この記事では、これからアクセス解析を始めるという方向けにアクセス解析の基礎から、分析方法、おすすめのツールまで解説します。
✔ Webサイトの運営をしているが、施策効果の計測方法がわからない
✔ 計測はしているものの、データの見方や活用方法がわからない
✔ よりよいサイト改善のためのノウハウが知りたい
という方は、ぜひ参考にしてください!
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2『SEO内製化支援プラン』:正しいSEOの知識で内製化を実現
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目次
アクセス解析の基本
アクセス解析とは
アクセス解析とは、端的にいえば「サイトのコンバージョン(CV)を増加させるために、サイト訪問者の状況を数値によって可視化・分析すること」です。
ここでいう属性とは、性別、年齢、興味関心、地域(都道府県)など、ユーザーが持つ特徴を分類したものです。
「サイトにどのような人が訪れているのか」、「どのような時間帯・環境でアクセスしているのか」、「どのようなコンテンツが人気で、逆に見られていないコンテンツはどれか」といったことを分析することで、サイトのコンバージョンを増やすための課題の発見につながります。
アクセス解析を行う目的
アクセス解析の目的はコンバージョン数を増加させるためのサイト課題を見つけることです。
コンバージョンとは、ユーザーが、Webサイト上でゴールとしているアクションを起こしてくれた状態を指します。
例えば、ECサイトなら商品購入、BtoB企業であれば問い合わせや資料請求など、コンバージョンはサイトによって異なります。
アクセス解析はサイトの閲覧数や人気のぺージ、ユーザーの数を知ることが目的なのではなく、それらの指標を用いて、サイトのコンバージョン数を上げるための課題を見つけ、どこを改善すればよいのかを理解するために行います。
そのため、毎月のレポーティングで数字を見て終わりではなく、コンバージョン数をアップさせるためにどこが課題なのか、どう改善するのがよいか、という意識をもってアクセス解析を行いましょう。
アクセス解析で何がわかるのか
アクセス解析でわかるデータは主に下記です。
・どんなユーザーが訪問しているか(性別、年齢、興味関心、地域など)
・ユーザーがどこからサイトを訪問しているか(検索、広告、外部リンクなど)
・ユーザーが最初に訪れたページはどこか
・ユーザーがどのページで直帰(最初に見たページでサイトを離れること)したか
・ユーザーによく見られているページはどこか
・ユーザーがどこでコンバージョンしているか
・ユーザーがどのページでサイトを離脱したか
これらのデータを掛け合わせて分析することもできます。例えば、どんな性別のどこから来たユーザーがよくコンバージョンしているか、などを分析することもできるのです。
アクセス解析におすすめのツール
アクセス解析ができるツールは有料のものから無料のものまで、様々なものが提供されていますが、ここでは無料で使えるおすすめのアクセス解析ツールをご紹介します。
アクセス解析ツールを使えば、前述のようなサイト訪問者の特性や行動を容易に知ることができます。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、Googleがフリーで提供しているアクセス解析ツールです。無料であるにも関わらず、トップクラスの機能性を誇り、日本の上場企業の75%が導入しているとも言われます。
これを活用することで、記事ごと・ユーザー層別・時期別など、セグメントに分けたアクセス状況を細かく分析することが可能になります。
Googleアナリティクスのメリットは、主に2つあります。1つ目は、初心者の方でも分かりやすいこと。
メジャーなツールのため、関連書籍はもちろんセミナーや関連ツールも多岐にわたります。出回っている情報が多いため、初心者でも不明点を解決しやすいという点がメリットと言えるでしょう。
2つ目は、中上級者の高度な要求にも対応できる種類豊富なレポートを有していることに加え、Google AdWords、Google AdSense、GoogleタグマネージャなどGoogleの他のWebマーケティングツールと連携し、掛け合わせることでより深い分析ができることです。任意の項目のみでカスタムレポートを作成することも可能なので、対象サイトの分析項目・KPIに合わせた指標でサイトを評価できるのも魅力です。
