支援事例
リアル(対面)での顧客開拓活動をコロナ禍で阻まれた出版会社が、ソーシャルセリングを活用して成約率37%を達成。受注確度が高いプロダクトの特徴とは?
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「すべての人にストーリーを」というミッションを掲げ、出版・Webメディア事業を手がけるリスナーズ株式会社。経営者を主体に、20〜30社が1つのテーマで共著出版をする「シェア出版」と、その内容をWeb上で発信できるインタビューメディア「LISTEN(リスン)」を手がける企業です。

リアルな場での経営者人脈の広がりが営業活動の生命線となっていた同社は、コロナ禍においてその方法の転換を余儀なくされ、ウィルゲート専務取締役COO吉岡が立ち上げたソーシャルセリングの導入を決めました。

結果として成約率(受注率)37%を達成し「今後もSNS上での営業活動は必要不可欠」という考えに変化したといいます。垣畑様にソーシャルセリングを導入した経緯や実施内容、成果や今後の展望について伺いました。

対談者(左):リスナーズ株式会社 代表取締役CEO 垣畑 光哉 様(以下、垣畑
対談者(右):株式会社ウィルゲート 専務取締役COO 吉岡 諒(以下、吉岡)
聞き手:ライター 外山ゆひら

<課題と効果>
【抱えていた課題】
・コロナ禍の影響で、紹介ベースの新規顧客開拓活動ができない状況に
・コロナ禍の影響で、企業の採用ブランディングとしての出版ニーズが減退

【導入・活用成果】

・「シェア出版」の募集枠を順調に獲得(30社×3冊)
・ソーシャルセリングから1,165万円の売上を獲得
・SNS活用に対する意識が向上

 

ソーシャルセリングとは?

ソーシャルセリング(social selling)とは、営業プロセスの中でFacebook/Twitter/Instagram/LinkedInなどソーシャルネットワーキングサービスを活用して見込み顧客との関係性を深めていく営業活動のことです。

軌道に乗っていたシェア出版事業が、コロナ禍で窮地に

-まずは垣畑様の経歴についてお聞かせください。

垣畑:保険会社で培った経験を活かし、2001年に保険業界向けのマーケティング会社を設立したことに端を発し、会社としては21年目を迎えています。長らく広告系の事業を手がけていましたが、雑誌の保険特集ページを監修したのをきっかけに、複数のインタビューを1冊の書籍にする「シェア出版」事業を思いつきました。

「本を出したい」と考えているものの、時間もコストもそこまでかけられない、自社のネームバリューのために有名な経営者と同じ本に掲載されたい、検索上位にきちんとした情報を出したい―― 周囲の経営者たちからそんな共通ニーズをくみ取り、サービス化しました。

事業を立ち上げてから3年ほどで順調に軌道に乗せることができました。販売をAmazon限定として書店流通のコスト分を削減したことや、取材データをすべてお客様に提供し、二次利用を自由にできるようにしたことなどが受け入れられたと分析しています。

2016年には従来の保険マーケティング事業を売却して出版・Webメディア事業に100%シフト、社名も一新して再スタートを切りました。同じ年にWebメディア「LISTEN」もローンチし、以降シェア出版は年4回のペースで続けてきました。

-2021年12月にソーシャルセリングを導入いただきましたが、当時のリスナーズにはどのような課題があったのでしょうか。

垣畑:コロナ前の当社では、経営者同士の口コミ、もしくは経営者交流会などの接点によって顧客を広げていました。それがコロナ後は、そうした機会が一気に失われてしまったのです。出版やインタビューは採用ブランディングとしてのニーズも強かったのですが、コロナ禍になって多くの企業が採用をストップ。気軽に取材に行けなくなったことも含め、今までのやり方では立ち行かない状況となってしまいました。もともと営業が強い会社でもなかったので、打つ手がない状態でした。

旧知の取引相手がベタ褒め、ソーシャルセリングに興味を持った

-ソーシャルセリングに興味を持ったきっかけは。

垣畑: 吉岡さんが当社のお客様だったのでFacebook上でもつながっており、投稿を見ては「何を始めたのだろう?」と気になっていました。それが強い興味に変わったのは、かねてからの取引先である大亀さん(株式会社ビーウェル)がこのサービスを既に利用していて、本音ベースの感想を聞いたのがきっかけです。とにかくサービスをベタ褒めしていて、「吉岡さんと付き合いを深めたい」ということも導入理由だと話していました。

