.comとb.comという2つのサイトからリンクがなされていたとしても、クラスCが同一のIPアドレスであればリンクしているのは同じ組織または人物という可能性が出てきます。

Googleのランキングシステムのベースはリンクなので、これでは公平な評価ができません。また自分の持つサーバー上のすべてのドメインからリンクを貼るというスパム行為も簡単にできてしまいます。その為クラスCが同一のサイトからのリンクは意味がないという考え方がSEO業界に広がりました。

今現在でもその古い考え方が残っており、クラスC分散がされているリンクでないと意味がないばかりかペナルティを受けるという説があります。実際にどうなるのかの検証データがないので確かなことはわかりませんが、現在のIPアドレスはクラス体系ではないため、仮に最初の24bitが同じだからといって同じ組織の管理しているIPとは限りません。

しかし、同一のクラスCは256個しか存在しないことを考えるなら、リンクしているサイトのIPがそこまで被ることはあまりないとも言えるでしょう。
少なくとも自分でたくさんサイトを作って、そこからリンクをするという行為はスパムとしてみなされる可能性があるので、できるだけ避けたほうがいいでしょう。

■SEO課題を自動抽出する 上位表示支援SEOツール

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスについて

インターネットに接続するすべての端末はグローバルIPアドレスを必要とし、このアドレスは1つとして重複することはありません。一方インターネットに接続しない端末でもローカル上でアドレスを必要とする場合のためにプライベートIPアドレスを使用します。これは自宅や会社内で自由に設定することができるアドレスとなっています。プライベートIPアドレスとして使用できるアドレスには範囲が決まっており、逆にそのアドレスは予約アドレスとされ、グローバルIPアドレスには割り振られません。よく目にするプライベートIPアドレスは192.168.0.0/16の範囲だと思います。

固定IPアドレスと変動IPアドレスについて

またよく固定IPアドレスと変動IPアドレスという言葉を目にするかもしれません。
これは上で述べたようにIPv4のIPアドレスが枯渇してきたことをうけて生み出された概念で、例えばWebサイトが載っているサーバーのように、常に同一IPで存在しなければならない場合を除き、不定期でネットワークにアドレスするようなコンピューターは、接続のたびにIPを変動させてIPアドレスの枯渇を遅らせるというものです。