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Google Search Console
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)とは、クローラー(=検索エンジンのロボット)がどのようにサイトを認識しているかを確認・管理できる、無料ツールです。検索キーワードのクリック数や表示回数といった検索パフォーマンス、インデックス状況やクロール状況、外部 / 内部リンクの状況など、SEO対策において重要な要素やエラー状況を画面上で直接確認することができます。
サイト流入後の情報データの解析はもちろん、アクセス数に関わるサイトのマイナス要因の特定に役立つため、SEO対策には必須のツールです。
TACT SEO
「TACT SEO」は、キーワード調査や日々の順位計測、サイト内のSEO課題の発見などSEO対策を行うために必要な機能が一つになったツールです。広告代理店やweb制作会社など、Webのプロも営業時の提案資料作成や既存顧客向けの報告書の作成に活用。
前述のGoogle アナリティクスと併せて使用することで、SEOに特化したアクセス解析レポートを作成することができるので、Googleアナリティクスは複雑でわかりづらいという方にもおすすめです。
アクセス解析ツールは様々なものがありますが、まずは無料のサービスを用いて分析を始めることをおすすめします。より高度な分析を実施したい場合は、有料のアクセス解析ツールを検討してみてください。
アクセス解析をする前に
アクセス解析を始める前にいくつか準備すべきことがあります。
サイトで達成したいゴールを明確にする
まずはサイト内で達成したいゴール(コンバージョン)を設定する必要があります。
サイトによってコンバージョンポイントは様々なので、自分のサイトがどこをコンバージョンポイントとするのかを明確にする必要があります。例えば、ECサイトであれば商品購入、BtoB企業であれば問い合わせや資料請求などが該当するでしょう。
サイトのゴールが明確ではないままアクセス解析をしてしまうと、アクセス数は増えたが肝心のコンバージョンに全く繋がらなかった、という事態が起こってしまうことも。
サイト運営チーム内で、「サイトのゴールは何なのか」の認識を事前にすり合わせておきましょう。
アクセス解析の専門用語を理解する
アクセス解析を行う際は、基本的な用語について理解しておく必要があります。ここでは、先ほど説明したGoogleアナリティクスで頻出する用語について解説していきます。
セッション
セッションとはユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の流れのことです。アクセスしてからWebサイトを離れるまでが「1セッション」となります。
同じユーザーでも、一度Webサイトを離れた後に再度訪問した際などは、セッション切れとなり別のセッションに切り替わります。セッション切れについてはGoogleがこのように定義しています。
・時間による期限切れ:一定時間がすぎるとセッション切れとなる
・キャンペーンの切り替わり:キャンペーンソースが変わると、次のセッションが開始される
ユーザーが同じWebサイトで、一定時間行動しない場合は「離脱」とみなされ、セッション切れとなります。そのため、再度間隔をあけて再びWebサイト内のどこかクリックした場合は新たなセッションになるということです。
ユニークユーザー(UU)
ユニークユーザーとは、Webサイトの訪問人数のことを指します。同じ人が同一デバイスで何度Webサイトを訪問してもユニークユーザーは「1」です。
同じ人がPCとスマートフォンなど、別のデバイスでアクセスした場合のユニークユーザー数は「2」になります。
ページビュー数(PV)
ページビュー数とは、Webページの閲覧数のことです。同じユーザーが10ページ閲覧した場合も、10人が同じ一つのページにアクセスした場合も「ページビュー10」となります。
ページ/セッション
ページビュー数をセッション数で割った数字のことです。
1回の訪問(セッション)あたり、ユーザーが平均してどれだけのページを閲覧しているのかを意味しています。
平均セッション時間
平均セッション時間とは、1回のセッションあたりユーザーがWebサイト内に滞在している時間のことを指します。長く滞在してもらえるほど、ユーザーにとって魅力のあるWebサイトであるという目安になります。