そのほか、以前から交流のあった経営者の方々からも話を聞く機会があったのですが、知り合いから薦められると一気に信頼性が増し、「口コミはやはり強力だな」と感じましたね。

吉岡:紹介いただいた皆様に感謝です。私のほうは最初にシェア出版を知ったとき、「そんな出版方法があるの!?」と驚いたことを覚えています。そのような第一印象を与えるエッジの効いたプロダクトやサービスは、ソーシャルセリングとの相性が非常に良いです。

またソーシャルセリングは、社歴が長く且つ人付き合いのなかできちんと「信頼残高」を積み上げてきた人ほど効果が出やすいのですが、垣畑さんはその点も満たしていたので、最初にご相談をいただいた際には「きっとマッチするだろう」という所感を持ちました。

-具体的にどのような支援を受け、その実感としてはいかがでしたか。

垣畑:2021年の12月〜2022年3月に1回目の支援を、2022年4月〜7月に2回目の支援をお願いしました。主に「Facebookを活用したソーシャルセリング」「メールマーケティング」「ウェビナー」の 3領域で支援をいただいています。

投稿の前には必ず複数回、吉岡さんに添削をお願いしていました。私自身も言葉を扱う仕事をしていますが、ストーリーを作るのとは視点が異なり、テンポよく言葉を切っていく作業は目から鱗でした。

自分で自分の宣伝文句を作ると、どうしても思い入れが先行してしまって冗長な文章になりがちなのですが、第三者目線でどんどん引き算をしてもらえたのが有り難かったです。エッジを捉えつつ、短すぎず長すぎないワーディング(言葉選び)の妙を感じました。

また現在、2期目のソーシャルセリング支援をいただいているのですが、1期目でメッセンジャーでの営業活動はひとしきり打ち尽くした感があるので、1回休ませるフェーズに入っています。焼畑農業のようなイメージですかね(笑)。代わりに「Facebook投稿」を増やしているのと、<1対n>での営業活動ができるようセミナーの取り組みにも注力しています。

-導入にあたって不安だった点はありましたか。

垣畑: 初回は正直、半信半疑でしたし、Facebookでメッセージを送信することにはかなり抵抗感がありました。ただいざやってみると、思ったよりハレーションは起きませんでした。むしろ「連絡をくれてありがとう」「今回はタイミングが合わないがまた案内して」といった好意的な反応が多く、2回目以降はどんどんメンタルブロックが軽減していきました。

今までにない顧客層も開拓でき、リアルと同等の受注率を獲得できた

-ソーシャルセリングの導入により、事業目標は達成できましたか。

垣畑:「シェア出版」は1回につき30社の枠を設けているのですが、3回分90社の枠が順調に埋まっていきました。併せて1企業で1冊の本を出す「単著出版」という大型受注も決まり、ソーシャルセリングからのトータル売上としては1,165万円を達成し、十分な費用対効果を出すことができました。

一部上場企業の役員の方にいたくサービスを気に入っていただき、1週間でご契約まで至ったケースもありますし、社外顧問の方に見つけていただき、「そういえば社長が本を出したいと言っていたことを思い出して」とつないでくださったケースもありました。これまで自分たちでリーチできていなかった新規のお客様と、着実につながっていっている手応えがありますね。コロナ禍の影響は本当に大きかったので、ソーシャルセリングをやっていなかったらどうなっていただろうと思います。

吉岡:リスナーズさんの場合、商談からご契約になる受注率が非常に高かったことが印象的でした。「Facebook投稿」「メールマーケティング」「ウェビナー」のすべての募集形態を合わせたトータルの受注率は37%です。一般的な営業の受注率が15〜20%と考えると、かなり高い数字ですよね。中には1回のFacebook投稿に対するお問い合わせ6件中、すべてが成約したケースもありました。

これはひとえにターゲット層に刺さるサービス内容、プロダクトの力がかなり大きかったと思います。そもそも経営者層のニーズに刺さるプロダクトなので、「興味がある」と反応をくださった時点で、かなり本気のお客様が多かったのだろうと見込んでいます。

垣畑:ありがとうございます。従来リアルで営業活動をしていた頃と、同じくらいの受注率を出せています。多くの経営者の方々にとって、出版は「一度は考えたことがあるもの」「いつかはやりたいもの」という位置付けです。常時検討するような商材ではないものの、お客様がちょうどやりたいと思っているときにアプローチすると高い確率で決まりやすい傾向があり、競合も多くはないため、商談から受注までの期間が短いケースが多いです。

