ワードサラダとは、「文章の意味が破綻しているシステムで自動生成されたテキストコンテンツ」です。
Webに携わっている担当者の方であれば、一度は聞いたことあるのではないでしょうか。
自動生成したコンテンツから効率的に被リンクを獲得できることもあり、以前のSEO対策では効果のある手法と言われていました。
しかし、今の検索エンジンの性能で、ワードサラダの手法を使ってもSEO対策では全く意味を成しません。それどころか逆効果となり、SEOでマイナス評価を受ける可能性があります。
本記事では、ワードサラダの概要や生まれた背景、SEO上のリスクを解説します。
「ワードサラダのことがよくわからない」
「ワードサラダはSEOで効果があるの?」
このような要望・疑問をお持ちの方はぜひ最後までご覧ください。
ワードサラダとは?
ワードサラダとは「文法は間違っていないが、文章として意味が破綻している、システムで自動生成されたテキストコンテンツ」のことです。
もしかしたら、迷惑メールや怪しいWebサイトで見たことがある方もいるのではないでしょうか。
例えば、以下のような文章がワードサラダに該当します。
「今日はマグカップですが、傘は持ってますか?私は晴れですが、明日帰る。」
このような支離滅裂な文章は、統合失調症患者の言語障害(言葉のサラダ)と似ていることから、ワードサラダと呼ばれるようになりました。
ワードサラダが生まれた背景
なぜ、意味が通らないテキストコンテンツを生成するワードサラダが誕生したのでしょうか。一見必要ないように見えますが、ひと昔のSEO対策では効果のある施策だったのです。
以前のSEO対策では、外部サイトから自サイトへリンクを大量に集める手法がより重要視されていました。
被リンクが多いサイトは、検索エンジンから価値の高いサイトと判断されSEOでプラスの評価を受けます。つまり、コンテンツを上位表示しやすくなります。
本来、外部サイトから被リンクを獲得するのであれば、価値の高いコンテンツを作成し、有益な情報を発信しているサイトとしてリンクを設置してもらうのが一般的です。
しかし、そのような価値の高いコンテンツを作成するには、膨大な手間と費用がかかります。
そこで、効率よく外部サイトから被リンクを集めるための対策として誕生したのがワードサラダです。
ワードサラダを利用して文字数の多い記事コンテンツを大量に自動生成し、自動生成したコンテンツから上位表示させたいページにリンクを掲載すれば、手間をかけずとも被リンク数を増やすことができます。
実際このような手法を使って、検索順位を上げるために自作自演を行うWebサイトが多く現れました。
当時の検索エンジンの性能では、文章の意味までは理解することができなかったので、「文法的には正しいが、文章としては支離滅裂なシステムで自動生成されたワードサラダ」と「人間によって書かれた意味の通っている文章」の区別ができませんでした。
そのため、ワードサラダで自動生成されたコンテンツでも、テキストが豊富であれば価値が高い情報として検索エンジンから判断されてしまったのです。
検索エンジンが価値の度合いを判断できないのをいいことに、ワードサラダは被リンク獲得を目的にしたWebサイトの他、アフィリエイトサイトやウイルス感染を目的にしたサイトで、多く利用されるようになりました。
当然、現在のGoogleのアルゴリズムでワードサラダのような手法を使えば、SEO上大きなリスクを被ることになります。
次の章で詳しく解説します。
ワードサラダのSEO上のリスク
ワードサラダは以前のSEO対策で効果的な手法でしたが、今は全く効果がありません。
なぜなら現在の検索エンジンは、ほぼ100%ワードサラダによって自動生成されたコンテンツをスパム行為と認識できるようになったからです。検索エンジンのプログラムが改良されたことで、ワードサラダで自動生成されたコンテンツはインデックスされない仕組みになっています。
検索結果上で上位表示されるための土俵に上がることもできないので、自動生成コンテンツに自サイトのリンクが掲載されていてもSEO効果はありません。むしろ、ワードサラダを利用してあまりにも多くの被リンクを掲載している場合は、最悪の場合ペナルティを受ける可能性もあります。
また、クローラビリティの観点でも、インデックスされないページが存在していることで、余分なクロールをしてしまう原因にもなります。本来評価してほしいコンテンツのクロールがされず、インデックスされるのが遅くなるのでデメリットしかありません。
まとめると、SEO対策でワードサラダを行うメリットはないどころか、マイナス評価を受ける可能性が高いです。コンテンツで上位表示をするには、ユーザーにとって価値の高い情報を発信し、自然な形で被リンクを獲得するのが一番の近道と言えるでしょう。
ワードサラダのようにGoogleが定めるガイドラインに反した方法で検索順位を上げようとするSEO手法のことをブラックハットSEOと呼びます。
ブラックハットSEOとは?ホワイトハットSEOとの違いや手法
品質ガイドラインについて
Googleウェブマスター向けガイドラインの「品質に関するガイドラインについて」の中に「自動的に生成されたコンテンツ」という項目があります。
こちらの項目ではワードサラダについて以下のように言及されています。
自動生成されたコンテンツ(「自動生成コンテンツ」とも呼ばれる)は、プログラムによって生成されたコンテンツです。Google は、検索ランキングを操作することを目的としている、ユーザーの役に立たないコンテンツに対し、措置を取ることがあります。
具体例の一部を以下に示します。
- 検索キーワードを含んでいるが、文章としては意味をなさないテキスト
- 自動化されたツールで翻訳されたテキストが人間によるチェックや編集を経ず公開されたもの
- マルコフ連鎖などの自動処理によって生成されたテキスト
- 自動化された類義語生成や難読化の手法を使用して生成されたテキスト
- Atom / RSS フィードや検索結果からの無断複製によって生成されたテキスト
- 複数のウェブページからのコンテンツを、十分な付加価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりしたもの
このようなコンテンツをサイトでホストしている場合は、
検索結果にコンテンツが表示されないようにします。
引用:自動生成されたコンテンツ
こちらのガイドラインからわかる通り、Googleはユーザーにとって価値あるコンテンツを提供することを最も大事にしています。
一方でワードサラダのような、検索ランキングを操作することを目的とし、ユーザーにとって価値がない内容のコンテンツ生成は、品質ガイドラインに反しておりGoogleが求めるものではありません。
現在の検索エンジンのプログラムでは、ワードサラダのように自動生成されたコンテンツをほぼ100%検出できるため、必ずGoogleに見破られます。
事実、ワードサラダで自動生成されたコンテンツの多くは削除されるようになっており、抜け道を狙うようなSEO対策は意味を成しません。
検索順位を上げるためには、ユーザーの検索意図に沿った高品質なコンテンツを提供し続けることが重要です。
まとめ
本記事では、ワードサラダが生まれた背景やSEO上のリスクについて解説しました。
ワードサラダとは、文法は間違っていないが意味が破綻しているシステムによって自動生成されたテキストコンテンツのことです。
以前のSEO対策では、被リンク獲得を目的としたWebサイトやアフィリエイトサイトでワードサラダの手法が利用されていましたが、検索エンジンの性能が進歩した現代ではほぼ意味がない手法となっています。むしろ、意味がないどころかGoogleからペナルティを受けSEOでマイナス評価を受ける可能性があります。
上位表示を目指すならワードサラダのような手法には頼らず、ユーザーにとって役立つコンテンツを作成していきましょう。
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