今回は、現時点でGoogleから発表されている情報などをもとに、滞在時間がSEOに及ぼす影響を読み解きたいと思います。
滞在時間(平均セッション時間)とは
Googleアナリティクスには、自社Webサイトのコンディションを知るための様々な情報があります。例えばセッションや(訪問)ユーザー、ページビュー、直帰率がこれにあたりますが、今回はこれらの情報のなかにある「平均セッション時間(=滞在時間)」について触れてみたいと思います。
セッションよりも滞在時間と書くと理解しやすいと思いますが、文字通りユーザーが任意のサイト内に滞在(留まった)平均時間を指します。Googleアナリティクスでは
“セッションとはユーザーがWebサイトやアプリに積極的に関わっている時間を指します”
と定義されています。
この内容で説明が必要な部分が“積極的”という部分だと思います。こちらは簡単に言えば、同一ページを開きっぱなしの状態をカウントしないということ。Googleはこの部分に具体的な時間を設けており、30分以上何も操作されていない状態が続いた場合は別セッションとしてカウントするということです。
参考URL: https://support.google.com/analytics/answer/2731565?hl=ja
セッションカウントの考え方
例えば、ページA → Eへと30分以内にアクセスした場合は、セッションは1となりますが、コンテンツBを開いたまま、30分以上後にページC → Dへ移動した場合は、一度、離脱したものとされるため、セッションは2とカウントされます。また、PVは閲覧ページ数分がカウントされます。
単純に考えて、直帰率が低く、滞在時間が長ければユーザーは任意のページをしっかりと読み込んでいる可能性が高いはず。数値としてこのような項目がGoogleアナリティクスに用意されているのであれば当然SEOにも何らかの影響を及ぼしていると考えられそうですが、Google関係者のコメントから読み解いてみましょう。
滞在時間や直帰率は検索順位に影響を及ぼさない?
滞在時間や直帰率はGoogleの検索結果に影響を与えないのか。一つの目安としてGoogleのJohn Mueller氏はWebマスターオフィスアワーで以下のような質疑に対して回答しています。
▽参考動画「Webマスターオフィスアワー」該当時間は3:19〜3:32
Q Googleはランキングシグナル(順位付けの要因)に直帰率を使用しているか?
A 私たちは検索順位を決めるにあたって、Googleアナリティクスのデータを活用、結びつけてはいない
(中略)
非常に幅広く集約されたデータにおいて、参考にしてきた項目も確かにあるが、ページ単位では容易に活用できるものではない
ただし、これらのやりとりを100%信用することはできません。「以前はそうだったが・・・」といった前言を撤回するケースもあるからです。ただし、後半部分の“簡単に活用できるものではない”という部分に真意は現れていると推測します。
しかし国内の有識者の中には、検索順位を左右するファクターとして実は用いられているという意見を発している方もいるのも事実です。
単純に考えても、例えば同一セッションとみなされる29分が放置されたものなのか、じっくりと読み込まれたものなか単純は判断できません。また3分で読み終えるけれどユーザーに有益なコンテンツと、読み終えるのに20分を費やすけれど駄文というものも比較できません。つまりまだ「滞在時間が長いこと=ユーザーにとって有益なコンテンツ」であるかどうかの判断が付けづらいという判断は妥当ともいえるでしょう。
ユーザー満足度の指針として直帰率を減らす方法
それでは滞在時間および直帰率の数値を無視していいのかといえば、もちろんそんなことはありません。しっかりとしたコンテンツ構成と内部リンクなどの施策をしているWebサイトにおいては、滞在時間の長さは実施している施策が有効かどうかの一つの基軸になることは間違いありません。
言い換えれば、ランキング上位に表示させるための材料としては、現在はどうやら活用されていないようですが、Webサイトを訪れたユーザー満足度の指針にはなる、ということです。
それではどうすれば「ユーザー満足度の向上=滞在時間の延長」につながるかを考えてみましょう。単純に考えれば直帰率の減少は滞在時間の延長と比例していることを考えれば、“ユーザーの期待値に対してコンテンツのギャプがないこと”“ユーザーのニーズにしっかりと応えること”などがこの改善に繋がることがみえてきます。いくつか例にとってみたいと思います。
1 ユーザーの検索クエリに合致したコンテンツを作成する
しっかりとユーザーの要望に応えていることを示すため、見出しや小見出しでキーワードを盛り込むことが有効。加えて、見出しや小見出しに合致した本文で構成されているかどうかも重要です。
2 目次や小見出しなどを配置して読みやすくする
ユーザーが真に欲しい情報がどこに書かれているかを明示しておくことも、“探すことに飽きて離脱する”ことを防ぎ、滞在時間を延ばすのに有効です。
3 記事内に内部リンクや関連記事を表示させる
ユーザーが最もアクションを起こしやすい文末に関連記事を表示し、内部リンクを活用することでWebサイト内からの離脱を低減することができます。
滞在時間がSEOに直接的に影響を及ぼすかといえば、現時点での回答としてはNOとなりますが、コンテンツの質(ユーザー満足度)を推し量る指標としては重要な判断材料となり得ます。
Googleがユーザーにとって価値のあるコンテンツ、言い換えれば質の高いコンテンツを上位表示させるという明確なコンセプトがある以上、現場、ランキングに影響を及ぼさないにしても、この数値を参考にWebサイトをより良いものへと改善していくことには意味がありそうです。
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