そういった意味でも「ちょうど検討中」の方に対してプル型のアプローチができるFacebook投稿は、商材にも非常に合っていたのかなと思います。

また今回、メッセンジャーを活用した「プッシュ型」アプローチの意義も実感しました。一旦は空振りに終わったとしても、「出版=リスナーズ」という刷り込みがされていれば、いざ本を出したいと思ったときに頭に浮かべてもらえる可能性を高められる。近況報告がてら「垣畑は今こういう商材を取り扱っています」と伝えておくだけでも有効な方法だな、と思えるようになりました。

-目標掲載社数の達成以外にも、成果として得られたものはありましたか。

垣畑: メンタルブロックが徐々に取れていき、ソーシャル上の行動力が増しました。今回の経験は、態度変容の大きなきっかけになった気がします。以前は「FB=知り合いとKeep in touchするためのツール」という認識でしたが、オンライン上でファーストコンタクトを取ることにまったく抵抗感がなくなりました。Twitterアカウントも9,000フォロワーくらいいるのですが、運用が十分に出来ている状況ではないので、より良い活用法を考えていこうと思い始めています。

その点、吉岡さんの動きには刺激を受けていますね。ソーシャルの活用方法についてリードしているというか、道を示してくれている印象があります。大亀さん(株式会社ビーウェル)が「吉岡さんと付き合いたかった」と言っていたことについても、今回関わってみて「なるほどな」と納得しました。「経営は実行」という言葉がありますが、それを超高速回転で回している人物という印象です。関わる前は、どこかつかみどころがない印象もありましたが、思ったより人間味もあってホッとしました(笑)。

吉岡: ありがとうございます(笑)。

垣畑:SNSのコミュニケーションは避けては通れない世の中になっているので、今後も発信は続けていかなければと感じていますし、「SNS上での見せ方、人との付き合い方について、もっと磨き込まなくては」という意識が高まっています。

セミナーによる集客や新卒採用領域にも注力していきたい

-最後に、今後の垣畑様のWILLや事業展望についてお聞かせください。

垣畑:12月刊行のシェア出版で集客が完了した後は、新卒採用に特化した取り組みを考えています。就活生に圧倒的知名度のあるYoutubeチャンネルとコラボして、推し企業30社をYoutube×書籍×Webで訴求する企画で、このスタートダッシュにも、ソーシャルセリングをフル活用していきたいと考えています。さらにはセミナーによる集客を形にしていくこと直近の目標です。

-今後もよろしくお願いいたします。最後に、ソーシャルセリングの活用を検討している企業様に、アドバイスをいただけますか。

垣畑:ソーシャルセリングは慣れてしまえば「最小限の稼働時間で最大限の成果が得られた!」という実感は必ず得られると思います。ただあえて言うならば、当初は抵抗感から、それなりに骨は折れます。月に数時間程度と作業工数自体の負荷は少ないのですが、知り合いにメッセージを送り続けるのは心理的負荷がかかります。メンタルブロックは徐々に低くなっていくものの、経営者自身が「自分でこれをやるんだ!」という覚悟は必要かもしれません。

吉岡: 同意です。ソーシャルセリングは社長以外の人間が代わることができないので、「社長自ら動けるかどうか」という点が非常に重要です。

垣畑: ただオンラインで集客ができるようになったことで、体力的な負荷は圧倒的に軽減しています。以前は重い本を何冊も持ち歩いて顧客開拓をしていましたが、その必要が一切なくなりました(笑)。

「ソーシャルで営業活動をする」という流れは今後も変わらないと思うので、その所作を身に付けておいて損はないと感じています。最近では、出版記念パーティーなどのリアルイベントも再開しているのですが、「ようやく会えましたね!」という喜びは格別で、オン/オフラインを上手に使い分けることで、さらに顧客とのつながりを深めていける手応えを得ています。

-今後も営業活動をご支援できれば幸いです。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

まとめ

今回は、リスナーズ株式会社の代表取締役CEOである垣畑様にご協力いただき、ソーシャルセリングの活用によってリアルからオンラインの場に営業活動の主戦場を移し、高い受注率を獲得した事例をご紹介しました。

自身のネットワークが豊富な方もそうでない方も、ソーシャルセリングを通じて見込みの高い顧客層を獲得し、自社サービスやプロダクトの契約・販売につなげたいとお考えの経営者の方は、ぜひウィルゲートもしくは専務の吉岡までお問い合わせください。

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プロモニスタ編集部
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