こんにちは！プロモニスタ編集部です！

ローカルSEO（Local Search Engine Optimization）とは、特定の地域や場所に関連するビジネスやサービスの検索結果を最適化する手法です。

本記事は「ローカルSEO」に取り組まれている事業者様に向けて、実際の成功事例に基づいた効果のある対策方法や成功事例、MEOとの違いについてお話します。

ローカルSEOとは？【基本理解】

ローカルSEОは特定の地域に特化したSEО対策のことで、飲食店やクリニック、美容室、小売店、介護施設、学習塾など、地域密着型のビジネスに欠かすことのできない集客対策です。

ローカルSEOの概要

ローカルSEOは「地域名＋キーワード（例：新宿 居酒屋）」などの検索において、特定のエリアにいるユーザーに対し、店舗や企業情報を検索結果へ優先的に表示させるための最適化が主な施策です。

具体的には、Googleビジネスプロフィールへの登録、NAP情報（名称・住所・電話番号）の統一、地域名を含んだコンテンツ発信、口コミ管理などが挙げられます。これらを適切に行なうことで、その地域での来店や問い合わせといった実益に直結する集客を実現します。

ローカルSEO・MEOとの違い

「ローカルSEO」とよく混同される言葉に「MEO（Map Engine Optimization）」があります。この2つは目的こそ同じ「地域検索での露出拡大」ですが、対象範囲が異なります。

一般的にMEOは、Googleマップ専用の検索エンジンに対する最適化（主にGoogleビジネスプロフィールの順位向上）を指す用語です。一方、ローカルSEOはMEOの領域に加え、Webサイト自体のオーガニック検索順位（地域名を含む検索でのWebサイト表示）の向上も含んだ、より広義な施策を指します。

ただし、実務上は「ローカルSEO＝MEO」として同義で扱われることも多く、まずはGoogleマップ枠での表示対策（MEO）がローカルSEOの第一歩となります。

なぜローカルSEOが今重要なのか【背景とメリット】

ローカルSEОは顕在化したユーザーのニーズにアプローチするため、集客に直結しやすいという特徴があります。Googleの口コミ評価とのつながりも強く、ユーザーとの信頼関係も構築しやすくなります。

スマホ時代における地域検索の増加

スマートフォンの普及により、ユーザーは「今いる場所」から近くの店を探す行動が当たり前になりました。「近くのカフェ」「ここから近いランチ」といった検索や、外出先でのエリア検索が急増しています。

ユーザーは「今すぐ行きたい」という強い意欲を持っているため、ローカルSEOでこの検索意図を捉えることは、集客効果に直結します。

中小店舗にとっての効果とメリット

大手チェーンと異なり、多額の広告宣伝費をかけられない中小規模の事業者にとって、ローカルSEOは強力な味方です。

リスティング広告などはクリックごとに費用が発生しますが、ローカルSEO（特にGoogleビジネスプロフィール）は基本的に無料で利用できます。資金力勝負にならず、工夫次第で大手と対等以上に戦える点は、小規模店舗にとって最大のメリットと言えます。

競合の少なさと費用対効果の高さ

一般的なSEO（「ダイエット」「英会話」などのビッグワード）に比べ、地域を絞ったキーワードは競合が極端に少なくなります。

また、多くの小規模事業者はまだローカルSEOに本格的に着手できていません。競合が弱いうちに対策を始めれば、早期に上位表示を獲得しやすく、一度評価されれば長期間にわたり安定した集客が見込めるため、費用対効果の高い施策となります。

ローカルSEOで上位表示される仕組み【表示形式の理解】

対策を始める前に、Googleの検索結果がどのような仕組みで表示されているか、その形式とアルゴリズムを理解しておきましょう。主に「ローカルパック」「ナレッジパネル」という形式があり、表示順位は3つの要素で決定されます。

ローカルパックの種類

検索結果の最上部に地図とともに表示されるリストを「ローカルパック」と呼びます。

・ローカルスナックパック：最も一般的な形式。検索結果に画像付きで3店舗のみが表示されます。ここに表示されることが最大の目標です。
・ローカルABCパック：ブランド名やジャンルなど、特定条件で検索された場合にABC順で表示される形式です。
・ローカルファインダー：「さらに表示」をクリックした後に現れる、より広範囲なリストです。

まずはトップの3枠（スナックパック）に入ることを目指します。

ナレッジパネルとは

ナレッジパネルとは、指名検索（店舗名や会社名で検索）をした際に、検索結果画面の右側（スマホでは上部）に表示される詳細情報ボックスのことです。

ここには、住所、営業時間、電話番号、口コミ、写真などが集約されて表示されます。ユーザーはこのパネルを見て来店判断を行なうことが多いため、情報を正確かつ魅力的に充実させておくことが、取りこぼしを防ぐために重要です。