Googleアナリティクスでは、ユーザーが1セッションで最後に見たページ(離脱ページ)は、セッション時間の集計から除外されてしまうので注意が必要です。
ランディングページ
ランディングページとは、Webサイトに訪れたユーザーがセッションの中で一番最初にアクセスするページです。
「ランディングページ」はWeb広告で主に用いられる、訪問したユーザーにコンバージョンを促すために作られたページを指す場合もあります。両者を混同しないように注意が必要です。
直帰率
最初に訪れたページのみを見てサイトから出て行ってしまうことを直帰と呼び、総訪問数の中の直帰したユーザーの割合を、直帰率といいます。
直帰率はページごとに直帰数÷セッション数で計算されています。
直帰率が高い場合のポジティブな原因としては、「ユーザーが知りたい情報が得られたから満足してすぐ離脱した」というものがあります。ただし、直帰率が高いページはサイト上で問題が生じているケースが多いため、課題ページとなることが多いです。直帰率が高いネガティブ要因として以下が考えられます。
・ユーザーの検索意図と異なるサイト内容だった
・表示速度が遅く、ページがすぐに閲覧できなかった
・見づらい、誤字・脱字が多い
直帰率は、サイトのタイプ(ECサイト、メディアサイト、LPサイトなど)や業界、流入元(どこからサイトへ訪れたか)によって数値は様々ですので、「〇%以上であれば直帰率が高い」とは一概にいえません。
しかしながら、
・自サイトの他のページと比較して直帰率が異常に高い場合
・ページのボリュームに対して少なすぎる滞在時間で離脱している場合
・期間比較で急に直帰率が高くなってしまった場合
などについては原因を検討し改善する必要があります。
アクセス解析の活用方法
Googleアナリティクスの導入方法
アクセス解析をするならまずは導入すべきツールであるGoogleアナリティクスの導入方法を紹介します。3つのステップで、初心者でも簡単に導入できます。
1.Googleアカウントの取得
まずはGoogleアカウントを用意しましょう。
Gmailなどで既にアカウントがある場合はこのステップは不要です。Googleアカウントを作成する
2.Googleアナリティクスの開設
Googleアナリティクス用のアカウントも取得します。
分析したいWebサイトのURLを入力し、トラッキングコードと呼ばれるコードを取得します。
3.トラッキングコードを設置
トラッキングコードをWebサイト全体のHTMLに組み込みます。
それが読み込まれることでGoogleアナリティクスでアクセス解析ができるようになります。
HTMLに組み込むというと難しいですが、簡単にGoogleアナリティクスを導入でるように工夫されているものが多いので、ぜひ試してみてください。
WordPressを使用している場合、トラッキングIDの設定をすることで、Googleアナリティクスとサイトを紐付けることが可能です。
注意点としては、サイトリニューアルの際などに、「Googleアナリティクスのタグを入れ忘れてしまい正しく計測できなかった…」というミスが起こり得ることです。サイトに変更を加える際は、計測可能な状態になっているかどうかを公開前に必ず確認するようにしましょう。
アナリティクスのトラッキングコードとは?確認や設置の方法を解説
アクセス解析で課題を見つけるためのポイント
Googleアナリティクスにはいくつもの項目があります。Googleアナリティクスの調査で得られた結果から、サイトの課題を見つけることが重要です。
ここではサイト改善につなげる際に見るべきポイントをご紹介します。
ユーザーの使用デバイス
「ユーザー」→「モバイル」→「概要」とページを開けば、ユーザーが使っているデバイス(PC、スマホ、タブレット)の分析ができます。
例えばスマホからの訪問者が多い場合、スマホ対策に力を入れるなどの施策を考えることができます。
ユーザーの訪問方法
「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」を開けば、ユーザーがどこからサイトに訪問したのかがわかります。
Organic Searchからの訪問が多ければサイトがよく検索されるキーワードで上位表示されているということですし、Paid Searchであれば、広告から訪問していることを指します。ユーザーがどこから訪問したのかを知れば、それに合った対策を考えやすいでしょう。
ユーザーの行動フロー