表示順位の決まり方（関連性・距離・知名度）

Googleはローカル検索の順位決定において、以下の3要素を重視しています。

1. 関連性：検索キーワードとビジネス情報（カテゴリや説明文）がどれだけ一致しているか。
2. 距離：検索しているユーザーの現在地（または指定した場所）から店舗までの距離。
3. 知名度（視認性の高さ）：Web上のサイテーション（言及）、口コミの数と評価、被リンク数、SEO的な強さなど、オンライン・オフラインでの知名度。

ローカルSEOの具体的な対策ステップ【初級～上級】

ローカルSEOの対策は、以下の4つのステップで進めていきます。まずはSTEP1の基盤作りから始めましょう。

ステップ	施策名	概要
STEP 1	Googleビジネスプロフィールの設定	アカウント作成、基本情報の登録、NAP統一など基礎を固める。
STEP 2	レビュー（口コミ）対策	良い口コミを集め、適切に返信する。ネガティブ評価への対応も含む。
STEP 3	ローカルリンクの獲得	地域のポータルサイトや商工会議所などからリンクを獲得する。
STEP 4	＋αの施策（上級）	Webサイトの改善、音声検索対応、複数店舗管理など高度な対策。

STEP1：Googleビジネスプロフィールの設定と最適化

まずはGoogleビジネスプロフィール（旧Googleマイビジネス）のオーナー確認を行ない、正確な情報を入力することからスタートします。ここがローカルSEOの土台となります。

アカウント取得・登録項目

Googleビジネスプロフィールの公式サイトからアカウントを取得し、オーナー確認を完了させます。

その後、店舗名、カテゴリ、住所、営業時間、電話番号、WebサイトURLなどの基本情報を全て埋めます。特に「ビジネスカテゴリ」の選択は順位に大きく影響するため、自社のサービスを最も的確に表すものを選んでください。

運用のコツ・更新頻度

情報は一度登録して終わりではありません。「投稿機能」を活用し、日替わりメニューやイベント情報、スタッフの紹介などを定期的に発信しましょう。

また、営業時間の変更（年末年始や祝日など）は迅速に更新してください。定期的な更新は、Googleに対して「営業実態があり、活発に活動している」というポジティブなシグナルを送ることになります。

NAPの統一

非常に重要なのが「NAP情報」の統一です。NAPとは、Name（店舗名）、Address（住所）、Phone（電話番号）の頭文字です。

自社サイト、SNS、ポータルサイト、そしてGoogleビジネスプロフィールにおけるこれらの表記を完全に一致させてください。「（株）ウィルゲート」と「株式会社ウィルゲート」のような微差も、Googleは別のビジネスと認識するリスクがあります。

STEP2：レビュー対策で評価を高める

口コミの数と評価の高さは、検索順位（知名度）だけでなく、ユーザーの来店決定率に直結します。

オフライン／オンライン施策

口コミを待つだけでなく、能動的に集める仕組みが必要です。

オフラインでは、会計時に店舗のGoogleビジネスプロフィールへ直接アクセスできるQRコードを印刷したショップカードを渡し、「よろしければご感想をお寄せください」と口頭で依頼するのが効果的です。なお、口コミ投稿の対価としてクーポンや割引を提供することはGoogleのポリシー違反となります。

オンラインでは、メルマガやLINE公式アカウントで来店後のサンクスメールを送り、その中に口コミ投稿用のリンクを記載して依頼するのがスムーズです。

ネガティブ対策と返信マナー

投稿された口コミには、良い内容も悪い内容も必ず返信しましょう。返信はユーザーとの信頼関係を築くチャンスです。

もしネガティブな口コミが書かれた場合も、放置や削除依頼ではなく、誠意を持って謝罪・対応する姿勢を見せてください。その真摯な対応を見た第三者が、逆に好感を持つケースも少なくありません。

STEP3：ローカルリンクの獲得施策

Web上での「地域との繋がり」をGoogleに認識させるため、被リンク（サイテーション）を獲得します。

商工会議所・地域メディア・イベント活用

地域の商工会議所や商店街の組合に加盟し、その公式サイトから自社サイトへリンクを貼ってもらいましょう。これらは地域性が高く信頼性のあるドメインからのリンクとして高く評価されます。

また、地域のニュースメディアへの掲載や、地元のイベントへの協賛なども、地域に関連するリンクを獲得する有効な手段です。

STEP4：＋αの施策（上級者向け）

競合と差をつけるための、よりテクニカルで高度な施策を紹介します。

ファーストビュー最適化

ローカル検索からWebサイトに流入したユーザーを逃さないよう、Webサイトのファーストビュー（最初に表示される画面）を最適化します。

スマホで見た際に、「電話ボタン」「予約ボタン」「地図」がすぐにタップできる位置にあるか確認してください。ユーザーは移動中であることが多いため、迷わずアクションできるUIが必須です。

音声検索対策

「OK Google、近くの〇〇を教えて」といった音声検索が増えています。

音声検索では、話し言葉（口語）での検索クエリが使われやすいため、Webサイト内のQ&Aページなどを充実させ、「～の料金はいくらですか？」「～は予約なしでも行けますか？」といった自然言語の質問に対応できるコンテンツを用意しておきましょう。

複数店舗の管理方法

多店舗展開している場合、各店舗の情報をExcelなどでバラバラに管理するのは非効率です。Googleビジネスプロフィールには、複数店舗を一括管理する機能があります。店舗コードを設定し、グループ機能を使ってエリアごとに管理する、あるいは専用の管理ツール（MEOツール）を導入して、全店舗の情報を一括更新・分析する体制を整えましょう。

ローカルSEOでやってはいけないNG行動

良かれと思って行った対策が、Googleのガイドライン違反となり、ペナルティ（順位下落やアカウント停止）を受けることがあります。以下の行動は避けてください。

リンク購入などブラックハット行為

SEO効果を上げたいからといって、関連性のないサイトからのリンクを購入したり、自作自演のリンクを大量に貼ったりする行為（ブラックハットSEO）は厳禁です。

Googleのアルゴリズムは進化しており、不自然なリンクはすぐに見抜かれます。一度ペナルティを受けると回復に多大な時間がかかるため、正攻法での運用を心がけてください。

地域名乱用のリスク

Googleビジネスプロフィールのビジネス名（店舗名）に、本来の名称に含まれない地域名やキーワードを詰め込む行為はガイドライン違反です。

例：「ウィルゲート」が正式名称なのに、「【新宿・渋谷】ウィルゲート 格安SEO対策」などと登録してはいけません。キーワードを含めたい気持ちは抑え、看板や登記通りの正式名称を登録してください。

ローカルSEOの成功事例

全国に店舗を持つ不用品回収業者のローカルSEO事例

課題

・「不用品回収 × エリア名」で上位表示が難しい状況
・自社のコンテンツでは、上位ページに比べて紹介数が少なく、競争力が不足

実施した施策

・上位表示ページを分析し、自社コンテンツとの差を確認
・エリアごとの特徴に関連するコンテンツを追加
・コンテンツに価格・回収できるもの・エリアなどの詳細情報を追加

成果

・「エリア名×不用品業者」のキーワード約100個の順位が5位以内に

特定地域に出店している整骨院のローカルSEO事例

課題

「症状 × エリア名」のキーワードで上位表示ができていない

実施した施策

・症状別のページにエリア名を追加
例：「肩こり」関連ページの本文中にエリア名を+10回ほど追加

成果

5つの症状ページでテストを行ない、3ページで順位が上昇した
・「エリア名×肩こり」：27位→14位
・「エリア名×腰痛」：40位→26位（腰痛 船橋）
・「エリア名×膝痛・変形性膝関節症」
・「膝痛×エリア名」：13位→10位
・「ひざの痛み×エリア名」：35位→17位

その他の支援事例はこちらからご覧いただけます

・ウィルゲートの支援事例一覧

ローカルSEOに関するよくある質問

インフルエンサーに対価を払ってGoogleの口コミに投稿してもらうことは対策として有効ですか？

Googleのポリシー違反となるため、絶対に行なってはいけません。

Googleは「報酬を支払っての口コミ投稿」を明確に禁止しています（なりすましや利益相反の禁止）。金銭だけでなく、商品やサービスの無償提供と引き換えに高評価を依頼することも同様です。発覚した場合、アカウント停止などの重いペナルティを受けるリスクがあります。

ステマ行為には消費者庁も目を光らせており、口コミをしてもらう対価として料金の割引を行なったクリニックに対して、2023年10月に措置命令をくだしています。

「Googleの口コミ荒らし」行為にあってしまった場合の対応方法は？

Googleへの「削除リクエスト」と、毅然とした「返信」の両方で対応します。
明らかに事実無根の誹謗中傷やスパムであれば、Googleの管理画面から「不適切なクチコミとして報告」を行ない、削除を申請してください。

ただし、削除されるとは限りません。そのため、他のユーザーが見ていることを意識し、「ご意見ありがとうございます。事実確認を行ないましたが〜」といった冷静かつ丁寧な返信を残すことが重要です。

対策から成果が出るまでにどのくらいの期間が必要ですか？

早ければ1ヶ月程度、通常は3ヶ月～半年程度を見ておく必要があります。
競合の多さやエリア、現在の知名度によって異なりますが、NAP統一や基本情報の最適化などの効果が出始めるのに数週間かかります。

口コミが蓄積され、サイテーションが増えて順位が安定するまでには、継続的な運用が必要です。即効性を求めすぎず、中長期的な資産づくりとして取り組んでください。

まとめ

ローカルSEOは、地域密着型のビジネスにとって非常に重要な戦略です。

以下の点を押さえることで、効果的なローカルSEO施策を展開できるでしょう。

 

ローカルSEOには継続的な取り組みが必要です。
戦略を定期的に見直し、最新のトレンドや変更点に対応していくことが成功の鍵となるでしょう。