「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」でサイト内でユーザーが「どのページからどのページに移動したか」といった行動分析ができます。
また「ランディングページ」ではユーザーが最初に来た入り口となるページを確認できます。
ランディングページはユーザーがサイトの閲覧を続けて最終的にコンバージョンにつながるかどうかの重要なページです。滞在時間やよく見られているページを把握することで、どのページを改善すべきか見えてくるでしょう。
基本的に多くのユーザーが訪問するページから改善しますが、もし訪問数が少なくてもコンバージョン数やCVRが高いページがあれば、広告やキャンペーンなどでそのページに誘導するなどの対策も有効です。
アクセスが変動した際の要因調査のポイント
アクセスを計測していると、「ある日突然アクセスが減っていた!」なんてショックを受けることも…。アクセス数の変動が生じたときに要因調査で見るポイントについて解説します。
チャネル別獲得アクセス数
まずチャネル毎にアクセス数を調べましょう。
Webサイトへのアクセスは、オーガニック経由・リスティング広告などのCPC経由・SNS経由・アフィリエイトなどのリファラル経由といった様々なチャネルが存在します。
このうち、オーガニック経由でのアクセス数のみが急激に減少していた場合は、SEOのアルゴリズム変動を疑いましょう。SEOの順位はGoogleの検索アルゴリズムの変動によって上下します。アルゴリズムは毎日少しずつ変更が加えられていますが、特にアップデートがあったタイミングで順位が大きく変動することが多いので、SEO対策をしている場合はSEOトレンドの動向を常にチェックするようにしましょう。
他のチャネルも含めて、全体でアクセスが下がっている場合は、時期要因などマーケットそのものが変化している可能性もあります。SEOの順位変動は意識しつつも、変動要因は外部要因も含めて見ていくことが重要です。
Google Analytics(アナリティクス)のreferralとは?各チャネルの詳細や確認方法を解説
ランディングページ別のアクセス数
次にランディングページ別のアクセス数を確認し、アクセスが変動している箇所(ページ)を特定しましょう。効果検証のポイントと同じく、ディレクトリ単位>ページ単位で見ていくことがおすすめです。
ページが特定できたあとは、先ほど解説したアクセス変動の範囲などから要因を考えます。
大部分のページでアクセスが低下している場合はアルゴリズム変動などによりサイト単位でGoogleからマイナス評価を受けている可能性があります。サイト全体を確認し、低品質なページがないか、などの対策が必要になってきます。
特定のページでのアクセスが変動している場合は、そのページで上位表示していたキーワードの順位変化を確認しましょう。
注意点:アクセス解析の要因調査のために施策タイミングを記録しておく
アクセス解析を実施する上での注意点として、施策タイミングを記録していくことがあります。
記事公開直後や、webサイトのリニューアル後は特にアクセスの推移が気になるタイミングで、周囲からも成果を聞かれることが増えると思います。
こうしたタイミングでは、施策のbefore・afterで数値の変化を見ておきましょう。そのためには「いつ・何を行ったのか」を記録しておく必要があります。
Google Analyticsには日ごとにメモを入れられる機能があります。メモは日付・テキストを入力でき、日別グラフが表示されるレポートであればどこでも確認できます。
施策時期・内容をメモしておくことで、後にアクセスを見る際に、「これはこの施策によって起こった変化だな」と要因を特定しやすくなります。
記事の修正の場合はリライト内容の前後もわかるようにしておくと便利です。最低限、タイトルが前後でどのように変更されているのか、といった記録は残しておきましょう。
アクセス解析でコンバージョン数を最大化するための課題を発見しよう
本記事では、これからアクセス解析を始めるという方向けにアクセス解析の基礎から、分析方法、おすすめのツールを解説しました。
サイトの課題を発見し、コンバージョンを増やすためにはアクセス解析は必要不可欠です。アクセス数は増えたのに、なかなかコンバージョンにつながらない…という場合の原因の特定に役立ちますので、是非実践してみてください。
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